利益が最優先!リハビリしない理学療法士
リハビリしない理学療法士
理学療法士と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
多くの人は、身体の障害や痛みを持つ人に対して、適切なリハビリテーションを提供する専門職だと思うでしょう。
しかし、理学療法士がリハビリを行わないという事態が起きています。
その理由とは何でしょうか?
ある通所リハビリテーションの例
通所リハビリテーション(デイケアとは)
通所リハビリテーション(以下、デイケア)と言われても、普通の人にはピント来ないかもしれません。
デイサービスならイメージがつきますか?
デイサービスの職員は、自宅で生活する高齢者を、朝、車で迎えに行きます。
デイサービスでは、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、レクリエーションを楽しんだりします。
デイケアは、これにリハビリがついたもの、と考えると分かりやすいです。
加算ですべてが変わる
かつて、デイケアでは、通常の利用料金とは別に、理学療法士がリハビリをしたら、1人につき、○○円の追加の料金を取ることが出来ました。
だから出来るだけ、たくさんの利用者のリハビリをするようになっていました。
その方が利益が増えるから。
たとえ中身のない、マッサージだけのリハビリでも、利益がでました。
ところが、ある時期から、理学療法士がリハビリをしても、追加の料金を取ることができなくなりました。
理学療法士のリハビリの料金は、デイケアの通常の利用料金に含まれてしまったんです。
デイケアからいなくなる理学療法士
理学療法士がリハビリしても、デイケアでは利益が出ません。
そこで、複数の病院で、デイケアの理学療法士を、別の部署に配置しました。
たとえば、回復期病棟とか、訪問リハビリなどです。
リハビリすればするだけ、利益になる部署に異動しました。
ただ、完全にデイケアから理学療法士がいなくなるのは困ります。
そこで、デイケアの利用者に対するリハビリプランは理学療法士が作り、実際のリハビリは介護士とか看護師がするようになりました。
普段は回復期病棟などでリハビリの仕事をしていて、書類作業のときだけデイケアにいるわけです。
介護士とか看護師が、利用者に直接触って、関節を動かしたり、筋肉をゆるめたりはしません。
理学療法士の「この利用者には、こんな運動をさせてね」という指示のままに、膝の屈伸運動とか、足のストレッチなどをします。
これは、実際にある病院で起きていることです。
作り話ではありません。
シロウトのリハビリで満足ですか?
もし、あなたのご両親がリハビリしなければならなくなったとして、介護士や看護師にリハビリしてほしいですか?
それとも専門の理学療法士にリハビリしてほしいですか?
もちろん、リハビリのシロウトに自分の親を預けるのは、不安ですよね?
病院としては、そんな患者や利用者に寄り添うのが、当たり前だと思います。
しかし実際は、利益をたくさん出すことが優先になっています。
もし、あなたが理学療法士なら、こんな職場で仕事したいですか?
この程度のリハビリなら、理学療法士じゃなくても、いいですよね。
AIに聞いたら良い。
きっと、立派な答えをAIが作ってくれるはずです。
そもそも、こんなリハビリをしても、仕事として面白くないですよね。
理学療法士の仕事の何が面白いのかというと、患者や利用者に関わり、身体に変化を出すことが楽しいわけです。
あくまで私の考えですが。
リハビリしているデイケアもある
もちろん、すべてのデイケアで理学療法士がいなくなったわけではありません。
理学療法士を配置して、利用者のリハビリを行っているデイケアは存在しています。
理学療法士の人件費がムダにかかってしまうので、追加のいろんな加算(お金)を取って、経営を成り立たせているところもあります。
「こういうデイケアだから、リハビリの質が高い」、というわけでも、ありません。
たいていの病院は、優秀な理学療法士は病棟へ、そうじゃない理学療法士はデイケアなどの介護保険分野に配属する傾向にあります。
まとめ
ある通所リハビリテーション(デイケア)の実態を書いてみました。
理学療法士が実際にリハビリを行っても施設側に十分なメリットがない場合、リハビリ指示のみに留め、看護師や介護士が代行するという構図が現実に起きています。
大切な家族を預け、理学療法士による手厚いリハビリを期待しているのに、実際には指示を出しているだけ。
これで高額なリハビリ代や利用料金を払う価値があるのでしょうか。
理学療法士個人としても、関わりの薄い形骸化したリハビリ業務に、やりがいを感じることは難しいのではないでしょうか。
だからといって、組織で働いている以上、病院の方針には従わざるを得ません。
つまらない病院はさっさと退職して、別の病院に移りたいと思っても、理学療法士は飽和状態。なかなか次の職場が見つかりません。
ガマンするしかないのが実情だったりします。
まるで作り話のように感じられたかもしれません。
しかし、実際にある病院で起きていることなんです。
これが現実なんです。
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