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【2022.11】今月良かった曲20選レビュー

 どうもです。

 月末恒例、音楽紹介記事の11月分です。今月もリリースされた楽曲(アルバム、EP、シングルetc…)を対象に、良かった楽曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に!ではどうぞー。


#1『VANE』/ NAQT VANE

 アメリカから帰国したボーカリストHarukazeを迎え、トータルプロデュースを多方面にわたり作曲家、音楽プロデューサーとして活動する澤野弘之、アートワークをClassic 6が担当するチームプロジェクト“NAQT VANEナクトヴェイン”。9月に始動したばかりですが、2ndシングルをリリース。
 1stシングル「Break Free」よりも個人的には「VANE」の方が非常に好みだったので紹介。サビが澤野節全開すぎるのよ。エネルギーに満ち溢れた解放感と爽快感、この気持ちの良さは唯一無二。重厚なサウンドスケープなのにキャッチーでメロディが脳に焼き付く。2サビ⇒Cメロからのコーラスも壮大さを醸し出し映像が視えてくるのも最高で、歌いながらクラップしたくなります。Harukazeさんの力強くも優しい歌声は耳馴染みが良くて、無限に聴いていられますね。NAQT VANEのコンセプトでもある“ 挑戦者へ追い風を吹かせる” をテーマに制作された本楽曲、”日々、何かを頑張って生きる人々へ”贈る応援ソングとちゃんとなっていると思います。


#2『PROJECT』/ Hello Sleepwalkers

 通称ハロスリ。3年の活動休止を経て、デビュー10周年となる昨年10月に再始動してからの2作目。今作でキャリア6枚目のアルバムになります。今作はリアルとフィクションの狭間を往来し、新たな世界観を突き詰めたアルバムとの事で、安心と信頼のハロスリ節を感じながらも新鮮さもあった良い1枚でした。
 常に前衛的で実験的な試みをしてくれる彼らですが、歌う内容としては前作同様とことんリアルに自己を追求しているなと。Tr.4「生活RHYTHM」の"生活リズムがわけわからん 昼夜逆転で阿鼻叫喚"とか。トレンドのヒップホップ的アプローチは新鮮でしたね。一方で、Tr.1「流浪奇譚」はイントロからアウトロまで終始ハロスリ節全開でまず人に勧めるならこの曲かなと。トリプルギターで畳み掛けてくるフレーズ、交錯するVo/Gt. シュンタロウとGt/Vo. ナルミのツインボーカルも本当に大好き。MVも制作されたTr.2「プロジェクト」は変拍子も多く世界観ガッツリ出てるので非常にライブ映えしそうだなと。蔓延る緊張感と緩和感のメリハリ、後半から登場するピアノの旋律が綺麗でこの曲もかなり気に入ってます。
 全5公演のワンマンツアー「PROJECT」を11月23日からスタートした彼ら。自分も東京公演に行けるように日程調整中です。いい加減行きたい。コレを執筆してる時はまだチケット余ってるっぽいので是非。


#3『Awakened by the Setting Sun』/ Varia

 アメリカバージニア州出身のポストハードコアバンド。2017年に結成しEP『In Time We All Unravel』をリリース後、翌年に活動休止に入ってしまった彼ら。しかし昨年、新曲『I Had It Wrong』で復活。勢いそのままに今年も新曲をリリースし、それらを含むアルバムをリリースしました。
 普通に良盤。元来のメタルコアに美メロ搭載していくタイプのポストハードコア好きなら漏れなく刺さるかと。ボーカルのクリーンも伸びやかで安定していて。起伏のある構成が目立つ楽曲中心で、静けさを味方に付けてるのも非常に好み。ピアノ入ってるのも良いですね。転調激しめのTr.4「I Feel It」、プログレッシヴナンバーのTr.5「Born Again」、開幕から疾走感溢れるTr.9「Lowest Point」辺りが特に好きです。ただ、音質?ミックス?が若干悪くて…潰れてる感じが勿体無いなと。次作以降期待してます。


