7/17[土]、群馬県・桐生市に悠然と店を構える旅とアウトドアのコンセプトショップ『Purveyors』にて、1日限定のクラフトコーラアワーを開きました。

出店した我々も、Purveyorsの皆さんも、来てくれたお客さんも、そこにいた限りなく多くの方がクラフトコーラを楽しんで、確かな可能性を感じた夏の1日を、懐かしむように振り返ります。

１．Purveyorsとは

まず、Purveyorsについて。ただの旅とアウトドアのコンセプトショップと思うことなかれ。

”調達人””御用達”の意味を持つ「Purveyors」を冠に掲げた経緯には、曰く、「旅を愛する私たちが自ら足を運んで調達人となり、お客様のお気に入りとなる御用達を運んでくる」といった想いが込められています。

アパレル、ライフスタイルすべて僕たちの偏った目線でセレクトしてます。どれも僕たちの大切な思いがこもったものです。

一口にアウトドア・旅と申しましても、平均値な情報やお店が多い中、私たち独自の偏った目線でセレクトし私たちらしさを追求して行くことが存在価値になるのではと考えています。

このような想いと説得力がビシビシと伝わる空間とモノの佇まいと、スタッフさんの振る舞いや言葉。

僕がいくら言葉を紡ごうとも、この場で体感することが何よりもPurveyorsのすごさを感じられるので、ぜひ一度訪れてほしいです。

そんなPurveyorsに初めて行ったのが、2020年の末。

小牧広平さんというグラス職人が作る『COZYglass』というグラスが欲しく、Purveyrosに展示販売されていることを突き止めて、片道3時間弱かけて通っていたのでした。

「クラフトコーラを美味しく体験できるグラスだ」「いつか、このグラスでクラフトコーラを振る舞いたい」と、居ても立っても居られずに。

実際に購入して自分で体験し。クラフトコーラとの相性を確信。鼻息荒くCOZYglassをSNSで紹介していたところ、Purveoyrsからお声がかかり、今回のイベントに至ったのです。

いわば、COZYglassは、色々な意味で、クラフトコーラの可能性を媒介してくれた存在なのです。

２．コンセプトは”1日限りのクラフトコーラ調達人”

さて、そんなPurveyorsで開かせていただくのだから。場の文脈を継いだクラフトコーラアワーにしたいと意気込み、コンセプトをつくりました。

”1日限りのクラフトコーラ調達人”

Purveyorsらしい「偏愛」「郷愁に駆られる（味わいや香り）」「旅・アウトドア」といったキーワードから着想し、店名の語源にある「調達人」になったつもりで。

いくつもある銘柄の中から、Purveyorsに並べたいなと直感的に思ったクラフトコーラをセレクトしました。

【TÉTOTARŌ COLA】（東京）
“料理変態”と“日本酒変態”によるタッグで爆誕した、クラフトコーラ界の黒船。自家製カラメルを中心に仕立てた、苦みとコクに浸りましょう。

【80“YASO”コーラ】（新潟・上越）
上越の地で長年野草商品づくりを営む「越後薬草」が手掛けた逸品。野草の世界に、コーラらしさをバランスよく調合した、上品でかっこいい味わいと香りをどうぞ。

【TOBA TOBA COLA】（鹿児島・喜界島）
地産のみかんやきび砂糖に、14種のスパイスを調合。元気な柑橘感と上品なスパイシーさ香る、爽やかな1品。

【屋久島1000年コーラ】（鹿児島・屋久島）
屋久島に古くから根付く素材で仕立てた、いわば”カルチャーテラー”なコーラ。特にウコンや超軟水、黒糖や粗糖が効いた、ビターで甘く、軽やかな味わい・香りに、作り手の魂すら感じます。

３．当日の様子

当日は、まさに夏晴れ。クラフトコーラ日和そのものでした。

会場は、Purveyors 3Fにあるテラスバー。ここが気持ちいいのなんのって。木を感じる開放的な空間に、居心地抜群なソファや椅子、カウンター。

カウンターもかっこよく、出店側としても頬がゆるむほどでした。

そして、オープン。

メニューは「1種たっぷり」と「2種飲み比べ」。

1種たっぷりでは、COZYglassで優雅にお振る舞い。2種飲み比べでは、クラフトコーラとのいい出会いになるように、鯉淵と会話しながら銘柄をチョイスしてもらいました。

