北海道にて

最近、Spotifyでプレイリストを公開するのにハマっている。基本的にはTwitterで流して終わり、なのだが、今回はとても良く、また意義あるリストができたと思ったので、せっかくだから記事にする。

『北海道らしい音楽』とは、なんだろう。

それは考える人の数だけあるだろう。北海道が産んだ偉大な音楽家、というのはメジャー/マイナーを問わず数多くいるし、その中で何が、誰が、強く印象に残っているか、というのは、人に押し付けるものではない。

だがしかし、僕はそれでもなお、強調してみたい。僕が思う、今最も熱く、面白い音楽の『シーン』を。

SAPPORO CITY HARD CORE(SxCxHxC)という言葉がある。主にSLANGを中心とした札幌のパンク・シーンにあてて使われることが多いが、THA BLUE HERBのようにスタイルこそHIP-HOPのアーティスト達もまた、そういったバンドやシーン、言葉に敬意を払って活動している。

正直な話、どこからどこまでがSxCxHxCだとか、このスタイルは違うとか、彼らは東京に行ってからブレイクしただとか、そういったことはどうでもいい。

僕は、bloodthirsty butchersをその中心に置く。これは同じように考えるロック・ファンもまた、多いのではないだろうか。

ナンバーガールやイースタン・ユースらとともに、そういったシーン、盛り上がりがあるということは知っていた。しかし、僕が個人的にそのことを意識したのはだいぶ遅い。2017年の3月19日、A Quiet Evening presents. “Red Letter Day vol.7”という、地元のイベントで観たanthology three chordがきっかけだった。

彼らは、いっそ笑ってしまうぐらいにブッチャーズというバンドに対して真っ直ぐであり、先人たちへのリスペクトに満ち溢れており、だからといって歴史に従順であることを良しとしない、『いま』のバンドだ。

彼らを観て、その存在を知り、「カッコいいな、面白いな」と思った。北海道、SxCxHxC。好きな人には常識のように知られている言葉であり、また先人たちが残した、まじないの言葉である。

だから、もしかしたら、このプレイリストに括られた彼(女)らは『(札幌の)シーン』だとか、『(北海道)らしさ』といった単語にうんざりしているかもしれない。僕もいま北海道に存在する素晴らしいバンドたちをひと括りにできるだなんて思ってはいないし、ましてや伝統だの流れだの、といった安易な評価を下すつもりもない。Spotifyというツールの限界として、リストに載せることができなかったすばらしいバンドももちろん沢山いるし、このリストがすべてハードコアだ、というわけでもない。

ただ、きっかけとして、聴いてみてほしい。北海道に存在する、沢山のカッコいいバンド/アーティストたちを知るきっかけとしてまず、このプレイリストが役立ってくれたなら、と、強く思う次第だ。

投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。