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モンテッソーリとの出会い

前回から間が空いてしまいましたが、メキシコで長女が通っていたプリスクールの話です。そのプリスクールはモンテッソーリ・メソッドを基盤としていました。この出会いと長女の成長から、現代に適した幼児教育って何なのか?と考えるようになりました。
https://www.ceducativahanrath.edu.mx

プリスクールを探すにあたって、何園か見学に行き、更に妻からも何冊か本を読まされ(表現が受け身ですが…)、最終的にこのHanrathというところに決めました。外国人も通うような園ではそれぞれ特徴的な教育メソッドをウリにしていましたが、子どもの内から沸き立つ好奇心や自発性に着目しているプリスクールはあまりなかったのが現実です。「子どもは能力が低いから大人が指導しなければならない」という考え方が根底にあったと思います。

脳科学的にこういう刺激を入れるといいとか、人間の発達の過程で幼児期に第二言語に取り組んだほうがいいとか、様々な情報に触れることで、認知能力・発達心理学や言語習得に関して、私が興味を持つきっかけになったのは有益だったと考えています。

子ども時代にはあらゆることに好奇心・探究心があるのに、(たまたまかもしれませんが)伝統的な大企業にいる若者たちはどこか指示待ちで、諸先輩方も「この年になって勉強はできない」と口癖のように言うことを考えると、どこかで多くの大人は好奇心や探究心を失っています。そのタイミングはどこなのか?どうやったら子どものときに持っていた好奇心を持続できるのか?

伝統的な企業であれば、その企業の主たる経済活動に紐つく一つの枠組の中で、興味・関心を持ちそれを探究していればよかったのが、今のような変化の激しい時代においては業界を跨ぐ学際的な知見・経験が必要となっています。こういった知見や経験を積極的に掴みに行くエネルギーが知的好奇心なのだろうと、私は考えています。

あるタイミングでこのエネルギーがなくなってしまうのを防ぎ、逆に持続・拡大できるような素地を築く上で、モンテッソーリ・メソッドは有効だと考えています。なぜなら、モンテッソーリ・メソッドは子どもの自己教育力を援助するものだからです。尚、私自身は公式のモンテッソーリ教師資格は持っていないのですが、妻がこの春教師資格を取り、妻が勉強している傍らで私も独学してきた(今もしています)という知識レベルです(大目に見てください)。

ただモンテッソーリが唱えている視点の多くは、行動経済学の内発的動機付けの議論にも通じるものがあります。2年間かけて修了したMBAとの繋がりに気づき、日々幼児期に吸収したもの・子どもが自分の内側に構築したものが結果的に成長過程や成熟後にどういう反応を示すのかは興味深いポイントだと感じています。

幼児期に習得した感覚的なものは大人になっても持続されることは既に分かっていることなので、幼児期の経験に厚みを持たせられるようにしたいし、それを少しでも多くの人に広げていきたいと考えています(参照記事:https://note.com/curiosidades/n/n205bfac00c5f)。

マリア・モンテッソーリ博士は「大人を形成するのは子ども」(※1)と言っていますが、子ども時代の上に大人が成り立っています。子ども時代の経験や学びは人格形成に大きく影響します。その視点は、脳の発達とも関連していて、人間の脳の約80%は3歳まで、約90%は6歳までに発達します。発達の過程で子どもは多くのことを自ら吸収します。子どもは、イチイチ細々大人が教えなくても、自ら世界を知ろうとします。知らない間に、大人よりも多くのことを知っています。

6歳の娘は、私にいつも花の名前、木の名前を教えてくれます。畑仕事している私よりも知っています。子どもの知りたい気持ちは、大人の想像以上です。

因みに、藤の花が綺麗だよ、というのも娘に教えてもらいました。

※1 )『1946年ロンドン講義録』(マリア・モンテッソーリ著、アネット・ヘインズ編、中村勇訳、AMI友の会NIPPON監修、風鳴舎)

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