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「私のための歌だ!」と勘違いさせる歌詞こそが名曲の条件【深夜3時の逃避行 #4】

最近YouTubeで好きな曲を聴いていたら、オススメで吉澤嘉代子さんの『残ってる』という曲のMVが偶然勝手に流れ始めました。

歌が始まってすぐ、あんまり好んで聴くような歌声ではなかったので飛ばそうとしたんですが、クリックする寸前で「私はゆうべの服のままで 浮かれたワンピースがまぶしい」という歌詞が流れてきて指がピタリと止まりました。

え・・・これ、わたしのことじゃん・・・

と。もちろん本気で彼女が私の曲を作ってくれた運命!と思ったわけではなりませんが、もう共感を超えた共感といいますか。少し前の私の状況にぴったりハマるような歌詞がこの後も続くんです。

このとき私は最寄駅から家に向かってまあまあ人通りのある道を歩いていたんですが、思わず泣いてしまって。吉澤さんの声と主演のモトーラさんの表情で十分泣けたのですが、さらにこの歌の主人公が本当にいつかの自分とまったく同じ状況に思えたからです。

あまりにも私の気持ちを代弁したような歌詞なので、YouTubeのコメント欄ものぞいてみました。同じような状況の人たちはきっと共感して大変なことになってるだろうな〜って。

そしたら案の定、主に女性からものすごく反響があるようで。しかしよく読んだら、「この曲の主人公は私とまったく同じだ」とコメントしている女性たちの共感エピソードが、

私のとは全然違う状況だったんです!!!

もちろん似たような境遇の人は数名いますし、根底は同じ(大人の恋愛、センチメンタルという点で)なんですが、エピソードやその人が置かれた立場はけっこうバラバラなんです。

なのに。なのにみんな「私のことかと思って泣いた」と言っているんです。これってすごくないですか?当たり前なのかもしれませんが、月並みな言葉でもなくある程度具体的に語っといていろんな人に当てはまっちゃう歌詞が一番すごいんだなあと思い知らされました。

じゃあそんな歌詞をどうやって作るんだと言われると、大雑把でなく具体的だけど自分のことすぎてはいけないってことくらいしかわかりません。歌ってそういうの考えないで作ってほしい派ですし。笑

にしても本当にこの曲は泣ける。普通に恋愛してきた大人の女性ならほとんどの人が共感しちゃうんじゃないかなあって思うくらい。この曲に共感できない人は生きてきた世界が違いすぎてたぶん仲良くなれないし、正直羨ましいです。 こんな想いをする人が少しでも減ればいいと思うし、少なくとも私の友達たちにはこれ以上降りかかりませんように。

では今回は『残ってる』の最後の歌詞でさよならです。

私 まだ
昨日を生きていた

#歌 #恋愛 #失恋 #片思い #歌詞 #名曲 #共感  

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