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日本原産のセリ。クレソンみたいに肉のつけあわせにしたら大成功だった件

こんばんは、クラフトビア子です。
春先になるとスーパーの青果コーナーで、やわらかくて新鮮なセリが束になって売られているのをみかけます。

年を重ねるにつけ、セリの独特の風味や食感を好むようになり、この時期はよさそうなセリをみかけたらついつい買ってしまいます。

子どもたちは全然食べてくれないので、夫を巻き込んでせっせと食べているのですが。何しろあんまりレパートリーがないものだから、たいていは鍋料理に追加して食べています。それもおいしいのですが、鍋料理ばかりするわけにもいきません。おひたしもいいんですけど、ちょっと飽きちゃうし。

というわけで、セリをいつもと違う食べ方をしてみたら、しばらくはビア子の中でブームになりそうなのと、後半は一転してちょっと苦い話です。


クレソンのように肉の付け合わせに。ちょっと炒めるのがポイント

セリとクレソンってちょっと似ていませんか。

実際には、セリはセリ科、クレソンはアブラナ科で、違う種類の野菜です。

クレソンはオランダガラシともよばれていて、辛みがあり、肉料理の付け合わせとしてよく登場します。

セリは日本原産の野菜で、三つ葉とセロリの間くらいの香り。しゃきしゃきとして、特にきりたんぽ鍋には欠かせない具材です。

調べてみたら、パクチーもセリ科なんだそう。辛みというよりは、香りの強い野菜のセリとは仲間なのかと納得です。ほかにも、パセリやクミン、人参などもセリ科です。

鍋料理やおひたし以外の食べ方はないのかな…。おいしいセリを旬のうちにもっと楽しみたい。ローストビーフをつくりながらそんなことを考えていて、ふと思いつきました。

クレソンとちょっと似ているし、クレソンは西洋セリとも呼ばれているくらいなのだから、肉料理の付け合わせにすればいいのでは…!!

とはいえ、生でバリバリ食べるよりは、ちょっと炒めたほうがおいしいかも。そう思って、肉を焼いたフライパンでさっと炒めて塩コショウしてみたら、これが大成功でした!

香りも食感も損なわれずに、青臭さがほどよく肉の脂で消されているし、つけあわせとしてクレソンよりもおいしいかも。ローストビーフにはわさび(ホースラディッシュではなく、本わさび)をつけて食べる派なので、辛みがなくても問題なし。春よありがとうと言いたい味覚です。

というわけで、セリを持て余している方は肉料理のつけあわせに、ちょっと油で炒めてみるのをおすすめします。

畔に生えていたセリ。その畔は今はもうないけれど

セリは東北地方で多く生産されていて、特に宮城県が全体の4割を出荷しているのだとか。

ビア子の母は宮城県がふるさとなのですが、子どもの頃に祖父母の家に春休みに遊びに行くと、家の近くの畔でセリを採っていたのを思い出しました。

日本原産の野菜で春の七草のひとつに数えられ、古くは万葉集にも登場。セリは水が豊富なところで育つから、田んぼの畔に生えていることも多く、そうしたセリは田ぜりと呼ばれています。

田ぜりを採り、つくしを収穫して、少し苦い春の味覚を楽しんで、夏には蛍を見ることもできた、子どもの頃に親しんだ畔。

その畔は、今はもうありません。

もうすぐ13年になる、あの日に起きた大震災の津波が、畔も何もかもを流してしまったから。

畔でセリを摘んでいた祖母は、孫と一緒にセリを摘んだ自宅での記憶をすべて失い、数年経ってから亡くなりました。

根芹つむ春の沢田におり立ちて 衣のすそのぬれぬ日ぞなき

平安時代の『後拾遺和歌集』より 曽禰好忠

恋歌といわれていますが、巡る歳月に想いを込めて。

春になると、やっぱりほろ苦いセリを買い求めます。



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