#4『From The Dark』/ Lost In Sight

 Sapphire StudiosのOriel Leviによるワンマンメタルコアバンドのデビューアルバムが遂にリリース。作曲、プロデュース、ミキシング、マスタリングを彼が行い、ボーカルは全てColosseumsのVo. Billy Douglasが担当。Collosseumsは7月に新曲「Neck Splitter」も紹介しましたね。
 むっちゃ好みな1枚でした。みんな大好き王道メタルコア要素をしっかり貫きながらも、クリアな世界観でドラマティックに展開する様がひたすら気持ちが良い。エレクトロやストリングスによる装飾も絶妙だし、時折入るボーカルエフェクトもカッコイイです。ポストハードコアシーンにもアプローチできるメロディセンスの良さがありながら、容赦なく刻み込まれるリフの嵐。Vo. Billyもハイスペックすぎて閃光の如く存在感を発揮していますね。
 ストリングスの緊張感が良いTr.1「Save Me」、かなりメリハリの効いた展開美を魅せるTr.5「Finding A Way」、ハードコア由来の急転直下型ブレイクダウン搭載Tr.6「Set Me Free」、途中I See Stars辺りを彷彿とさせるサウンドに包まれるTr.8「Why Should I Believe」 、今作屈指の完成度を誇るTr.9「Remember Me」が特に好きです。


#5『Carnivorous Diadem』/ The Archaic Epidemic

 アメリカ北ヴァージニア州出身のブラッケンド・デスコアバンド。昨年ぶり2nd EPをリリース。新人とは思えないクオリティの楽曲をリリースし続けてきた彼ら、本作も素晴らしかったです。
 9月にBorn of OsirisのRonnie Canizaroをフィーチャーした新曲「Annihilation」を紹介しましたが、やはりこの曲がベストかなと。それ以外の新曲だとMire LoreのVo. Dan WatsonをフィーチャーしたTr.1「Carnivorous Diadem」も良かったですね。ブルータルで血の気が多く、ひたすらに凶暴さを極めていくスタイル。一方で、Tr.2「Death Ov a Sparrow」はメランコリックなアプローチで此方も中々にエグくて、ボーカルのスキルが炸裂してるのはこっちかなと。デスメタル、ブラックメタル、デスコア、オーケストラ、アンビエント、全ての要素を見事に融合させていくテクニックとセンスとパワーはまだまだ発揮されていく事でしょう。フルアルバムもまだリリースしていないですし。これからも楽しみです。


#6『Soul Despair』/ Soul Despair

 ポルトガルとアメリカ出身のメンバーを要するプログレッシヴ・メタルコアバンド。待望のセルフタイトルデビューEPをリリースしました。2021年からリリースしてた3曲+新規曲3曲の計6曲ですね。
 Erraを彷彿とさせる浮遊感あるプログレッシヴ・メタルコアサウンドをベースにしつつ、地に足のついたグルーヴ、センチメンタルなメロディワークにも意識がいく1枚でした。時に豪快にゴリゴリと刻み、音像の中を猛進するの様に突き抜けていくのも痛快ですね。Tr.4「Death Valley」が最も顕著で、オリジナリティもこの1曲が一番あった気がします。要所要所でシンセも使ってますし。Tr.1「An Endless Grave」はギタープレイスルー動画もあってので是非。ピロピロフレーズが堪んないのと、不安定を煽るブレイクダウンが好み。質はむっちゃ高いので、今後何かリスクを引き換えにしてでもErraとは少し違う路線のバンドになったら嬉しいなと想います。


#7『灼熱にて純情(wii-wii-woo)』/ 星街すいせい

 VTuberグループホロライブ所属の0期生として活躍しながら、類まれな歌声を活かしアーティストとして音楽活動も繰り広げる星街すいせい。9月から喉の手術の為、約1カ月半の活動休止期間に入っていましたが、11月4日に復帰配信ライブを開催し完全復活。そこでこの新曲が披露されました。田淵智也が作詞作曲を、堀江晶太が編曲を手掛ける恒例の神タッグ。
 ここまでアグレッシブに振り切ったロックナンバーは彼女初だったので、驚きましたね。そんで、こんなに疾走感あって言葉数も多い難易度高すぎ曲(田淵さんの仕業w)なのに見事に歌い切ってて驚きが止まらない。ファルセットも綺麗で流石だなと。転調してからのBメロラップパートも新鮮でした。歌詞もストレートに攻撃的で、彼女のアーティストデビュー時とは比べものにならない強さが反映されています。フロア熱狂必至のライブ映えするのは目に見えているので今から楽しみです。
 本曲を含む2ndアルバム『Specter』は1月25日リリース、その3日後の28日は2ndソロライブ『Shout in Crisis』を開催予定。一次現地チケット戦争に敗北しましたが、まだ諦めず狙っていきます。配信ライブもあるので是非。
 ※個人的に、MVで演奏してるのが、Ba:sera (Neko Hacker)とDr:仄雲(眩暈SIREN)と知ってる方だったのが地味に嬉しかったり。


