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CSキャリア”インタビューリレー”第一弾

転職、マネジメント、出産、子育て、と盛りだくさんのイベントのなかで
カスタマーサクセスとして働かれた内川さん。
今回は仕事の面白さ、ご自身のキャリア観と照らし合わせた「カスタマーサクセス」についてお聞きしました!



はじめに

-こんにちは。
今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第一弾です。
 
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。


インタビュー内容


 -今回、初めての「インタビューリレー企画」ということで、カスタマーサクセスを経験する方たちの仕事をインタビューしながら、どんな働き方があるのか、またどんなキャリアの考え方を持って仕事に取り組んできたのかを掘り下げていくトークとなります。
 
-記念すべき第1回は、現在株式会社KOMMONSで事業開発をしている内川智子さんです。よろしくお願いします!
 
よろしくお願いします。
 
-内川さんは10年くらい採用支援のお仕事をされた後に独立して、現在はKOMMONSを含めたいろんな会社さんで人材開発や組織開発の仕事をされています。
その10年ぐらいのお仕事の後半の時期で、カスタマーサクセスとして働かれたんですね。
 
そうですね。時期でいうと、2017年ぐらいからだったのかなと思いますね。
 
-何年ぐらいカスタマーサクセスとして働かれたんですか?
 
カスタマーサクセスのメンバーというか、プレイヤーとしては2年弱ぐらいで。あとはリーダーとか管理職だったんですけど、その時はお客さんはあまり持たずにやっていたので、プレイヤーではなかったかな。プレイヤーでいうと2年弱ですね。
 


カスタマーサクセスへ挑戦したきっかけ、面白さ

 
-カスタマーサクセスのメンバーを経験して、だんだんマネジメントの方に上がっていかれたんですね。お仕事も詳しくお聞きしたいんですけれど、当時カスタマーサクセスをすることになったきっかけって何だったんですか?
 
きっかけは転職です。
もともと採用支援の仕事をしていて、普通に営業としてやってたんです。
人材紹介や求人広告だったり、RPOに近いこともやっていましたので。採用に困っている企業さんを探して、その企業さんから受注をもらって、採用成功まで一貫してご支援するっていうのがそれまでのお仕事でした。
 
当時2017年に転職した時に、その組織はこれまで私が一貫してやってたことを「営業」と「CS(カスタマーサクセス)」っていう感じで分けていたんですね。
ああ、そういう分け方があるのかと思い、じゃあ営業と、採用成功の支援とどっちが得意ですかってなると、これまでの経験上、採用成功の支援をする方は得意だったのでそっちに行った、っていう感じですね。
 
-では、内川さんの経歴の中にあった、営業と、ある意味カスタマーサクセスのような支援側の経験っていうのを分けて、支援側に注力されたのが始まりなんですね。
 
そうですね。
 
-具体的にはどんな仕事内容だったんですか?
 
営業さんが採用できない企業さんの案件を取ってきてくれるので、その企業さんがどうやったら採用成功できるかシナリオを描いて、採用成功まで持っていくのが大まかな仕事です。
細かく言うと、採用要件定義から、求人票を書いたり、スカウト文章を書いたり、該当する候補者をピックアップしたり…みたいな。
あとは面接の仕方をレクチャーしたりとか、面接を代わりにやることもありましたね。

-仕事内容は幅広いですが、それまでの採用支援のご経歴が活かせてるんですね。カスタマーサクセスっていう仕事は初めてになりましたけど、それまでの働き方と違うところってあったんですか?
 
そうですねぇ。
営業は目標数字があって、そこから逆算して自分の行動量を決める、みたいなことができるんですけど、カスタマーサクセスはそこが若干アンコントローラブルだったので。
あくまで ”お客様がどれぐらい採用成功したいか” とか、”どこのお客さんをいつまでに採用成功させるか” みたいなのを自分の中でプロジェクト化して、そのプロジェクトを遂行していく、に近かった気がします。
 
自分だけじゃなくて、お客様の状態ありきで目標が変わったりとか。一定、数字の目標はあるんですけど、お客様のやる気がそこまでなかったりとか、緊急度があまり高くない状況だったりすると、それをめちゃくちゃ頑張ってどうにかするっていうのは結構難しかったりするので。
いかに効率よく数字を上げるか、みたいな観点でいくと、”どのお客さんのどのプロジェクトを動かせばいいのか” は精査してた気がします。
 
-そこはカスタマーサクセスをされてる方々からすると、たくさんのお客さんがいる中でどう動かすかっていうのは、たぶんすごく考えるところじゃないかなと思いますね。
 
ここは人とかプロダクトによって違いそうだなと思うんですけどね。
私は自分のクライアントの中から、ある意味お客さんを選んじゃった感じはあるんですけど、全部のお客さんにまんべんなく当たってる方もいらっしゃると思うんですよね。
どっちが成功に近いのか、どっちがいいのかは分かんないです(笑)。
 
-なるほど(笑)。そんな仕事の中での面白さとか、逆に難しさってどんなことがありました?
 
