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Raspberries / Pop Art Live

 エリック・カルメンの訃報が伝わり、萩原健太さんがエリックのソロとラズベリーズのプレイリストを公開していた。

 ラズベリーズは好きで良く聴いていたが、健太さんのプレイリストを聴いて再燃、Apple Musicを検索していて見つけたのがこの音源。ラズベリーズ2004年の再結成ライヴを収録した2枚組CDで、リリースは2017年。もともとの活動期間が短く、オリジナルアルバムが4枚しかないのだが、逆に一回のライヴで全ての時期を楽しめることになっている。

 気になったので収録されている28曲がどのアルバムからのチョイスか調べてみた。

   ☆『ラズベリーズ(Raspberries)』    5曲
   ☆『明日を生きよう(Fresh)』      6曲
   ☆『サイド3(Side 3)』         7曲
   ☆『素晴らしき再出発(Starting Over)』  4曲

   ◎前身バンド、クワイヤ(The Choir)  2曲

   ★ザ・ビートルズのカヴァー      3曲
   ★ザ・フーのカヴァー         1曲

 前身バンドのクワイヤにはエリック以外の3人(ウォーリー・ブライソン、デイヴ・スモーリー、ジム・ボンファンティ)が在籍。また4枚目の『素晴らしき再出発』はデイヴとジム脱退後の作品。にもかかわらず万遍なく選曲しているところにファン思いの姿勢が表れていると言えないだろうか?冒頭に“I Wanna Be With You”を、2枚目ラストに“Go All The Way”を置いているところも、何が求められているかをしっかり認識しているように思う。アレンジもオリジナルのまま。一つだけ気がついたのは、“Let's Pretend”のキーが下げられていること。まあリリースから30年経っているから致し方ないのかも。20代だったのが50代だもんな。70代になってもオリジナル・キーで歌う山下達郎がお化けなだけだ。

 改めて良曲揃い。音質もしっかりしているし、ベスト盤的にも聴ける。ウォーリーとデイヴが歌う曲も4~5曲ずつ入っているのも嬉しい。ただ前述のようにファンに向いてはいるが、ファンというかマニア以外には決して親切ではない気もする。曲多いし。

 アメリカのバンドだがビートルズとフーをカヴァーしているのからわかるようにブリティッシュ好きなバンド。オリジナルからもそれは感じるし、これだけの曲数まとめて聴くと本当によくわかる。ブリティッシュというかビートルズなんだな。まさか後年元祖パワーポップと言われ再評価されるとは思わなかっただろうが。

 エリック・カルメン、ありがとうございました。安らかに。

 『アンコール』として2トラック(3曲)も出ている。

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