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煙たいBAR

俺はいつもこのようなBARを探している。
俺たちはあの煙草の煙、あの酒の匂い、そしてあの暗い照明の下で自分を発見する。そこにあるのは、無数の生命とエネルギーだ。そして、バーテンダーの手から出されるアルコールが、そのエネルギーを更に高めていくのだ。

このBARはまさにその場所だ。だが、とても煙たい。もう一息というところで火がついたタバコを灰皿に捨て、その隣に座っている奴がまたタバコをくわえる。そんな感じだ。そこは煙たいが、たまにはこういうBARが必要なのだ。

今晩はスコッチを一杯。バーテンダーに頼むと、彼は氷を一片入れ、そしてバックルームに消えていった。俺は彼の姿を見送りながら、周りを見渡す。

ここには色んな人種の人間がいる。一人の男がテーブルに座って、ノートに何かを書き留めている。女性が二人、隣り合わせに座っており、何か話している。他にも、白髪交じりの老人がコーヒーを一杯、一人静かに飲んでいる。

そして、バーテンダーがスコッチを運んできた。口に含んでみると、味わい深い。一度に飲み干すのは惜しいが、時間をかけて楽しもう。こうやって煙たいBARで、のんびりと過ごす時間は、なんとも言えないものがある。

また来ようと思う。ここは、俺にとって必要な場所だ。

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