当日は100名を超えるほどの盛況ぶり。

お客さんは、ほとんどがクラフトコーラを飲んだことがない方ばかりでしたが、それでも興味津々に、鯉淵の話を聞いてくれたり、前のめりに手を出してくれたりと、クラフトコーラを満喫している様子が嬉しく、出展者冥利に尽きるばかりでした。

コンセプトに沿える銘柄の中でも、味わいや香り、キースパイス、地域性、泡立ち、色合い、すべてに違いが出るように選んだため、「ここまで全然違うとは思わなった！」との感想をたくさん頂けたり、「白ーい！黒ーい！」と面白がってもらえたり。

正直どれも同じくらいのペースで注文を頂けて、お気に入りの銘柄を伺ったときもバランスよく分かれていたかな？という所感でした。違いがわかりやすく表現されているクラフトコーラらしい現象だったかなと思っています。

TÉTOTARŌ COLAは、自家製のカラメルによる苦みとコクで、お客さんを唸らせていましたね。その重力感とパワーだからこそか、「うお～～～旨い」といった唸るような反応をよく引き出していました。「甘み」や「子どもにいいかも」といった声も挙がっていましたね（ここは少し意外でした）。

80“YASO”コーラは、その美しさで相変わらず目や心を奪っていました。「越後薬草」についてや「80種類の野草発酵エキス」の話すと、だいたい注文をしていただけた記憶なので、魅了されるポイントなのでしょう。味わいや色合いで驚きも与えつつ、でもコーラらしさも感じてもらえていた印象があります。

TOBA TOBA COLAは、喜界島のことやご夫婦で製造されている話がやはり刺さることが多かったですね。スパイシーさやフルーティーさなど、この中ではわかりやすくコーラらしく、入りやすさがあったのか、迷っている方ほど頼んでいもらえていたような気がします。クラフトコーラを注いでグラスを渡すと多くの方が香りをかいでくれたのですが、特にTOBA TOBA COLAは”香り”の次点でご満悦にさせていたような印象でした。

屋久島1000年コーラは、やはり「屋久島」という地域に反応する方が多かったです。旅好きが多かったからでしょうか？それ以上に驚いたのは「1000年」という名前がよく反応してもらえたこと。お品書きを見ながら声に出す方も一定数いて、強さを感じました。ウコンと黒糖が効いた美味しさはしっかりと味わってもらえていて、そのわかりやすさと郷愁感はやはり魅力になっていましたね。

４．愛溢れる調達が集まる場で

なぜ、こんなに盛況したのか。もちろん、よりたくさんのお客さんに、よりいい出会いをしてもらえるように、告知や銘柄のセレクト、グラスのチョイス、リーフレットなど、出店者としてできるかぎりのことをしました（とても楽しかった...）。

それでも思うのは、やはりクラフトコーラの可能性そのものの大きさと、そんなクラフトコーラの可能性を直感的に察知し、好奇心そのままにお店にきてくれた皆さん、その魅力を自然体で体感してくれた皆さんの賜物だな、と。

印象に残っているのは、Purveyorsの皆さんしかり、お客さんしかり、クラフトコーラを味わった後、たくさんの言葉をかけてくれたことでした。そして、そのどれもがクラフトコーラの面白さや魅力に言及してくれていました。

そして、シロップ展示販売も、予想をはるかに上回るほどの盛況っぷりで。あと倍ほど持参していたとしても売り切れたのではないか、そう確信を持てるほどでした。

前のめりに楽しんでくれるその好奇心と、そして、魅力を享受して味わう様。さすが、偏愛溢れる場と、そこに訪れた人々だなと、場と人のパワーを思わずにはいられませんでした。

クラフトコーラが、等身大の魅力や価値そのままに享受される状態をつくる

いわば、クラフトコーラを日常の中の嗜好品にすべく、クラフトコーラといい出会いの場をつくっている自分にとっては、とても理想的なクラフトコーラアワー。

自分が意識的にクラフトコーラアワーを生むべき場所、その1つは、こういう愛溢れる調達が集まる場なんだろうな、と体感しました。

今後とも、愛溢れる場で。クラフトコーラアワーでまた会いましょう。