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答えを導くプロトタイピング

2020年4月より
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダシップコースに通っています。私の学科では「クリエイティブリーダーシップ持論」という授業があり、毎週クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されているゲスト講師をお招きし、お話を伺います。
あくまで講義のレポートではありますが、デザイン思考などを学び、実践している方々との繋がりや、情報の共有が少しでもできれば嬉しいなと思います。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第5回【講義日】2021年5月10日(月)

八田 晃さんさんにお話を伺いました。
インタラクションデザインの領域で活躍されている

八田さんは、「soft device」という会社の代表取締役で、モノや情報と人の対話 = インタラクションの中で生まれる価値づくりを目指すヒューマン・インタフェース・デザインを核として、未来の製品やサービスのあり方を考え
創造するデザインコンサルティングを行われています。


soft device


始まりは、プロトタイプデザインを行う会社だったが、i-mode第一号機のUIを始めとして、TVの電子番組表、音楽プレイヤー等の黒物家電、そして冷蔵庫等の白物家電と、時代の移り変わりとともにインターフェイスを創造する場は移り、現在は車や医療といった領域で、ソフトウェア/ハードウェア、サービス、プロダクトと幅広い領域でモノづくりを支えている。



プロトタイプが、導く答え

八田さんはプロトタイピングの重要性を強調されていました。
「未来は観察では出てこない。作ることで答えに浮き上がる。」
と言うのも、最初はプロダクトデザインの仕事が多かったそうだが、最近は未来にどんなものが必要か という仕事が多く、人間中心デザインのような現状分析からの発想ではうまくまとまらないと言う。
 そんな未来のデザインにおいて有効な手法が、プロトタイピングを作り、体験化してから議論することだ。

“Predicting the Future by Making.” 

プロトタイピングにも様々あり、完成に近いものを作ることもあれば、簡易的に紙に簡単なイメージを書き下ろしたりもするそう。あくまで、完成形をイメージするためのプロトタイプではなく、そのイメージを体験することができるようなプロトタイピングを行うことを目的とする。
モノづくりの中で、雲を掴むような議論ばかりするのではなく、考えるために作るのだ。
最近、プロトタイピングの意味が拡張し、「スケッチ」「シーン」の2方向に向かっているそう。
「スケッチ」では、デザインプロセスの上流で気楽にプロトタイプ化すること。ラフだからこそ、自由度が高く変更が効き、非デザイナーも参加可能で話し合いがうまく進むそう。
「シーン」では、製品やサービスの利用シーンを写真や映像を活用して演じることで、疑似的にその環境を体験できる方法。

日々学ぶ中でも、「手を動かすことで見えてくるものがある。」と先生方も仰っています。正にこの言葉をビジネスとして体現されていらっしゃる例を見せていただきました。
ラフなプロトタイピングと言う手法を用い、非デザイナーなど関わる全員をデザインプロセスの上流から巻き込み、造形と構想を交互に行き来しながら価値創造に取り組むことが重要であることを教えていただきました。


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