#8『AI Music feat. #kzn』/ picco

 ボーカロイドエレクトロ同人レーベルNEXTLIGHT副主宰。Hyper kawaii Musicをコンセプトに楽曲を制作するトラックメイカーpicco(ピッコ)。Kizuna AI(キズナアイ)とクリエイターをサポートする歌唱特化型AIである#kzn(キズナ)を使用した楽曲コンテスト「#kzn Song Contest 2022 AW」での応募楽曲をリリース。
 王道のカワイイキラキラポップな仕上がりで、メロディの繰り返しにより速攻性があって好きです。フロアが沸き上がる事間違いなし。そして何より、#kznちゃんの歌声が綺麗で感動モノでした。"「おはよう」「おはよう」 積み重ねた AI Music"と云う歌詞もキズナアイの代表曲である「Hello, Morning」を完全に意識されていてファンとしては涙を禁じ得ないです、これ以上無いと云うか。現在活休中のキズナアイが帰ってくるまでを#kznちゃんが担っている事もあり、本楽曲に込められたパワーとメッセージ性に感謝と拍手を贈りたいです。


#9『Exodus』/ Brand of Sacrifice

 カナダはトロントを拠点に活動するブルータルデスメタル/デスコアバンド。2021年3月にリリースした神盤『Lifeblood』以来、「Demon King」や「Darkbloom」などコラボ楽曲はありましたが、正真正銘の新曲を1年ちょいぶりにリリースしました。
 いやぁ…本当に良いバンド。むっちゃ好き。特筆すべきはサビでクリーンが解禁されましたが、前身バンドであるThe AfterimageでVo.Kyleはクリーンあったし、しかもそれともまた違う叫ぶシンガロング系のクリーンだったので良かったですね。極悪スクリームも健在でブレイクダウンは安定のエゲツなさ。間違いなくトップボーカリストだなと。ハードコア由来のグルーヴ感とストロングなデスコア要素がやはり根底にあって、極悪過激なのにどこか煌びやかである世界観が変わらず維持されてるのは、演奏技術とエフェクトなどアイデア力の勝利でしょう。このシーンで最前線にいるにも関わらず、そこに留まる事を潔しとしない姿勢の表れを感じた1曲でした。


#10『Catalyst』/ Valor

 アメリカテネシー州ナッシュビルを拠点とするメタルコアバンド。記念すべき1stシングルをリリース。Gt/Vo. Timothy Johnsonが13歳の時に思いついたアイデアから始まったバンドらしく、6年後、彼はそのアイデアを諦めず幼馴染のギタリストであるGavin Knappと共にナッシュビルへ飛び込み、同じく自分たちと同じビジョンを求めてきたVo. Rich Stadtlanderと出逢ったそうです。ストーリーあって良いですね、幼馴染と云うのがまた。MV見るにギタリストも3人に増えてて、初期6人編成はシンプルに強い。
 ドラマティックなミドルテンポのプログレッシヴ・メタルコアがベースにある気がしなくもない、重厚でダークなグルーヴが良いですね。熱狂的でありながらも冷静さも感じるのはクリーンボーカルのお蔭かも。タイトかつ繊細なリフもMonumentsを彷彿とさせますし、終始まろやかなんだけど、ちゃんと胃もたれするレベルでヘヴィなのが好みです。今後も期待。


