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いつかのふたり

◎演劇、映画。
観に行きたいけれど、
強く苦手を感じてきた。

例えば、上映前に並ぶこと。
待つこと。一人で待つこと。
それ自体は
苦ではない。

でも、知り合いに出会い、
一緒に待とうと会話が始まると
張り切りすぎてしまう。
面白い会話しなきゃと。

そんなに期待されてない、
と分かっていても。
他人様の前でスマートフォンを
取り出して、時間を潰すことに抵抗がある。
本を取り出して、
一人の世界におさまることも。

多少でも
顔見知りの人の視界に入ってしまったら、
その人との時間を構築しなきゃいけない…
と、妙に焦る。時々、冷や汗なのか、
右腕の二の腕あたりの感覚がなくなる。

全然関係ないけれど、座席の近さも。
私のパーソナルスペースが狭いのかも
しれないが、隣に人が座らないことを
積極的に願ってしまう。
新幹線とかでも。
概して、「優しくない私」が
嫌でも知らされるのに
耐えられないんだろうな。

ここまで来ると、観劇/鑑賞の目的を忘れる。
そして、上映中に体力切れになり、
会場から飛び出す。
なんか、今日もダメだったなぁと
反省しながら家路を急ぐ。

◎今年から、落語鑑賞を始めた。
月に2回。ひとりで。

紺屋高尾(こうやたかお)、
だくだく、猫の皿。

大好きな話が増えていくたびに、
「落語って面白いんだよ…!」と
声高に叫びたくなったり。
友人を誘って通いたいな…と
思う。

その反面。
誰かを招いたら
彼/彼女が楽しめているのか、
能力がないわりに
きっと考えすぎてしまう。
私自身が
落語を何一つ聞き取れない
自体が予測される。
(笑い話に済ませたいが、わりと真剣)
そして、それをできれば避けたい。
だって、鑑賞にもお金はかかるし。笑

だから、もう少し。
もう少しは、ひとりで楽しむ。
でも、

そうなんだ。
落語を楽しむ若者がいるのか、と。
興味とまでいかずとも
芽吹きを感じる人がいれば、

いつかその方と話をしてみたい。
緊張するだろうし、
顔は笑えてないかもしれないけれど。
きっと楽しいはずだから。





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