パートナーの家でマルチーズを飼っていた。
長年犬の居ない暮らしをしてきて、久しぶりに近くで接したのがランだった。

ある時、彼が遠方に住む親戚の結婚式に招かれ、3日間留守にしなければならなくなり、ペットホテルに預けるよりはと、私が預かることになった。

私も仕事があったのでずっと見ていることは出来なかったが、当時学生だったひとり娘が連休中だった為、協力してくれた。

3日が経ち、彼がランを迎えに来た。
私は車の助手席で膝にランを乗せて、少しの間話をしていた。
膝に乗せたランが愛おしく、もう会えないわけではないのに、行ってしまうのがとても寂しく感じていた。
そろそろ帰るとき、手を差し出す彼の方へなかなか向かわず、彼も私もびっくりしたのを覚えている。

私は家へ戻り、何故か涙が溢れて止まらなかった。
ランが居なくなった寂しさに。
もう会えないわけではないのに。
泣いている私を娘が見つけ、「ママは絶対に犬は飼わないほうがいいよ。」と言った。
今思えば、ある意味深く頷く言葉だ。

その数か月後、犬が見たいだけでふと立ち寄ったペットショップでcreaに出逢った。

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