皆さんこんにちは。ちゃそぴです。

今回も僕の贔屓球団である東京ヤクルトスワローズが戦力外やトレード、現役ドラフトから獲得した選手についての基本情報と、データや選手個々のエピソードにおいて面白い情報を共有していく「ヤクルト再生工場2024」を更新していきたいと思います。

新年あけましておめでとうございます！
そして色々と私情があって更新が遅れてしまった事をお詫び申し上げます。

今回は第三弾。第一弾で紹介しました嘉弥真新也投手と同様に今何かと話題であるソフトバンクを昨季戦力外となりましたが、若さと溌剌さでチームを盛り上げる"増男"の愛称でホークスファンから親しまれた元気印・増田珠ますだしゅう内野手について紹介したいと思います。なおデータはnf3 - Baseball Data House - とプロ野球データFreakを参考にしております。

基本情報と実績、役割

増田珠選手は右投右打の内野手。外野も一通り守る事ができ、パンチ力と勝負強さのある打撃とユーティリティさが魅力の選手です。また入団当時には「自分のウリは元気。松田(宣浩)さんのようにムードメーカーになりたい」と語っていた事もあり、当時の工藤公康監督も入団会見時に「キャラが濃い」と称するほど持ち前の明るさでナインを鼓舞する役割も務めていました。村上宗隆選手とは同い年であり、中学時代にシニアチームの九州選抜にてチームメイトとなりライバル的存在でしたが、オフには一緒に食事を行うほどの仲で今季からはヤクルトでチームメイトになります。また今回の入団に至った背景として増田選手は「村上が小川GMにアシストをかけた」と語っています。

役割としては外野での守備固めや右の代打としての活躍が期待されます。内野手登録ではありますが近年では外野の守備機会が多く、今季のウエスタンにおける外野の守備率は53試合で.981を記録しています(ソフトバンク全体の守備率は.977)。右翼としての守備機会が多いので現状だとサンタナ交代後の守備固めとして使われる可能性が高いと推測しています。内野は1B、2Bを守れる為山田哲人選手の途中交代後に起用される可能性が高く、試合数が少ないとは言え内野ではいずれも守備率1.000と安定しています。
また右の代打では三ツ俣大樹選手(.143)しかいなかったのが今季の現状であり、現役ドラフトで獲得した北村拓己選手(絶賛執筆中。近く更新します)と共に切り札としての活躍に期待されています。そして勝負強さだけでなく選球眼の高さを活かし出塁能力に一役買っています。三ツ俣選手と比べると、

と一目瞭然の数字を残しています。長打力のある北村恵吾選手の台頭もあり激戦であるポジションである事は間違いないですが、まだ24歳と若く伸びしろ十分な選手であるので今後いかに成長するのか期待が掛かります。
また奥村展征選手が今季構想外になった事でチームを鼓舞するムードメーカー的存在としての活躍にも期待されます。連覇の掛かった22年夏、コロナ禍による選手の大量離脱こそありましたが、彼の声出しには勇気をもらったヤクルトファンも多いのではないでしょうか。もちろん奥村以上の成績を残して彼の目標である"熱男"のような存在感を残してほしいのが一番の願いですけどね。

"熱男"のDNAを引き継ぐ"増男"

増田選手はホークス時代に”増男”の愛称で愛され、前述の元気さを含め松田宣浩氏の血を継ぐ打者として期待されていました。彼は常に意識して声出しを行っており、それを自らのモチベーションとしています。まさしくあの奥村氏を彷彿とさせるキャラである事が分かりますね。

円陣も明るくて思わずにやけちゃいます。

話は少し逸れますが、増田選手の師匠である松田宣浩氏にも触れたいと思います。
"増男"の元祖である"熱男"こと松田氏にこのキャラが定着したのは12年シーズンの話でした。11年オフにチームのムードメーカーであった川崎宗則氏がメジャーへ移籍する事をきっかけに、松田氏は川崎氏からムードメーカーという仕事を託されました。しかし松田氏は元々静かな性格であり本人いわく"寒男"だったそうです笑。川崎氏から具体的な説明も無かったのでムードの作り方が手探り状態であった事や、陽キャ感を作りつつ結果を残していきながらチームを鼓舞していく事の難しさを痛感したものの、これが責任感へと生まれ変わり結果的に松田氏は５年連続フル出場を果たし、チームスローガンから"熱男"がファンに定着した15年には35本塁打をマークする大活躍でチームの優勝・日本一に貢献しました。そんな松田氏から太鼓判を押され「恥ずかしいと思うけれど、そのキャラはやり通せ」と激励の言葉をいただいた増田選手。ぜひ師匠である"熱男"から今度は"増男"としてヤクルトベンチのムードメーカーとして存在感を放つ選手になれるといいですね。

