変革に必要なのは、権限よりもリーダーシップ

  • 地位に伴う権限は、部下に行動を強制することはできても、信念を鼓舞することはできない。権限に伴う影響力を過大評価しがちで、自分にもう少し権限があれば、裏付けとなるデータがあれば、もっと力強く主張ができれば、影響力を発揮して自分の考えを推進できると思っている。

  • 私たちは、自分は独立した個人であり、自由に物事を考えていると思っているが、実際には周囲の意見に影響されている。

  • しかし、同調圧力は絶対的なものではなく、新しいアイデアは、まずローカルな小集団の中で広まり、多数の支持を得る。多くはそこで止まるが、中にはローカルな集団の全員に広がり、さらに弱いつながりを介して、消極的だった外の集団へと広がり、ついには連鎖的に波及するカスケード効果を生じさせることがある(集団行動の閾値モデル)。

  • 人をコントロールできるという考えは幻想だ。既に変化が起こっているのでない限り、変化を強制することはできない。多数派がすすんで従ってくれないルールは施行コストが高くついて機能しないという「ホッブズのパラドックス」にほかならない。

  • 組織の最終的なパフォーマンスは最も能力の低いメンバーにとって決まるため、リーダーとしてできる最善のことは、彼らが正しく働けるようマネジメントすること。

#DIAMONDハーバードビジネスレビュー