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深夜特急1 香港・マカオ 第1章 朝の光 発端

印象に残ったワード
知覚 酔狂 矛盾 野暮 不吉 慄然 怪訝 沈澱

深夜特急は沢木耕太郎が書いた紀行文であり、
酔狂にも程があるほど無謀な旅の話だ。
なにせ乗合バスでデリーからロンドンまでネットも携帯もない時代に
何の計画も立てずに乗り出すのだから。

本書では旅はもう始まっていて途中のインドでの滞在から話は始まる。
飛行機のチケットでは日本→香港→バンコク→デリーを取ることになり、
1巻の第2章 黄金宮殿 からが香港の話だ。

この1巻の1章 朝の光 では日本を出てもう4ヶ月以上が立ち、
インドのデリーまできて、そこで他の旅行者に混じり、
沈没しかけていたのを他の旅行者を見て気づく。
タイトルの朝の光や発端は安宿での朝の光景もあるが、
旅に再び燃料を注ぎ、動き出そうとする主人公の心意気を垣間見れる話だった。
沈没していた旅人は自分の写し鏡だったのかもしれない。

デリーからアムリトサル行きのバスがあるバスターミナルに向かう
リキシャの兄ちゃんランバートととの心の距離の縮まり方が旅の、
そして人間模様の心の機微を表しているようで、
まるで自分が旅をしている気分になる。

第2章 黄金宮殿 に続く

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