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【続いてる写経 565日め】〜全部”ノブ”のせい

なかなかツイてる10月なのです。527日めの投稿でメモしておいた『最澄と天台宗のすべて』での、『阿・吽』作者おかざき真里先生のトークイベントに当選しました〜。ということで、ちょうど『阿・吽』を読み終えたばかりというY姉様をお誘いし、トーハクに行ってきました。

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おかざき先生、実際のお姿を目にするのは初めてでしたが、広告会社にお勤めの経歴があるためか、めちゃくちゃトーク上手だったのにまず驚きました。マンガ表現だけでなく、自分の考えを言語化してプレゼンすることに慣れてらっしゃる。。

しかもいちいち表現がキャッチーでポップなのです。あの画風の通りです。司会進行も自らやってるような雰囲気さえありました。すごいなあ・・。

トークイベントは、この展覧会のメイン学芸員の皿井さんとの対談で、お二人から本展覧会の見どころや、最澄さん、天台宗、はたまた空海さんにまつわる話など多岐に渡りました。

この展覧会の見どころ(学芸員・皿井さんより)

皿井さんによると、この展覧会の構成は、1200年に渡る天台宗の歴史をたどれること(タテ軸)、そして日本文化への影響も学べること(ヨコ軸)。

さらにこの展覧会は、東京の他、九州、京都の国立博物館での巡回となっているけれども、3館とも別の展覧会と言っていいほど違う内容なんだそうです。
九州・・・山岳信仰を中心
京都・・・面としての天台宗の歴史中心

そうなんですよね、展覧会会場で他の会場のチラシもあるので見比べると、この如意輪観音像はない!とか、あるわけです。

おかざき先生がそこで、「『御請来目録』(空海さんが唐から持ち帰った経典などの目録を、最澄さんが書き写した直筆のもの)はなぜ東京には出品されてないのですか?」と質問。
「国宝や重要文化財は、1年の間に2回しか動かすことができないのです。そして年間60日しか展示ができないのです」と皿井さんが回答。

このような事情があるため、最澄さんのご宸筆やその他貴重な国宝や重文を、どこで展示し振り分けるかは、3館の担当者の話し合いで決められたのだそうです。

「では人が動くしかないですね」(おかざき先生)
このような話を聞くと、うむこっちが動きたくなりますね。

天台宗をたどる難しさ

また、天台宗というのは、その歴史を辿るのは困難な部分があり苦労されたとのこことです。それは、、タイトルにした「ノブのせい」。(byおかざき先生)

そう、織田信長による比叡山焼き討ちによって、貴重な文献、経典や仏像が失われてしまったため、それ以前を辿るのが非常に難しい模様。。

今回展示されている、最澄さんの木彫り像「伝教大師坐像」も、実は別人で、もしかすると天台宗の祖といわれる智顗の可能性があるとのこと。
国宝「聖徳太子および天台高僧像」の中でを見ると、智顗さんと最澄さんとよく似てます。この絵にある智顗さんの頭にのったもの(”てんちん”とかいうらしい)これが、木彫り像のほうにもあった形跡があるんだそうです。

この絵、左から最澄、円仁、智顗。

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こういうことも、全部「ノブのせい」で不明
ただし、この木彫りの彫像が最澄さんのものでなくなってしまうと、最澄像はこの世からなくなってしまうんだそうです。。

最澄像の一つや二つ、絶対かつての延暦寺にはあったでしょうにねえ。。
おそらく「ノブのせい」で燃えて亡くなってしまったのです。

あ、おかざき先生の話が全然書ききれない、、明日につづく。



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