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杜氏がいなくなる?

お酒を造る最高責任者が杜氏であると説明し
ました。 しかし現在ではお酒造りも機械化
、合理化が進み品質の安定したお酒が造られ
るようになり杜氏の仕事内容も大きく様変わ
りしました。昔と違いまず学校で学問として
お酒造りを学び、実践ではマニュアルに従い
造ります。言い換えれば学校で勉強して杜氏
の資格があれば誰でもお酒が造れます。
道具も近代化が進み、お米や酵母なども最先
端の技術を駆使して、遺伝子組み換えなど人
工的に造られたものが導入され、昔と違う本
来の造り方と真反対の造り方が主流となって
います。一昔前は杜氏の経験や勘といった今
では非科学的とされるもので全てが行われて
いました。それでも絶品の銘酒が造られてい
ました。何故ならお酒造りはお米作りの土に
始まり、水、火、酵母、湿度や温度など自然
の理と調和して初めて成しえるものだからで
す。杜氏はこれらを経験と勘、5感を駆使し
て行っていました。自然を相手にした作業に
おいては、全てを数値で表しAIなどだけで行
う事が出来ないものがあり、ことその分野に
ついてはAIなどは遠く人の感性には及びませ
ん。例えば、尺度の基本である1mの長さを決
めている尺度の標本や、水平面や完全球体の
標本の維持管理の際に、最後に人が指先の感
覚で誤差を測り修正しているのは有名な話で
す。この作業はどんなに科学技術が進んでも
機械が取って代わることはないそうです。
これ一つとっても人の感覚、感性がいかに優
れているかが解ります。杜氏をはじめとする
職人と呼ばれる人々は、それぞれの分野にお
いてAIを凌駕する能力を有しているのです。
問題はその職人が時代の流れから絶滅の危機
にあるということです。しかも職人と共にそ
の伝統技術や文化までもが消え去ろうとして
いるのです。


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