そうですね、難しさは、やっぱり相手を動かすっていうところですかね。
どれだけサービスを導入していただいても、導入した時が一番熱は高い状態で、あとは下がる一方だったりするので。
いかにその熱をキープするかだったり、使いたいと思ってお支払い頂いた金額の価値を感じてもらうためにはどうしたらいいのか、ってことを考えるのはすごく大変だったかな。
うん、もう面白くもあり大変だったし、心理戦だったし。お客さんがどう思うかとか、お客さんがどういうジャーニーを描くといいか、みたいなのは営業の時より圧倒的に相手の状況や気持ちを考えないといけなかった気がします。
 
もしかするとカスタマーサクセスより前の仕事(営業)だったら、自分自身でどうにかなるようなところや、できちゃうところもあったりしたので、カスタマーサクセスだと難しかったですね。
やっぱり新規の営業だと、うまくいかないお客さんにぶち当たった時にそのお客さんはそこまでケアしなくてもよかったり、また新しく行動をし続ければいいだけの話なので。そっちの方が若干楽だったりするなっていうのはありますね。
 
-(深く頷く。)何か難しかったこととか、印象に残った仕事ってありますか?
 
そうですね。印象に残ったのは、当時ツールを使ってもらう前に、そもそもパソコンがめちゃくちゃ苦手なおじい様とかがいらして。
 
-そういうお客さんもいたんですか?
 
いました、いました。でも採用というのは、事業課題に確実にヒットするようなものなので。自社ツールが使える、使えないで採用できない、命運が分かれちゃうのはあんまり理想的ではない状況だったりすると思っていて。
採用事業を拡大するためにそのツールを使って欲しいっていう気持ちはあるので、そのおじいさんにパソコン教室を開催してですね、一生懸命パソコンの使い方を教えながら採用まであのご支援したことはあったかな(笑)。大変でしたけど、結構喜んでいただけたと思います。
それは1社ではなくて複数社そういうお客さんはいらして。というのも、私は地方のお客さんを担当していたんですけど、地方のお客さんはやっぱりITリテラシーの低い方もいらしたんですね。そういう方に、ツールの使い方から採用の仕方からいろいろお伝えさせていただいて。採用がうまく行ったとか、その後、あの新しい事業を立ち上がったよ、っていう話を聞けると、やっぱりあの嬉しいですよね。
 
-すごいですね。パソコン教室からやっちゃうって。お客さんからしたら、いい担当についてもらったなとか思って頂けるんじゃないですか。
 
どうなんでしょうね。でも、そういったどこからどこまでやるかは自身で決めてましたね。
逆にもうそのツールをじゃんじゃん使いこなせるようなリテラシーの高い方だと、そこまで支援しなくてもいい、みたいなところもあるので、私の中でそこは脳を助けられるように管理してたのはありましたね。

マネジメントを目指すきっかけはご自身のライフプラン

 
-私、内川さんのこと知ってるからこそご質問したいんですけれど(笑)。
内川さんが入社された当時、あんまり組織が整っていなかったと思うんですけど。
ご自身でチームを作り上げたりされたんですか?
 
私のその会社での業務のほとんどはチーム作りだった気がします。
プレイヤーは2年半で、一人でお客様を担当して、一人で数字を作って評価される期間なんて、本当に一年足らずで。あとはチームで達成しないと!みたいな状況下に置かれてました。
 
-そうなんですね。その後リーダーを経験して、管理職っていうところも経験してて。マネジメントとして上がっていくっていうのは内川さんご自身で決めて目指されたんですか?
 
そうですね。うん。マネジメントはやりたいと思っていたと思います。
私が当時その会社に入ったのが、29歳だったんですよね。で、女性のキャリア的にその先に出産とか育児があると思うと、必ず働ける時間が短くなるので。短い時間の中でパフォーマンスを最大限発揮するには一人の力では難しいだろうなと思った時に、マネジメントっていうスキルがついてないと、ちゃんと成果を出せないだろうなと気づいたんです。そういうライフイベントに備えて、マネジメントはちゃんと経験しておきたいと思ってました。
 
-なるほど。マネジメントを目指そうと思って目指されたのは、ご自身のライフイベントとも関わっていたんですね。
実際に、その会社さんの在籍中に結婚や出産をご経験されてますよね。
 
しましたね。なんだか忙しかった気がします(笑)。
 
-たぶん4年5年ぐらいの中ですもんね。波乱万丈じゃないけど、いっぱい詰まってますね(笑)。


マネジメントの難しさ、子育てとの葛藤


-実際にマネジメントを経験して感じたことってどうでしたか?
 
