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武道館の奇跡 番外編 東京旅行記(後)

本編はこちら。

番外編(前)はこちら。

銀座のホコ天をお上りさんよろしくウキウキしながら歩いてたら、マリオネットの大道芸が目に入りしばし眺めていると、急にうのっちさんが私を呼んだ。

「ちはさん、ちょっとこっちに来て。」

ホイホイとついていくと、そこにはお若い男女の二人が立っていた。
マイクを持ったかわいらしい女の方とカメラを担いだ背の高い男の方。

明らかに撮影クルー。


なになに?どゆこと?

「なんかインタビューしたいんだって。私より絶対ちはさんの方がおもしろいと思って」

ってうのっちさん。


え?待って待って

ちょっと意味がわからない。

もしかして

これが噂の 街頭インタビューってやつ?


マジですか?


てか、うのっちさん 


丸投げっすか?



頭の中がぐるぐる回ってる私におねえさんがいろいろ説明を始めた。

関東ローカルの番組で街頭インタビューをしていて、話を訊いておもしろかったら放送されるらしい。

お題は

「最近一番ピンチだったこと」

だったと思う。


えっと、関東ローカルってことは北海道は放送されないのね?
それならまあいっか、おもしろそうだし、やってみよっかな、なんてお気軽に考えてインタビューを受けることにした。

でも、ピンチだったことなんてあったっけ?

と悩んでたら エミちゃんが

「ほら、今朝のあれ!」


あれって?


あーウォシュレット事件ね。

そんなにおもしろいかなぁと思いながらもおねえさんとおにいさんの質問に答えることになった。


「どちらからお越しですか?」

北海道です。

「え?北海道ですか?ほんとに?」

なんでそこウソつかなきゃなんないのよ。
ほんとですよ~

「観光ですか?」

いえ、大泉洋リサイタルのために来ました。

「大泉洋さん?リサイタルなんてするんですか?」

え?知らないの?昨日武道館でやったんですよ!
北海道のスーパースター大泉洋ですよ!
マジで知らないの?

「知りませんでした。すみません。
熱いですね~ファンなんですね?」

あ・・・そうですぅ
(最推しは戸次重幸神ですが・・・)


「それではピンチだったことを教えてください。」


ここからは前編で書いたとおりのウォシュレットの水が出なかった事件をジェスチャーを交えて熱く語ったら、なぜか なまらウケちゃったんだよね。

おねえさんもおにいさんもエミちゃんも次女ちゃんもうのっちさんも爆笑。

ウケるとは思わなかった私はちょっとびっくり。


こんなにおもしろいこと話してくれた人初めてです。ぜひ、使わせてください!ってことで、今度は場所を変えて本番。


私の1メートル前におにいさんがカメラを構えて、そのおにいさんが私に質問するというスタイルで撮影が始まった。

さっきとほぼ同じことをカメラに向かって話したんだけど、洋ちゃんのリサイタルからちょっとテンション上がっちゃって、北のキラ星の天才ぶりを熱く語ってしまった。
そして朝のウォシュレット事件をオーバーアクション気味に話しているところがこの写真。


トイレからバスタブをまたいで中に移っておしりにシャワーを当ててるところを熱演中 
次女撮

なまら笑いながらおにいさん
「おねえさん(私の事)にとってウォシュレットはマストですか?」

もちろん!

おしり洗わないで東京歩けませんよ!

ぼくはそんなに気にしないですけど

えーーっ
まさかおしりも洗わないでここにいるんですか?


ダメですか?

ダメですよ!その辺のお店いってトイレ借りて洗ってきなさい!


そしてまた洋ちゃんの話になって

大泉さんの大ファンなんですねって訊かれたウソのつけない私は


大好きですけど・・・

本当の推しはチームナックスの


戸次重幸さんです!


って言っちゃった。


おにいさん  きょとん

「と つぎさんですか?」


おっと、よく見る反応。

洋ちゃんは知っててもシゲちゃんは認知していただけてないってことですね。

そんな時は携帯の壁紙を、まるで水戸黄門の印籠のようにみせるのだ。

見よ!

この美しき50歳児
マルチ俳優でオチャッピー、おうちに帰ればなまらいいパパなのに、バラエティーでは頑張りすぎて図らずもおもしろくなっちゃう、ミスター残念の絶滅危惧種(そして私は絶滅危惧種保護管理者)

このお方こそ
チームナックス ハンサム担当

戸次重幸神


にあらせられるぞ。

頭が高い  

ひかえおろうー!!


やっとシゲちゃんを認識したおにいさん

「あー戸次さん!」

「で、チームナックスって?」


おいおいおい!
チームナックス 知らないってか?
テレビのお仕事してるのに?
うそだべ!

それはいかん
業界人として知っておかねばならぬことだ。
この際私がオフィスキューの設立の過程から教えてあげなければ!


と、いきり立つ私を見て「これはやばい!話が長くなる」と確信した次女ちゃんが私を制し、おにいさんに

「大泉洋が所属している北海道の劇団です!」

といいながら割り込んできてくれた。

次女ちゃん、おねえさんに訊かれてた。

「どんなご関係ですか?」

母です。

「あ、娘さんですか。おかあさんおもしろいですね。」

いつもこんなんです。

と冷静な反応の次女ちゃん。


はい、確かにその通りでございますけど、なにか?


その後、テレビに映ってもいいよの承諾書を書き終わってから、ちょっと心配になって訊いてみた。

これってぇ  北海道では絶対放送されませんよね?

おにいさんは言った。

「たぶん・・・

  大丈夫です。」



たぶんって  何?

全国放送もあり得るってこと?

うそでしょ?


ちょっと調子に乗り過ぎっちゃったんでないかい私。


若干の不安を抱えながらおにいさんおねえさんとお別れした。


うのっちさんが

「やっぱりちはさんもってる。おもしろかった~。ちはさんに振ってよかった!」

って笑いが止まらないって顔で言ってた。


リサイタルのプレミアチケットが当たったことから始まり、最高の武道館ライブを神様(シゲちゃん)と堪能し、ウォシュレットが壊れて部屋がランクアップ、うのっちさんと会えての街頭インタビューだもの。
確かに全部繋がってるなぁ。
これがもってるってことか。


うのっちさんと「また逢いましょう」と約束して別れた後、次女ちゃんのガイドで東京見物をして、ホテル近くの焼き鳥屋さんでディナー。

おいしい日本酒と白レバーで「もってる旅」はフィナーレを迎えた。


最終日、リムジンバスに乗り遅れたことを除けば特にトラブルもなく、羽田空港で最後の目的、少々お高めの「ウナギ」と「天ぷら」を食べて、無事北海道に帰還。


真っ白な北の大地をみてエミちゃんが言った。

「なんだか、ほっとするね。」

私は

うん、そだね。


って言って我が家に向かって車を走らせた。



道産子田舎もんのおばちゃん二人の怒涛の珍道中。

これにて完結でございます。

おあとがよろしいようで。


         したっけ



P.S

関東エリア在住のみなさん。

20日以降のTBS系列のローカルバラエティは観てはいけません。

呪われます。






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