見出し画像

上海アートブックフェア『UNFOLD 2019』

はじめにことわっておくが今回のレポートはレポートというより個人的なブログになることになりそうだ。理由がある。いやフェアが悪いわけでもなく上海がどうとかいうわけでもなく僕が悪い。フライトの前日にひいた風邪により超バットコンディションだった。それが理由だ。マスクの下に大量のティッシュを当てて、出入国審査で「帽子とマスクをとって」と言われるたび鼻水が垂れるマンガみたいな状況だった。機内では濡れタオルが唯一の救いだった。

画像1

さらに、ようやっと上海の空港に着いたところでも、最後のX線ゲートにスーツケースを入れたところを呼び止められる。

「中身は?book?」ああブックだよ「開けてもらっていい?」

最悪だよ。局部もろだし写真集が何冊かある。結果全てをチェックされたわけではなく目立つのを見られ、

「これはエロ本ですね」と。

いや香港の写真家のアートブックだ、と言って「ああそうなんだ~」と許してくれるわけもなく、ついにとりあげられてしまった。交渉したが日本に送り返すことも許されなかった。

体調も最悪だったのもあり、これにふて腐れたおれは「おい、スーツケースのなかひろげたら戻さんかい」と床にあぐらをかいていた。なんかわからん紙を渡され書かされた。でも拘留されなくて良かった。

画像2

とにかくホステルへ行こう。6人部屋だ。まだ部屋には誰もいなかった。さっさと寝るんだ。シャワー&トイレの部屋はカーテン一枚の仕切りでドアすらなかった。そのカーテンも幅が足りてなかった。寝ようとしたら中国人宿泊者たちが帰ってきたけど英語も通じないし「よろしく」って握手だけして寝た。中国のリポDをはじめて飲んだ。

画像3

フェア初日となる翌日も、鼻水は収まったものの体調は戻らず。

中国の地下鉄はX線検査がある。乗り換えればその度にスーツケース計30キロを通す。エスカレーターがなければ階段は持つしかない。許せるものも許せなくなってきた。会場に向かう途中でスーツケースの車輪が1個壊れた。なんか蒸し暑いし、もう全部にムカついてきた。

(もうあれなんだろ?こうして海外来てることだってみんな慣れちまって飽きてんだろ?またか、って感じなんだろどうせ。良かったなおい!体調悪かったせいでいつもと違う感じになりそうだぜ!)と思ってた。

画像4

UNFOLDは今年2回目だそうだが、去年1会場だったのが今年は7会場にもなって超巨大化した。こういうところが中国半端じゃない。去年を経験してる出展者からは「分散した」という声も聞こえてきそうだが、それでも来場者数は桁違いだ。

しかし当然会場がわかれた影響はある。どこの会場も入り口から長蛇の列(入場規制)で全てを見て回るのはちょっと困難だ。「あれ良かったなー」とかあとで思ってもたぶん戻ってこれなかっただろう。

画像5

画像6

自分もいつもならトイレに行くついでに他の現地ブース見て回ったりするんだけど別会場となれば流石にそれもできなかった。そもそも体調悪いし立つ気が起きない。今回は申し訳ないがその辺の情報は一切ない。ほぼずっと座って水飲んで本を売ってただけだ。

しかしそれにしてもcrevasseっていうのは自分の知らないところで知られている。出展者にこのブログを読んだという奇特な方もいた。残念ですが今回のブログは期待はずれになりそうです。有用な情報がない。

(以前から関わってるメンバーはこのブログを見て「あれは今回ないの?」と思っているだろうと思う。それは、このブログと別にフェアの所感を個別にメールする非公開版だ。この本は売れた、これは反応悪かった、君の本はどこどこの出版が買っていった、といったむちゃくちゃ正直なやつ。残念ながら今回は無いです。体力切れ)

画像7

ブースには初日と2日目、アーティストの東地雄一郎が来てくれた。他の会場の様子などフェア全体像を見て回ってくれてそこで情報が得られたので助かった。もちろんそんなことのために来たわけではなく、あれもやってくれた。ブックカット。パフォーマンスで本を切った。3月に横浜のフェアでもやったが、そのときは最後半分に切った本を折り曲げて「2倍の厚さの本として2倍の値段で販売」したが今回は「完全に真っ二つに分けてハーフサイズの本として半分の値段で販売 」した。このパフォーマンス、やっぱり僕はツボ。彼の制作に通じる「めっちゃ当然で自明なことを明確にやってるのに、ホントにそれって合ってる?」が詰まってる気がしている。出来た本もいい。この切り口がボロボロしてるのがいいね、なんて褒めてくれたひとがいたが他のあらゆる本にかけられる誉め言葉じゃない。

画像8

自分自身のいい加減さも再認識した。パブリッシャーか?と聞かれればそうだと答えるし、デザイナーかと聞かれればそうだと答えた(アーティストか?と聞かれたときだけは本を指してアーティストはそれぞれ違う、と答えた)。crevasseはアーティストと一緒になって本を作ることもあれば、出来たものを買い取ったりもするわけだが、最近はさらにネタ出しや助言だけしてるパターンもあって、こうなるともうさらになんだかわからない。2日目の夜、da大 in print と東地とディナーに行ったときにも同様に聞かれたが「パブリッシャーだし、本をデザインしてるし、本屋でもあるけど、ただの友達だ」としておいた(ああ!その夜が一番楽しかったなあ)。

画像9

その辺が怪しまれる原因なんだろうが元々ただの野良犬だからそれでいい。crevasseは首輪なしの放し飼いの群れ。僕は僕が面白いと思ったアーティストが楽しい本を見せてくれればそれでいいだけだし、僕らの存在を楽しめるひととそうでないひとがいるだけの話だ。幸い僕らを楽しんでくれてるひとは日本にも世界にもいるみたいだし、東京アートブックフェアで再会できるメンバーも多い。英語は相変わらずできないが、その時には今まで助けてもらった分奢りたおそうと思っている。

画像10

ネガティブ全開で書こうと思ったこの今回のブログも書き進めていると最後は根のハッピー野郎が出てきて統一感に欠けてきた。


text / 大滝(crevasse)
photo / 東地雄一郎 、大滝


前の記事 次の記事

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

こんにちは。crevasseの大滝です。よろしければサポートをお願いします。サポートしていだだくと、しばらくの間サポートしていただいた人に思いを馳せます。

ありがとうございます!!
3

otaki_wataru

Independent nano publisher of photography and zines. - 茨城を拠点にするオンラインブックストア及び出版やってます。 https://www.crevasse.info/

crevasse_アートブックフェアレポート

だれかのなんかの参考になるかもと思い、参加したアートブックフェアのレポートをアップしはじめました。
1つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。