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ビットコインのリスクは気持ち次第

気がつけばビットコインが6万ドルを突破し、日本円では900万円を超しました。当たり前と言えば当たり前なのですが、ビットコインの価値は価値があると思う人が増えるかどうかで上下しているようです。つまりは気持ちだけが変動要素に見えるのは気のせいでしょうか。

この先、どこまでいくのでしょう。今の所、ビットコインはリスク資産に位置付けられています。おそらく乱高下が激しく、ボラテリティが大きいからでしょう。ビットコインの価格を決める要素は他の資産に比べれば人の気持ちそのものによるウェイトがかなり大きい気がします。もちろん、全ての資産は人々がそのものに価値があると思うかどうかで決まるのですが、人の気持ちを左右する要素が他の資産に比べて少ない気がしています。

資産価値というのはいろいろ理由を述べて裏付けがあるとかないとか言っていますが、結局のところ、人々がそれは持つ価値があると思うかどうかです。
ビットコインは裏付けがないゴミだという話はよく聞きますが、所詮は人々が価値があると思うかどうか、他のものと交換しても良いと思うかどうか、というところに違いはなく、その裏付けを考えてみると、法定通貨も大した違いはなさそうな気がします。
価値があるかどうかを決めるための要素が法定通貨は国の信用だとかなんだとかもっともらしい理由づけをつけてカッコよく語る人がよくいますが、突き詰めていくとそれは裏付けと呼ばれるものを信用するかどうかというだけの話で、信用できるかどうかはいろんな見方があると思っています。

価値を決める要素にはいくつかありそうで、例えば株は企業の収益に対する先行投資なのでその企業が収益を上げられるかどうかで価値が上下します。これは業績という事実に基づくので、確かに人の気持ちそのものとは違うところで価値が変わる要素と言えるでしょう。
株はそれに加えてその会社に将来性があると思うかどうか、というところで価格が上下する傾向にありますので、それは将来性が有るように思わせられる要素があるかないかで価格が上下したりします。
国債は国に対する信用度で上下しますが、概ね信用されている国の国際価格は安定しています。デフォルトしないだろうと思われているからでしょう。デフォルトする時もあるんですけどね。
金はどうでしょう。金は物として目に見えますし、産出量も限られていることや腐食しなくて保存がきくことなどが価値を決めている要素として考えられます。
法定通貨はどうでしょう。法定通貨は結構複雑です。もちろん発行している国の信用度で決まるのですが、信用度と言っても、他国との相対的な関係で信用度合いが変化するので、その国だけの絶対価値では決まりません。さらには政治的な話も絡むので、その国を信用するかどうかは人々の考えに左右されます。それもその国の人ではなく世界の人々がどう思うか、どう思われるかによります。さらに法定通貨は中央銀行の裁量で発行量が操作できるので、大体は発行量が増えて価値が徐々に下がります。インフレというやつですね。

一方、ビットコインは発行量は決められていて、発行スケジュールも固定です。発行者は分散されていて特定の団体ではありません。いわゆるカウンターパーティリスクがない状態です。ネットワークさえ稼働していれば動き続けます。他の資産に比べると変動要素が少ない気がします。
ただし、一番大きな変動要素である、価値があると思う人が増えるか減るか、に関しては非常に変動幅が大きい。ビットコインの価格の上下を決めているのはほぼ人の気持ちではないかと思うのです。
それ以外の人の気持ちを変えるような変動要素が思いつきません。業績を上げるわけでもなく、産出量が増えるわけでもなく、発行スケジュールが変更になるわけでもない。誰か管理者がいてその人に何かあると止まったりするわけでもない。
だとすると、価値を決めているのはほぼほぼ人の気持ちのような気がしてきました。名だたるメディアや米国の民主党議員、著名な投資家であるバフェット氏などなど、エリートっぽい人たちは往々にしてビットコインに対して批判的です。ビットコインを支持するビジネス成功者は往々にしてアウトサイダー的にみられたりします。つまりビットコインに対する人々の気持ちを揺さぶるのは人々の言動ということなのでしょうか。
著名なメディアでどう報道されるかによりビットコインの価格が変動するという図式がよくありました。最近はビットコイン現物ETFが承認されたことにより、どちらかという価値があると思っている人が増えつつあるということかもしれません。それでも、ビットコインはリスク資産の位置付けです。なぜならみんなリスク資産と思っているからでしょう。ビットコインのボラティリティは人の気持ちで動きます。みんながリスク資産だと思っているうちは乱高下しそうです。
人の気持は浮き沈みの激しいものです。確かにボラティリティが高そうです。しかし、リスク資産としての見方が少し変わったらどうなるのでしょう。一部の人はリスク資産だと思ってないようです。例えばマイクロストラテジーのマイケルセイラー氏などはそうでしょう。彼はビットコインこそが出口戦略だと言っているということはそういうことなのだと思います。今までドルベースで資産価値を測っていたのがビットコインベースで資産価値を見ると景色が変わります。

ビットコインがリスク資産だと思っている人は今の所100人のうち99人くらいだと思いますが、少しずつリスク資産ではないのではないか、と考える人が増えていくと思います。そうなった時のビットコインは一体いくらになっているのでしょうか。人の気持ちなのでこればかりは予想がつきません。人の気持ちほど変わるものは他になかなかないですから。


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