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インテリジェンスなアート集団

2020年4月より
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダシップコースに通っています。私の学科では「クリエイティブリーダーシップ持論」という授業があり、毎週クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されているゲスト講師をお招きし、お話を伺います。
あくまで講義のレポートではありますが、デザイン思考などを学び、実践している方々との繋がりや、情報の共有が少しでもできれば嬉しいなと思います。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第6回【講義日】2021年5月17日(月)

 今回は、堺 大輔さんにお話を伺いました。体感没入型のデジタルアート作品を発信しているチームラボの取締役でありDirector、Co-Founderでもある堺大輔さんは1978年生まれで北海道出身。東京大学に在学時代は、ヒューマノイドロボットのウェアラブル遠隔操作システム関する研究を行い、代表の猪子さんら4名の大学院生とチームラボを2001年に立ち上げた。主にソリューション事業を担当されているそう。
 約700名のメンバーを抱える大企業ですが、プログラマー、エンジニア、データサイエンティスト、CGアニメーター、数学者、建築家、UX/UIデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者と多彩なメンバーが揃い、サイエンス・テクノロジー・デザイン・アートなどの境界を溶かし、混じり合う領域で、ものごとのソリューションを提供しています。
アートと言うイメージが私自身強かったのだが、その人員構成はエンジニアが7割、その他はカタリストと呼ばれるそう。あくまでもエンジニアにリスペクトのある会社なのだそう。だからこそ、ハイクオリティなクリエイティビティのために合理的な判断も出来るアート集団なのです。と今まで漠然と尊敬の念を抱いていたチームラボに対して、なぜここまでの集団なのかが腑に落ちた瞬間でした。

みんながフラット

オフィスの紹介をしてくだ去ったのですが、砂場のあるデスクや、積み木のような椅子があり、全てがワクワクを呼ぶ空間であった。その中で印象的だったのが、メモデスクです。テーブルの上が紙になっており、そこにみんなが描きながら考えたりできるもの。これは、ホワイトボードを使わないと言うこと。ホワイトボードだと、書く人と、見る人で主従関係が生まれ、書く人は ちゃんと書こう とするそう。発言しやすいとか、集まりやすいとか、かしこまってちゃんとしなくてもアイデアが出しやすい、みんながフラットでいられるオフィスをデザインしているのです。これらはチームラボの姿勢そのものを象徴していると感じました。素敵すぎる姿勢です。


創造のための合理的判断

さらに、驚いたのが、チームラボはアート以外にクライアントワークにも力を注いできていたと言うこと。銀行や航空会社、ファーストフードや鉄道会社etc.いくつものナショナルブランドのアプリやサービスをデジタルソリューションとして手がけていたのです。
https://www.team-lab.com/ana2016/

https://www.team-lab.com/acurepass/


一見とても華やかに見えるデジタルアート集団ですが、アート実践のためにも、水面下で大規模かつ高い品質が要求されるクライアントワークを丁寧に行う姿勢は感服です。チームで一丸となり、創造のために合理性を持った判断のもと成立するチーム・ラボ。今までも素晴らしい集団だと思っていましたが、尊敬の意とともにより一層惹かれてしまいました。


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