結構考え方を変えなきゃいけなかったのがすっごい難しかったですね。プレイヤーになった時は、私は「お客さん第一」で、お客さんが成功するにはどうしたらいいかなって色々考えるのが好きで。それが楽しくて色々仕事をしてきたんですけれど、マネジメントをしていると、一緒に働く方たちは必ずしもそういう仕事は好きではない方もいらしたりとか。
そもそもお客さんはそんなに好きじゃない方もいらしたりとか。仕事に対する意欲がそんなに高くない方もいたり。
シンプルに自分とは違う価値観の人たちと一緒に、業績を上げていかないといけないわけですよね。だから自分はこれまで上司にこういう声をかけてもらったらモチベーション上がったなとか、業績上がったなみたいなことをやったとしても、必ずしもそれは全員に適用できるわけじゃないところで行くと、どうしたらこの子のモチベーション上がるんだろう?どうしたらこの子はこの仕事を好きになるんだろう?っていうところがすっごい難しかったです。
 
-なるほど、その考え方はお客さんを担当してるだけの時とは違いそうですね。
 
前提が違うんですよね。やっぱりお客様はお金をいただいているので、その対価としてこうしようああしよう、みたいなのがあったりするんですけど、私は一緒に働いてる仲間って、横並びみたいな感じで考えてたんですよ。横並びの同僚だし、同じような仕事をしているので、お客さんに「採用成功してほしい気持ちって当たり前だよね」みたいなことをうたったりとか、「達成したい気持ちって当たり前だよね」て思っていたんですよ。
でもそうじゃないっていうことに気がつくまでにちょっと時間かかりましたね。
 
-それはどういう風に気づいていったんですか?
 
シンプルに言ったことが伝わらない、とか、伝えたけど伝わってないっていうことがたくさん起きた。事件がいっぱい起きた(笑)。事件を経て反省に反省を重ねてそうなって…って感じですね。
 
-確かに、チームで動く時にみんなが見てるものや考え方が一緒だったら、多分すぐに進めますもんね。
 
そうです。そうです。だから「お客さんの事業のことを理解しようね」みたいな話をした時、どこまで調べてくるかみたいなのは、やっぱり人それぞれ違うよねっていうのを気づかなくて。自分の当たり前を押し付けていた期間は結構ありますね。それはすごい申し訳ないなって。
 
-なるほどなるほど。お聞きしてるとマネジメントを経験された方なら、「うん。うん。」って頷くんじゃないかなっていうようなお話だったりしますね(笑)。
 
これは結構、育児で役に立ちました。やっぱり子供は何も知らない状態で生まれてくるんで、真っ白な状態で生まれてくるんで、自分が知ってては息子は知らないっていうのは当たり前じゃないですか。だから、マネジメントの失敗がいっぱいあったから、当時息子が1歳か2歳のとき、息子が何を考えてるのか、何がわからないんだろう?みたいなことをすごい一生懸命考えてたっていうのは、マネジメントを経験したからかもなっていうのは思いました。
 
-確かに子供こそ何考えてるかわからないのと価値観が全く揃ってないっていうのはね。ありますよね。
内川さんはお子さんが小さい時にカスタマーサクセスのマネージャーをされてたんですよね?実際、内川さんのその前までの価値観と、子供が生まれての価値観とか、何か変化はあったんですか?
 
それはありましたね。葛藤が結構あったかなと思います。
子供が生まれると、やっぱりかわいいじゃないですか。で、それまでは自分の生活の9割の時間を仕事に当てるみたいな生活をしてたんですけど、子供が生まれると子供10割にしたくなっちゃうので、どうしても仕事の時間を割けない。それは物理的に割けないっていうのももちろんなんですけど、気持ち的にも「早く帰って子供に会いたいな」ってことだったり。ちっちゃいかわいいうちに朝1時間と夜3時間しか一緒にいられないっていう、これだけしか子供と一緒にいられないことにすごく悲しくなったりとか。
だから仕事を優先するか、子供を優先するかみたいなのは、ずっと悩んでいるし、今もそうかもしれないですね。
 
