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 chatGPTのビジネスモデルを考えてみる。

 chatGPTはユーザから見たときには、Google検索に匹敵する可能性を感じます。しかし、ビジネスモデルがまだ見えない。もちろん有料サービスとしてやれば、ビジネスとしては一応、収益が確保できるというものにはなりますが、有料でも使いたいと思う人は限られると思うので、今の検索は無料で使えるというgoogle検索には到底及ばない気がします。
 一般ユーザは無料、しかし、お金を払っても、使わせたい人がいる、という仕組みを考えた広告モデルは革命でした。次のステップへ移行するためにはユーザの利便性が向上しつつ、ビジネスとして儲かる仕組みを入れないと発展はしません。
 さて、chatGPT、利便性は向上しました。と言ってもいいでしょう。使ってみた感じ、検索しなくても用が済んでしまうことがかなりありそうです。

 広告ビジネスモデルを考えてみると、Facebookにせよ、Googleにせよ、利用者は使用料を支払っていませんが、情報は提供しているわけです。つまり、金銭の代わりに情報を払っているとも考えられます。情報は確かにお金ではなく、人が自ら生み出しているもので、それを支払いの代わりに使っていると考えれば、それをchatGPTの支払いに使うことは出来そうです。というところまで考えたところで、悪魔のささやきが聞こえました。

 chatGPTはAIです。もちろん、今は個人情報を活用できないような作りになっていますが、個人情報を活用することは簡単にできてしまうでしょう。そうなると、いかようにも出来て、使っている人の思考を誘導することも出来てしまいそうです。それはかなり危険な気がします。Google検索よりも遙かに能動的に誘導できてしまうので、恐ろしいことになりそうです。個人情報を収集し、それを広告主と結びつければ、その人の好みに合ったものを徹底的に回答に入れ込んで、気がついたらあるブランドなり会社の熱烈なファンにしてしまうことも出来てしまいそうです。

 危ない感じがします。規制大好きな米国議員の恰好の餌食になりそうです。だとすると、今は以下のように至極まっとうに生真面目にビジネスを展開するしかなさそうです。

 OpenAIの収益モデルは、以下のようなものがあります:

1.企業向けAPIサービス:企業は、自社製品やサービスにAI言語処理の機能を
 追加するために、OpenAIのAPIを利用できます。このサービスは、料金が
 発生する場合があります。

2.クラウドAIプラットフォーム:OpenAIは、GPT-3などのAIモデルを実行す
 るためのクラウドプラットフォームを提供しています。開発者や企業は、
 これを利用してAIプロジェクトを実行することができます。このサービス
 も、利用に応じて料金が発生する場合があります。

3.サブスクリプション:OpenAIは、GPT-3などのAIモデルにアクセスするた 
 めのサブスクリプションを提供しています。このサービスは、個人や企業
 がAIモデルにアクセスするために月額料金を支払うことができます。

4.技術コンサルティング:OpenAIは、AI技術に関するコンサルティングサー
 ビスを提供しています。企業は、AI技術を利用する方法についてOpenAIの
 専門家からアドバイスを受けることができます。

5.技術ライセンス:OpenAIは、自社のAI技術をライセンス供与することもあ 
 ります。企業は、OpenAIの技術を自社製品やサービスに統合することが
 できます。

以上が、OpenAIの収益モデルの一部です。ただし、OpenAIは非営利団体であり、AI技術の進歩と社会のために働くことを使命としています。したがって、収益モデルはOpenAIの使命を達成するための手段の一つに過ぎません。

chatGPT

 ちなみに、これはchatGPT自身に収益モデルを聞いてみた結果です。今はこんな感じでしょう。一般ユーザが使うには結局サブスクリプションということになりそうです。そうなると金額にもよりますが、無料検索よりもやはりユーザ数は少なくなるでしょう。ビジネスとしては成り立つかもしれませんが。

 ただし、ここで終わってもつまらないし、おそらく、こんなレベルで満足しているビジネス界の人は誰もいないでしょう。この技術を使ってなんとかもうけたいと思って必死に頭を悩ませている人はたくさんいると思います。 
 そこで、web3の登場です。ユーザは情報を提供する代わりに無料でサービスを使うことが出来る様にして、その情報提供をつかって広告主が自分の提供物の認知をユーザにするという流れを作ればなんとかなるかもしれません。もちろんchatGPTくんが少し歪んでしまいますけど。
 ここで、悩ましいのがプライバシー問題です。この情報をため込むことが一極集中を招いているわけですが、今、ユーザ情報を持っていないchatGPTというかOpenAIなら、手放すものが何もないので、ユーザ情報を抱え込まずに、広告主へユーザ情報を提供できれば、もしかして広告モデルが成立するかもしれません。
 サービスをwallet接続により提供し、ゼロ知識証明を使って、ユーザを特定できないようにし、一時的に接続したwalletの情報を使って、その情報に見合った回答を出す、ということは可能な気がします。ユーザ情報はサービス提供側、すなわちこの場合はOpenAIということになるのですが、OpenAI側には残らず、ユーザの情報に基づいた回答を出すことは出来そうです。

 という、概念的な仕組みだけはなんとなく出来そうだなと思いましたが、実際には個々のステップで解決しなければいけない課題が出そうです。OpenAIはマイクロソフトがビジネス面での主導権を握ってそうなので、どこまで出来るか疑問が残ります。あまり変なことは出来ないでしょうから、上記で書いたようなchatGPTくんの回答に基づいたまっとうなビジネスに終わる可能性もあります。とはいえ、必死でもうける方法を考えているでしょうから何か生み出しそうな気はします。

 やはり、Googleを転覆させるのはweb3かもしれません。

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