#11『Lightbringer』/ Suffer Under Sorrow

 UKスコットランド中部出身のモダンメタルコアバンド。昨年リリースしたデビューEP『Entity』以来の新曲をリリースしました。やったぜ。
 イントロの神秘性が一瞬吹っ飛ぶ位には、非常にパワフルでエネルギッシュなメタルコアをプレイ。リズミカルに刻む一音一音がガチで重い上で、ずっとピロピロして浮遊感も演出。ブレイクダウンも中盤とラストの2回搭載されてるイカツイ仕様で、ラストも信じられない位攻撃的だなと。ボーカルのスクリームも心なしか以前よりも前に来てて厚みを帯びて良かったです(ミックスの問題か?)。あと、このバンド公式サイトがしっかり作られてるのは好感持てますね。


#12『Elysium』/ Invent Animate

 アメリカテキサス州ポート・ネチズを拠点に活動するプログレッシヴ・メタルコアバンド。今年2枚目となるシングルをリリース。名盤『Greyview』を2020年3月にリリースしてからも洗練され続けていて嬉しい限りです。
 本作は、Vo. Marcus Vikが病で祖父を亡くした悲しみに襲われ、それと向き合い、前を向いていくまでの物語を歌った1曲。やるせない剝き出しの感情が彼のスクリームにも反映されており、心に訴えかけるメタルコアをプレイ。曲展開も相変わらず素晴らしいの一言に尽きると云うか、力強い重圧のあるパートと静寂を切り裂くメロディックなコーラスパートの切り返しが堪らないです。2:00~のブレイクダウンもグルーヴィーにウネりまくったり、Djent特有のユニゾンがあったり。好きなポイントが沢山ありましたね。


#13『Gambit』/ SHREZZERS

 ロシアはサンクトペテルブルク出身のプログレッシヴ・メタルコアバンド。今年初となる新曲をリリース。現在制作中の2ndアルバムからのシングルカットとの事。アルバム制作に関しては、8月31日までクラウドファンディングも行っており、自分も僅かですが支援させていただきました。
 ゲストにArch EchoのAdam Bentleyがギターで参加しており(2:51~)、お洒落さに磨きが掛かったと云うか、上品になりましたね凄く。サックスを擁するのも彼らの特徴でやっぱり好きだなと。音の彩りが良くなる。また、2019年の来日ツアー後に加入した新Vo. Diego Silvaの歌声も非常に綺麗で色っぽい。サビでクリーンのバックに少しだけスクリーム入ってるのも好き。全体的に若干プログレッシヴ要素減った気がしなくもないですが、テクニック的な処は維持したままエモ寄りにメロディを紡ぐ事に特化した様に感じます。アルバムも楽しみですし、また来日して欲しいですね。


#14『Left In The Dark』/ Windwaker

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ワガワガを拠点に活動するポストハードコアバンド。今年5月にデビューアルバムをリリースしたばかりですが、Vo. Will Kingがグループを脱退し、代わりにLiam Guinaneがリードボーカルとして再加入。2019年の「My Empire」とか歌ってた時のボーカルですね。さらに、Connor Robinsがシンセとサンプリングを担当し、グループに加入。この新体制初となるシングルをリリースしました。
 Liamもむっちゃカッコイイんですよ。Willが脱退してしまったのは勿論哀しいですが、海外バンドの体制が変わる事は、日本に比べると珍しい事では無い気がしますし、嘗てのボーカルが帰還するのは割と激アツ展開。音楽性は、完璧に限りなく近い1枚だったデビューアルバム『Love Language』の延長線を感じながらも、Liamが存在感を発揮してて最高です。1:30~からのスクリーム⇒高速ラップパートは流石にヤバすぎて確で狂う。その後もクリーンも非常に伸びやかで気持ちが良いですね。このバンドお洒落でありながら、気取った感じが無くアグレッシブなの本当に好きです。


#15『Killing Me』/ Tethra

 アメリカはペンシルベニア州ピッツバーグ出身のモダンメタルコアバンド。2019年リリースされたセルフタイトルアルバム『Tethra』は名盤だった彼ら。昨年は音沙汰無しでしたが、久々に新曲をリリース。嬉しい。
 良い意味で然程変わってなくて安心しましたね。サウンドもメロディーの質も高く、ソリッドで美しく、ローの効いたリフを刻むのも好きだし、グルーヴィーな演奏も好き。Djentを注入したロディックなメタルコアをプレイする辺りも変わらず、ボーカルの安定感が本当にオカシイ(褒め言葉)。3:04~ギターソロも標準搭載、メロイックサイン掲げざるを得ないのよ。


