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【今月の読書キロク】コンビニ人間/村田沙耶香著


こんにちは。


少し前に話題になっていた『コンビニ人間』を読み終わりました。タイトルを聞いたことある方も多いのではないでしょうか?


芥川賞を獲った本を読むのは初めてだったんですが、ページ数も登場人物も少なかったので読みやすかったです🌿


主人公の女性は、コンビニで18年間アルバイトをしている女性ですが、幼少期から周りとは異なる価値観で育ち、自分がズレていることを認識しながらも、コンビニ店員という決められたマニュアルの中では『普通の人間』として振る舞うことができています。


最初は良かったのですが、年を重ねるにつれ、周りが正社員として働き、結婚し、出産をしている中で、アルバイトとしてコンビニで働き続け、結婚や恋愛をしていない主人公のことを、周囲は昔のように『変わってる人、異物、珍しい』という目で見るようになり、少しずつ歯車が狂っていくなかで、主人公が『普通の人間とは?』と考え行動するお話です。


 普通って何?



私自身も、小学生の頃の昼休みに皆が鬼ごっこをしていたときに、晴れてて気持ちいいからひなたぼっこしたいなと思い、鬼ごっこの誘いを断って、一人で外に座ってひなたぼっこしていたところ、用事があり小学校にたまたま来た母親がその場面を見たらしく、帰宅したときに母親から「皆から仲間はずれにされたの?皆と遊べないの?」と言われた思い出があります。

その時に、私は、


「あ、昼休みは皆と遊ばないとお母さんに心配かけちゃうんだ。一人でいたい時も皆と遊ぶほうがいいんだ。」



って考えて、その日から皆と混ざって遊ぶようになりました。


中学生になってからも、友達と一緒にお手洗いに行く連れションが面倒で、一人で行きたかったけど、周りに友達がいない人と思われるから、友達を誘って行こうとか。


部活中に泣いてしまった部員がいたけど、皆がその子に集まって「大丈夫?」と聞いている場面を見て、私一人の大丈夫?が増えたところで何か変わるのかな、でも行かないと変かなと思ったり。


主人公はその時その時の同僚の話し方や服装を真似して普通に見られるようにしていますが、
この主人公ほどではないですが、
誰でもそうやって周りの人の影響を受けて、意識して行動を変えていくことってあると思います。


私も独身で子供がいないので、家族や友人に会うたび会うたび、「結婚はまだ?子供はまだ?」と聞かれます。


主人公は異常に書かれていますが、(実際異常な部分もありますが)
多かれ少なかれどんな人間でもコンビニ人間と同じ部分はあるんだろうと感じました。


"異常"と思うのではなく"個性"と思える社会になってほしいなと思いますが、きっとそれは無理なんでしょうね。



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