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頼れるぞ、ジタンなタジン。


北アフリカの、帽子型の蒸し鍋、タジン。
蒸し料理のヘルシーなイメージとあいまって、ひと頃ブームになった鍋です。

帽子の上の細い部分は対流しにくいので高温にならず、
そこに上がった香りたっぷりの水蒸気が冷やされて、
食材にシャワーのように降り注ぎ続けておいしくなって行くしくみのようです。

うちにこのタジン鍋がやってきて、もう15年近くが経ったでしょうか。
本当に必要なのか、
場所をとるんじゃないか、
買うならもっと小さい方が、いや大きい方がいいのでは、と迷っているうちに
タジンやクスクスのブームが到来し、結局は仕事がきっかけで、買うことになりました。

形状ゆえにシンク下に重ねてしまいこむことが出来ず、手の届くところに並べていると、
自分でも意外なほどたびたび手に取り使うように。

あくまで陶器鍋なので、水気を拭いて、強火は避けて、などの注意点はありますが、オーブンでも電子レンジでも使えます。

羊や鶏を、野菜やスパイス入りのソースと一緒に蒸し煮する本格タジン料理も魅力的ですが、
振り返ると、あれこれ作るパワーが足りないときや、ちょっと内臓が疲れているときなどに、この鍋に頼っていることが多かったな、と感じています。
思えばちょうど10年ほど前は更年期真っ只中のころ。
その頃から急速にタジンが大活躍し始めたのです。

ミニトマトや一口大にした人参、かぶ、菊芋、うど、琉球長命草などを並べて、
バジルのソースをまぶしてタジン鍋を中火にかけ、3〜4分蒸し焼きしただけの、休みの日の朝食。
レモンを添えてしぼるとさらにさっぱり頂けます。

残り物のキーマカレーを添えて、あとはバゲットを切っただけ。
おはずかしいような簡単メニューですが、野菜の甘みを堪能できました。

スープと溶き卵、胡麻油、おろした長いも、青ねぎを混ぜて…。
茶碗蒸しみたいにつるんとしていませんが、
長いものとろとろ感がおなかにやさしい卵蒸し。
あっという間に出来上がりました。
好みで食べるラー油を加えます。
今日は季節の筍を加えました。

弱っているときに、なんだかじ~んとしみる味です。
今日は元気なので、一人でタジンごと平らげたくなりました。

出来立てのレシピを、忘れないうちに。


*長いもと筍の卵蒸し ごま油の香り
材料
卵2個、スープ300cc、塩胡椒各少々、ごま油小さじ2、長いも15cmくらい、ゆで筍少々、青ねぎ2本

作り方
溶き卵とスープを混ぜ、すりおろした長いもも混ぜ合わせて塩胡椒で調味する。タジンに流し、刻んだねぎと筍をのせ、ごま油をまわしかけて中火で5分ほど蒸す。

これも、時短で美味しい手羽先の茶葉蒸しです。
蒸し器でお湯を沸かす時間や、オーブンの予熱時間が要らず、火にかけるだけで出来上がります。
一度湯に浸し洗った番茶の葉をしいたタジンに、
酒、塩、胡椒、おろしにんにくをまぶして、30分〜1時間ほど置いた手羽先を並べて蓋をし、中火にかけます。
燻したような香ばしさを纏わせながら、余分な脂や臭みを茶葉に吸ってもらい、さっぱりと蒸し上がります。
途中で一度返して、計10分ほど。
烏龍茶の葉で蒸すと、また違う味わいでした。

茶葉がなければ、黒烏龍茶や加賀棒茶など、香ばしいお茶1/2カップを注いで蒸しても。
その際は葉野菜をしいて、茶葉代わりにクッションにします。
その場合は、汁気が多い分、ひっくり返す必要はありません。

さっぱりした鶏手羽先に、ちょっとくせのあるたれを添えました。

製菓用のココナッツパウダーにコチュジャン、揚げたねぎ、にんにく、煎りごま、ごま油、塩に酢の酸味をプラス。黒酢でなく、普通の米酢をほんの少し。
ごま油の香りが効いて、深みが出ました。

ココナッツが水分を吸うので、鍋のたれなどにするときは、スープでゆるめると程よくなります。

タジン特有の脂っこくない料理に仕上がることや、野菜自身の水分だけでたっぷり野菜が頂けることのほかにも、
このひと鍋を火にかけるだけで出来あがる時短料理が叶うこと、
そのまま食卓に出せて片づけが楽なこと、
こういったありがたさが、きっと心強いのだと思います。
心にゆとりのある時より、
疲れていたり、どうしても元気が出ないときに。
だからこんな鮮やかな赤を選んだのかもしれません。
気づけばこんなに長いこと、タジンを頼りにしているわたし。

もっとこまめに手入れして、感謝しなくては。


#note  #料理 #タジン #蒸し料理 #野菜が美味しい #調理道具  

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