ヤマト運輸のデータドリブン経営

  • データドリブン経営を実現し、事業を成長させるためには、デジタル人材の活躍だけでは不十分。既存の事業を担う社員たちがデジタルデータをビジネスに活かしてこそ競争力につながる。データをビジネスに活かす能力である「デジタルリテラシー」を組織として向上させなければならない。

  • バブソン大学特別教授のトーマス・H・ダベンポートによると、データの活用は、①定例・臨時報告、②調査(原因特定)、③警告(対策の示唆)、④統計分析、⑤予測・推計、⑥予測モデル、⑦最適化、の順に深化。7段階とかまではいかないまでも、過去データの分析→リアルタイムデータの可視化→未来を見通す予測モデルの確立という順で、データの活用の習熟度を上げていくことが重要。

  • フランチャイズ方式でデジタル人材を活用し、事業部門などのアナログな現場にデジタルを浸透させ、データによって新たな価値をもたらすために必要だとわかったのは、デジタル人材と事業部門間の信頼関係と、事業部門のリーダーの適性。

  • 事業会社で戦力になるデジタル人材を育てるには、4つのスキルが必要。①ビジネス環境や社会動向など様々な背景を理解したうえで、ビジネス課題を整理し、解決する「ビジネス力」、②情報処理、人工知能などの知恵を理解し、活用する「データサイエンス」、③データサイエンスを意味のある使える形にし、実装と運用できるようにする「データエンジニアリング」、④システムとデータ連携、モデルのシステムへの組み込みを行う「システムエンジニアリング」。

  • データありきではなく、経営課題をきちんと理解したうえで、必要なデータとは何かを考える、「経営課題ドリブン」で進めなければならない