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Bob Dylan & Grateful Dead / Dylan & The Dead

 1987年のボブ・ディランとグレイトフル・デッドのツアーを収録したライヴ・アルバム。リリースは89年。

 当時ボブ・ディランはあまり聴かず、グレイトフル・デッドにいたっては全く聴いたことのない私がなぜ買ったのか?おそらくビッグ・ネーム2組の共演ということで、入門編として勉強してみようという気持ちがあったのだろう。そしてその目論見は脆くも崩れ去った(笑)全てディランの曲である。つまりグレイトフル・デッドの曲を知りようがないし、未聴の人間が演奏だけでデッドを知るのは至難の業。当時は明らかに戸惑ったと思う。
 有名な曲は楽しめそうなものだが、“見張塔からずっと”は前年に出たU2の『魂の叫び(Rattle And Hum)』でのカバーが好きだったし、“天国への扉”はその前にディランとトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのツアーでの歌にハマっていたので、それに比べると地味な印象があった。今聴けばそれなりの演奏なのだが、若輩者にはわからなかった。

 当時はやはりこの2組の共演ということで、ラジオや雑誌などでそこそこ取り上げられてはいたのだが、絶賛されていたような記憶はない。グレイトフル・デッドのアレンジだから1曲が長くラジオ向きではなかったのもあるだろう。そして現在、名盤とも好盤とも言われることもなく歴史に埋もれ、Amazonのレビューでも決して評価は高くない。両者とも数多くの作品をリリースしているし、デッドなどはライヴ盤だけでも大量にあるから致し方ないが、個人的に多少思い入れがあるのでちょっと寂しい。デッドの多くのライヴ盤と比べても7曲44分というのは短いし。

 グレイトフル・デッドはライヴ演奏に定評があるし、ジェリー・ガルシアが亡くなっている今では記録という意味もあるとは思うのだが、どうだろうか…。


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