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刺繍のアトリエと音楽のことについて



はじめに

 わたくし内堀久美子の刺繍のアトリエに欠かせないのが音楽です。ここではいわゆる一般的な作業用BGMのお話ではなく、とても個人趣味的なことを書いていくと思うのですが、刺繍をしながら聴く音楽ってどんなの?と少しでも興味があったら読んでみてくださいね。少しずつ目次を増やして、読み手のあなたと会話するイメージで書いていきます。
1週間に1回くらいは更新しますので、「どれどれ、次はどんな曲かな?」って感じで読みに来てくださいね。

アトリエのパブリックな時間

 アトリエでは生徒さんたちがやってくるお教室タイムがあって、コロナ以降はリモートレッスンも併用しているから結構賑やかなんです。生徒さんたちとのおしゃべりが、まるでラジオを聴いているような感覚になったりもして、それも楽しいんですよね。
 質問を受けたりする時は音楽を流していても耳には入らないけれど、ふと会話が途切れた時に聴こえてくると、息継ぎというのかな?音が会話の句読点になる感じがするんです。

 最近のお教室タイムでは、SpotifyのおすすめからJazz、クラシック、映画音楽そして80年代の海外ポップミュージックなんかを延々と流しています。どんな人にも刺繍の邪魔にならないし、時々「懐かしい〜」「この曲好きなんです」なーんて声も聞くので、意外と皆さんも針を動かしながら聴いているのよね。もしかすると好きなメロディが流れると「聴く耳」になるのかもしれないです。
 そんな中から今日は、あの名画から Moon River を。

 この曲が流れると、誰かが必ず映画の話題を始めます。それくらいやっぱり皆んなが好き。名曲だし、名シーン。何度見ても飽きないです。
 
 刺繍作品にも何年経っても飽きない作品があって、そういうものは家族に受け継がれたり、100年後もアンティークとして誰かのコレクションになるのかもしれない。そう考えると手は抜けないし、美しく刺す事ってやっぱり大事だよね。

ユーミンの声と楽曲の持つ効能

 プライベートな時もパブリックな時もアトリエで圧倒的に聴いているのはユーミンらしいです。「らしい」というのは昨年末のSpotifyの集計が教えてくれたからなんだけど、曲数が多いので確かにエンドレスでずーっと聴けちゃう。
 ユーミンの声と曲は、スローでもアップテンポでも呼吸に合うというのか、聴いていながらも集中できる、何か目に見えない不思議なパワーがあると思うの。

 私が初めてユーミンを意識したのは高校1年の頃だったかな? 当時放送されていたテレビドラマ『家庭の秘密』の主題歌が忘れられなくて、ドーナツ版のシングルを手に入れたのが最初。その曲は『あの日に帰りたい』です。B面の『少しだけ片思い』も何度も聴いて、次のシングル『翳りゆく部屋』の時にはデビューアルバムも聴いていて、すっかりユーミンの世界に落ちていました笑。
 アグネスチャンの『白い靴下は似合わない』、バンバンの『いちご白書をもう一度』、石川セリ『遠い海の記憶』『朝焼けが消える前に』なんかは、曲が好きでレコードを買ったら、ユーミンの曲で驚いたり喜んだり…♡
 当時買ったピアノの楽譜集は今も持っていて時々弾いたりします。『そのまま』はよく弾いたし、可愛い曲だなって今も大好き。

 ユーミンの声は倍音で、モンゴルのホーミーと同じだっていうのを昔テレビで見た記憶があるのだけれど、どうやらそれはお坊さんの唱えるお経のようにα波のリラックス効果があるみたい。ユーミン自身の言う「パイプオルガンが脳内にプリントされちゃった」という声は、刺繍の集中力をUPさせる効果があるんじゃないかって思うんです。

 余談ですが、アトリエのある私の住む街には偶然にもユーミン邸があって、犬のお散歩で時々前を通るのですが、ある朝ユーミンと「ご近所さん同士のご挨拶」的な感じでお話ししたのです! ユーミンの方から「おはようございます!」と声をかけて頂いたことは、人生においての特別なギフト♡になりました。アトリエでも私の自慢話として時々話しちゃったりしています。

デンマーク・フレメと出会った頃〜1980年代初期の音

 ちょっと昔に戻って、私がデンマーク・フレメのクロスステッチデザインと出会った1980年代初め頃はどうだったでしょう? 当時のことについて興味のある方は、私の記事【連載4 】5歳と1歳の育児中の専業主婦が刺繍教室を始めることになった閃きとは?https://note.com/crossmaam_1995/n/n709c4056f399?magazine_key=m9b32e8163696 を短いのでサクッと読んでみてくださいね。
 
 あの頃は80年代ではあるけれど、高校時代からの延長で聴いていたから70年代の曲というべきなのかな? いわゆるウェストコースト・ロックをよく聴いていました。イーグルス、ドゥービーブラザーズ、ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラーとか挙げればいっぱい。同時にAORと呼ばれたタイプも聴いていました。スティーリー・ダン、ボビー・コールドウェル、エア・プレイ、そして美しい声のクリストファー・クロス。
 映画『ミスター・アーサー』の主題歌『ニューヨークシティセレナーデ』はピアノを練習した記憶があります。今はYouTubeやSpotifyでいつでも聴けるけど、その度に映画のシーンや当時の自分を思い出しちゃいます。懐かしいなぁ🎵


 それからジェームス・テイラーの1972年のアルバム“One Man Dog”のB面の短い曲”Instrumental II“と、“Don’t Let Me Be Lonely Tonight”をよく聴いたし今も聴いています♪  実は発売してから8~9年が過ぎた頃に知ったんだけど、このアルバムがきっかけで彼の音がすごく好きになったと思うし、現在の演奏も変わらず好きで、1番継続して聴いているミュージシャンかもしれないです。


 当時は輸入盤ばかり買っていました。あーっと!まだCDが世に出る前の時代ですからね(笑)。渋谷のCiscoとか新宿のディスクユニオンによく行っていたんだけど、Ciscoの近くにタワーレコードができてからは(当時は東急ハンズの斜め前のビル)新宿はほとんど行かなくなりました。あの輸入盤屋さんの匂いがなんとも言えないワクワク感でいっぱい! 日本版よりも早く最新版が手に入る輸入盤は紙ジャケが多少弱っちくても絶対でした。そして帰りに道玄坂のヤマハで好きなアルバムの楽譜(ピアノ)を買ったりしてて、今もジャクソン・ブラウンとスティーリー・ダンとキャロル・キングはそのまま持っています。
 
 他にも中学からの流れでイギリスロックは大好きだし、日本では、はっぴぃえんどやティンパンアレイ、ハルヲフォン、サディスティック・ミカバンド、憂歌団…それはまたの機会に書くことにします。

 ロックを聴きながら刺繍? なんとなくイメージが合わないかもですが、80年代初期の頃は、こんな感じで基本的にロックオンリーな私でした。好きな曲は落ち着くので、刺繍もはかどるのかもしれませんね。

 



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