-お子さんまだ小さいですから特にそうですよね。
 
子供が2歳ぐらいの時かな、自分のことを心の中で決めたのは。
子供は大きくなるし、彼のお父さん(夫)もいるし、なるべく仕事を優先しようっていうのは自分の中で決めてますね。
それは若干断腸の思いみたいなのがあるんですけど。子供を優先したい気持ちはめちゃくちゃありますけど、子供のためにも私ができることって何?って言ったらお仕事の方かな、みたいに思っているので。ここはずっと揺れ動いてるとうまくいかないので、もう決めるぞ!みたいな形でね。
 
-そうだったんですね。決めたことで仕事がやりやすくなったりとかしましたか?
 
そうですね。そのタイミングで次の転職をしたんじゃないかなと思います。
マネージャーを経験した会社から、別の会社に転職して。副業を始めたりしたのはそのタイミングだったかなと思いますね。
そこから今の組織開発支援の仕事に繋がっていくんですけど、新たなステップに上がっていったっていう感じなんですよね。
 
-いま振り返るとどうでしょう。内川さんご自身のキャリアの中でカスタマーサクセスに活かせたな、とか、カスタマーサクセスを経験したことで今があるな、って感じることはありますか?
 
やっぱりカスタマーサクセスって、”クライアントの成功を実現するお仕事”なので、クライアントがどうやったら成功するかとか、クライアントにとって何が成功なのかとか、昔営業をやっていた時よりも、よりクライアントの状況だったりクライアントの解像度を上げることはすごいやってたんですよね。
だからこそ、「採用というだけではクライアントの事業が大きくならないぞ」みたいなことだったり、「採用の先に何が起こっているんだろう」とか、それこそ組織開発まで携わろうと思ったのはカスタマーサクセスを経験したからかもしれないです。
 
やっぱり深みを出さないとサクセスしないなと思うので(笑)。その深みを出そうとこだわり始めたのは、カスタマーサクセスをやり始めたからかもしれないですね。
 
-採用だけじゃなくて、その先の組織・人材の課題とか、それはカスタマーサクセスをやりこんだからこそ繋がるわけなんですね。
 
本質的にお客様の成功に近づくため、っていうところですかね。
 


カスタマーサクセスはどの職業にも通じる『概念』


 -さっき、内川さんがマネジメントを経験されて感じたのがメンバーに対する悩みで、カスタマーサクセスとは違う考え方なのかな、と思ったんですけど。でもやっぱりカスタマーサクセスも、マネジメントも、今のお仕事も通じているなって思い直してます。
 
そうそう、相手のこと考えるとかね。
今は組織開発の仕事をやってますけど、企業さんによっては人事という形で入っているんですよ。で、人事の仕事って従業員のサクセスを目指すので、カスタマーサクセスと少し考え方が近いというか。従業員にとってのサクセス、経営にとってのサクセスってなんだろう、っていう着地点を見つけるのが人事の仕事だったりするので。そういう意味ではサクセスと動き方は結構一緒かな。
 
-面白いですね、カスタマーが社内の人になったんですね。そう思うと、カスタマーサクセスってなんかどこでも活かせるような、どこにでもあり得る仕事だと思えますね。
 
だからカスタマーサクセスって、何をサクセスとするかは色々ネーミングはあると思うんですけど、概念だと思うんですよね。
“他者のサクセスを支援することで報酬を得る”っていう仕事なので、カスタマーサクセスという職種単体というよりは、営業もマーケティングも事業開発もすべてサクセスを期待する仕事だと、全部一緒な気がするんですよ。そういう意味で、カスタマーサクセスは概念なのかなと。
 
-カスタマーサクセスっていう仕事が出てきて、職種としては切り取られてるようなイメージはしますけど、会社全体でカスタマーサクセスを目指すっていうのはその通りかもしれませんね。
 
だからカスタマーサクセスという概念は、全職種、もしくは経営陣にも広まっていくだろうし、当たり前の考え方になっていくだろうし。言葉にしていないだけで広がっていくといいな、と思うことですね。
 
-いいですね。新年からなんだかいい言葉聞けてたな、って気がします(笑)。ありがとうございます。
それではお時間も迫ってきたので、最後に内川さん、今年の豊富があれば一言いただけますか?
 
今年はですね、私は年女(としおんな)ですので、縁起よく、勢いよく!今のクライアントさんのサクセスに邁進していきたいなと思っています!
 
-今年も楽しみにしています!ありがとうございました。
 
インタビューリレー第一弾でした!
これからも続けていきますのでよろしくお願いします!


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