#16『自由までの距離』/ 春猿火

 若き異能たちが集結したYouTube発のクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」所属のバーチャルラップシンガー。今年4枚目となるシングルをデジタルリリース。メインコンポーザーのたかやん、共同作曲及びtrack制作には橘井健一を迎えた1曲となりました。
 YouTubeアニメ『テイコウペンギン』のオープニングテーマとなる今作は、アニメ世界観ともシンクロした社会の不条理に“テイコウ”する人々に送る応援歌。今年9月リリースの『テラ』を泣く泣く20選から外したので、今作こそは紹介したかったのです。彼女の歌声、歌い方がもっと世の中に拡がって欲しいなと。只単純にカッコいいのは勿論、エネルギッシュでパワフル、それでいて優しさを確かに感じるんです。感情の乗せ方が上手。サビでがなりっぽいのと高音を行き来するのが特に好き。ちゃんと韻を踏んだリリックによるメッセージがストレートに突き刺さってくるのもラップならでは。一度聴くだけでスッキリするし、力が漲ってくるので是非。


#17『All Fine / eniF llA』/ Stain the Canvas

 イタリアはミラノを拠点とするメタルコア/ポストハードコアバンド。2年ぶり2枚目となる待望のフルアルバムをリリース。2021年の「End」以降コンスタントにリリースされた楽曲が全て含まれており、全16曲と大作。アルバム新規曲が少ないので印象微妙になるかと思いきや、曲順もしっかり練られており、アルバムコンセプト及びストーリーが視えてくる良き1枚でした。
 Tr.1「希望とは何ですか?」が始まった瞬間から、不穏で魅力的なサウンドスケープを披露し思わず息を呑む程。非常に映像的なトラックで、今作通してシアトリカルな一面が前に出てるなと。サウンドもクラシックなポストハードコアサウンドに磨きを掛け、ダウンチューニングに、トラップ/R&Bテイストまで盛り込み、エレクトロな装飾も忘れないと云った現代のあらゆる要素を見事に融合させた楽曲が並んでました。個人的に低音域の奥行きが良い。デビューアルバム『God Made Hell』はオリジナリティがあともう少し欲しい!と印象だったので、この2年で大幅に進化したなと思います。
 特に好きなのはTr.2「HXPE」~Tr.6「End」までと、アルバム新規曲Tr.11「Ravenous」、Tr.12「Keep Dancing…」~Tr.15「ob-la-di, ob-la-die」ですね。Tr.5「Stolen Youth」は、避けられない時間の流れとそれが引き起こす心理的プレッシャーを映し出した曲との事ですが、その理不尽で容赦ない感じが楽曲全体に表現されてて最高だなと。Tr.13「Puppet」は、虚無主義的な思考によって呼び出される感覚と、心の奥底に沈殿し始めた感情による悪魔の囁きに耳を傾けてしまい操り人形になる事を描写しているそう。MVもですが不気味に狂っててコレも最高です。曲順通りに聴いてこそ真価を発揮するコンセプトアルバム好きなので、まだまだ聴き込んでいきたい所存。


#18『ヒカリへ』/ MaiR

 デビューした2018年7月から2021年2月28日までは、星乃ほしの めあ名義で活動していたVsinger "MaiRメア"。所属事務所・レーベルは「ALIVE MUSIX」。先月から始まった6ヶ月連続シングルリリース第2弾が今作で、通算7枚目となるシングルです。11月17日に開催した配信ライブ「Shout My Live Ⅲ」で初披露されました。歌詞は彼女自身が、作編曲はFKBCが担当。
 まず、ライブで披露された時只々感動する事しかできなかった。彼女が只ひたすらに真っ直ぐに愚直に気持ちを伝えようとする姿と、歌詞から汲み取れるこれまでの苦悩とこれからの決意の表れに。上記のリンクから是非一度彼女のライブパフォーマンスを見て欲しいです。全身全霊で力強く歌うスタイルは今も昔もブレずに、どんどん逞しい貫禄あるものになっています。王道のギターロックナンバーながら、サビで何度も何度も歌声を重ねられるとやっぱり自然と胸が熱くなりますし、アニソンオタクはいつまで経ってもこーゆー曲が大好きです。本当に心の底からカッコイイと想います。
 12月10日に開催される、"Vの音楽"に特化したバーチャルミュージックフェス「Virtual Music Award 2022」(通称ブイアワ)でも参加が決定している彼女。夜公演現地チケット握れたので、今からもう楽しみです。


