見出し画像

あの子との夏の思い出は日焼け止めの中に

「20代も後半ならそれは、ニキビじゃなくて吹き出物だよ。」

まさか顔のデキモノなんかに自分の年齢を自覚させられるとは。
不覚。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ばーわんちゃんのフォロワーである僕はその文章に感化されスキンケアに興味を持ち始めた。

昔から人から影響を受けやすい人間だというのは分かっている。
大学の3年の時にサークルの苦手だった後輩に「カレーヅキさんって人のまねしかしないですよね。」と言われたことはいつになったら消えてくれる記憶なのか日々噛みしめる。確かにサークル内で流行っていた口癖やノリを好き好んで使っていた。自分発信で何かムーブメントを起こすことなんて一つもなかった。そのことに対して特段憂いてはいなかったのだが、この悪口じみた言葉に自分というものをハタチも過ぎてから気付かされ、また、大きなショックを受けたのだ。

卒業の時にサークルの卒業アルバムの寄せ書きに同期の子が
「カレーヅキは人に影響されることが欠点だと言っていたけど、私はそこが良いところだと思うよ。4年間ありがとね。」と寄せてくれた言葉のおかげで僕の心がふっと軽くなった話は、また今度。あの子どうしてるのかな…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキンケアに興味を持ち始めた僕はばーわんちゃんの記事を全て読み漁り、@cosmeをチェックし、Amazon PrimeでBEAUTY THE BIBLEを視聴し、スキンケアとメイクについての知識を2週間やそこらで貪った。貪欲。グリード。

その後は、まず、美容液と日焼け止めだな。と思い最寄りのドラッグストアに赴き、美容液と金アネッサを買った。
その日からお風呂上がりは化粧水→美容液→クリームというルーティーンを増やした。
正直、未だに吹き出物は出るので効果を実感できていないが美容液を使っているという充実感で日々満足している。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、驚いたのはつい先日のこと。
金アネッサを買ったが良いがなかなか使う機会がなかったのだが、たまたま外に出る仕事があったので遂に金アネッサを解禁することに決めた。
金アネッサを肌に塗布し、少し経つと気がつくことがあった。

「あ。これ女性の匂いだ」

今まで自分が感じていた女性独特と勘違いしていた匂いはまさしくこれだったのだった。
今まで生きてきてやっと気がついた真理。あらま、エルリック兄弟もびっくり。

サッカーの試合が終わった後に「頑張ったね」と言った母
体育祭で一緒に盛り上がったクラスの女子
花火大会で偶然合った気になってたあの子
お酒を呑んでお風呂に入らないで本能のままに抱いた彼女

日焼け止めには女性との夏の思い出が沢山詰まっていることを今になって思い知った。
これは思い出ドラッグだなと思った。

「君がいた夏は遠い夢の中」

そして僕は今年の夏からは金アネッサと共に生きていくことを決めた。

今は身近に日焼け止めの匂いをさせてくれる女性がいないことが課題だな。

カレーを食べます