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風と色のあいだに

秋の風は友のように
やさしくなれと云うのさ
過去のない娘のように
記憶とすつかり手を繋ぐ

いつもと同じ黄楊の木が
詩はすこし切なげに
あしたと同じ草の色
精霊蝗虫飛んでいく

風のあいだに
堕ちていく
あの光と世界を
探してる

春の風は恋人の夜に
孤独じやないと云うのさ
現在しかない青年(ひと)のように
想い出とほんのり手を繋ぐ

いつもと同じ桑の葉が
歌はすこし朧気に
あさつてとちがう空の色
青瓷しずかに飛んでいく

風のあいだに
堕ちていく
あの光と未来を
写してる

もしもあなたと
また逢えたなら
どんな元気に
なれるのだろう

風のあいだに
生きている
あの光と将来
見つけてる

光としあわせ
願ってる

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