#19『幽ノ楽園』/ Albemuth

 若き異能たちが集結したYouTube発のクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」から派生した「SINSEKAI STUDIO」に所属している、バーチャルシンガー"存流ある" と "明透あす"がユニット"Albemuth(アルベマス)"を11月19日に結成し、オリジナル楽曲をリリースしました。「新世界へ」や「赤い洗礼」でデュエットソングを歌ったことはありますが、正式にユニットを組んでから歌うのは今回が初。作詞・作編曲は「新世界へ」と同様、女性ボカロPの香椎モイミが担当しています。
 開幕早々、ハモリが綺麗すぎて言葉を失いました。2人の仲もきっと深まったと思いますし、膨大な練習も重ねてきたはずで。それを感じざるを得ないクオリティ。懐かさ漂うシンプルなシンセに、荘厳な雰囲気のストリングスと静かで力強いピアノを加え、ドラマティックな旋律を紡いでいます。この幻想的なサウンドと神秘的な歌声が聴く者を別世界へと導くと云うか、是非目を瞑って、この楽曲に身を任せてみて欲しいなと思います。不思議な感覚に襲われた方は音楽センスありますよ。
 また、2人のライブ『Albemuth』がAR配信ライブとして2023年2月25日に開催されます。存流・明透それぞれのソロ楽曲に加え、Albemuthとしての楽曲も披露する予定との事。神椿スタジオの配信ライブクオリティはバーチャル界トップなので迷ってるなら見てみる事を勧めます。


#20『Dark Breath』/ ラプラス・ダークネス

 VTuberグループホロライブ所属の6期生「秘密結社holoX」を統べる総帥で、ラプ様の愛称で親しまれているラプラス・ダークネスの2曲目となるオリジナル曲がリリース。デビュー1周年記念として制作され、1周年記念ライブでもサプライズ的に披露されました。ダンスがガチでカッコイイのよ。作詞はCo-Sho、作編曲は小久保祐希が担当。小久保さんはアイドルマスターシャイニーカラーズの楽曲でもよく聴いていたので嬉しかったですね。
 ラプ様の趣味であるマーベルヒーローを意識しているであろうジャケットイラスト(BerryVerrine担当)からもイメージしやすいパワフルな1曲でした。中毒性の高いリズム重視でEDMも取り入れているスタイルはK-POPらしさ全開で、ダークでサイバーパンクなシンセサウンドが光ります。ドロップがドストライクに好き。歌の表現力も幅も広く、途中何度か入る吐息や囁き声も良いアクセントになってますね。




ーーー以上、11月の良かった曲20選でした。

 今月はアルバム4枚、EP2枚、シングル14枚を紹介。シングル多め月でしたが、文量は変わらずと言ったところ。アルバムもリリース自体は多かったので、お蔵入りになった作品はまた後日紹介できればと思います。
 んで、少し告知ですが、1月から始めたこの楽曲紹介記事も来月いよいよ最後です。12月も『今月良かった曲20選』は書きます。加えて、年末恒例記事を2つ書く予定です。『2022年 ベスト音楽総まとめ』と『2022年 メタルコアベストアルバム15選』ですね。もしかしたら、VTuber楽曲が多いので、それ単体で記事が一つ増えるかもしれません。これら年末まとめ記事は、ここで紹介できなかった楽曲も入る可能性があるので、是非楽しみにしていただければと思います。また、『2022年下半期蔵出し盤10選レビュー』記事も書く予定です。こちらは最悪1月上旬更新になるかもですが、よろしくです。
 とゆーことで、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡での反応やTwitter等でシェアしていただけるとむっちゃ嬉しいです。よろしくお願いします!

 ではまた!

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