※上記エピソードの話は10:29～から。

指標上でも好成績をマーク

また増田選手には元気だけではなく無視できないデータも存在します。

株式会社DELTAによると総合WARの数字が3.6とウエスタントップの成績を残しており、全ポジションにおけるUZRは13.7と破格の成績を残しています。また打撃部門においても上記動画の通り、23年5月時点でBB/K部門において1.17を記録しており最終的には1.10と1.00を超える結果となっています。

また打撃成績が優秀な一軍打者のBB/Kを見てみると、

となっており、あくまで二軍データになりますが打者としても三振が少なく高出塁率をキープ出来る選手と評価できます。また二軍成績では打率は.250ながら出塁率は.374をマークしており、長打率こそ.386ですがOPSは.760と高い数値を記録しています。これにパワーが兼ね備えられればいずれはクリーンナップを務める事が出来るかもしれません。

小久保監督の愛弟子として

増田選手は小久保氏が二軍監督であった時期から攻守ともに指導を受けており、３番打者として起用される事もありました。また増田選手が戦力外になった際には本人だけでなく小久保監督が非常に驚いたという事で、小久保監督が一軍監督として指揮を執る来季も十分に戦力として考えていた事が伺えます。

また増田選手が戦力外となった28日にはみやざきフェニックス・リーグ(教育リーグ)が行われ、そこで小久保監督は若鷹達に対して増田選手を引き合いに出し、

と檄を飛ばして戦力向上を促しました。
ちなみに今季の契約更改時には大ベテラン・和田毅選手や、育成から球界屈指のユーティリティプレーヤーとして活躍している牧原大成選手が育成選手に対し苦言を呈していた事もあって現状の筑後ホークスに問題を提起していた事もあった為、そんな中で増田選手を評価していた小久保監督から大いに信頼されていた事がよく分かります。

プレーも声出しも全力でウエスタントップのWARやUZR、BB/Kを叩き出し、ファンや首脳陣にも愛された増田選手、いや、増男。成績でもあの本家のようにチームを引っ張る活躍が見られたらいいですね。増男の今後の活躍に期待しています！

最後に全力の"増男"で締めたいと思います！

今回も最後までお読みいただきありがとうございました！

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1/15追記

増田珠選手の親子関係についての記事を見つけましたのでこちらで共有したいと思います。ぜひご覧ください。

＊前編

＊後編

※後編の２ページ目閲覧にはスポーツナビのアプリが必要です

出典

・【ヤクルト】増田珠、師匠松田宣浩氏と約束の「増男！」を神宮で「認知してもらえるように」(日刊スポーツ・2023年11月28日)
・ソフトバンク・増田珠「落ち込んだときとかは、洋楽とか気分が上がる系の曲を聴きます」／元気の源(『週刊ベースボール』2023年10月23日号)
・【ヤクルト】増田珠、師匠松田宣浩氏と約束の「増男！」を神宮で「認知してもらえるように」(日刊スポーツ・2023年11月28日)
・【松田宣浩が語るホークスでの17年間】熱男誕生秘話／柳田悠岐の意外な素顔／期待の若鷹／最も衝撃的だった投手／松田家琉子育て論・・・【パーソル パ・リーグTVラジオ放送局(仮)#3】((パーソル パ・リーグTV公式)PacificLeagueTV公式YouTube・2022年12月22日)
・戦力外の鷹24歳がフィットしそうな球団　衝撃の「13.7」…好守で“泣き所”埋める？(Full-Count・2023年10月30日)
・ソフトバンク小久保監督、若手に生き残りの覚悟説く「あいつより野球が下手やけど残っている」今オフ構想外通告は18人に(西スポWEB otto!・2023年10月28日)