35年間、クリームシチューは鶏肉しか入れちゃいけないと思ってた

クリームシチューに入れるお肉は何ですか?

生まれてこのかた、
クリームシチューのお肉とは鶏肉のこと。
豚肉や牛肉?ご冗談を!(ヾノ・∀・`)ムリムリ
と思って生きてきた。

これはそんな固定概念がガラスのように打ち砕かれた日のお話です。

きっかけは、ある日観たEテレの『ピタゴラスイッチ』。
大変面白い番組なので常々録画して繰り返し見ている。
その日のテーマは「途中まで同じ」。
途中まで工程が同じだけど、最後に違うものになるというものを紹介するものだった。

その中で、「じゃがいもと人参と玉ねぎと豚肉を煮て・・・」と途中までの工程の映像が流れる。
その先が違う料理と言ったら・・・・
「ははあ、カレーか肉じゃがですな」と思ってみていた私。

ところがどっこい、ナレーションは「ルーを入れたらクリームシチュー、お醤油と砂糖を入れたら肉じゃが」と言っている。
ナレーションにあわせておいしそうなシチューと肉じゃがの映像が出ているが、目に入らない。
なぜなら
「ここからクリームシチュー?クリームシチュー??クリームシチューには・・・・ならないでしょう???」
という疑問符で頭がいっぱいだったからである。

だって、生まれてからずっとクリームシチューには鶏肉が入っていた。
おばあちゃんもお母さんも鶏肉を使っていたし、給食もシチューは鶏肉だった(多分)。
冷蔵庫にじゃがいもと玉ねぎと人参と豚肉があって、ほかにはクリームシチューのルーしかなかったら、「仕方ない、カレールー買いに行くか・・・」と渋々買い物に出かける。賭けてもいい。(誰も得しない賭け)

絶対、「クリームシチューにするか」とは言わない。

でもその番組を見た後に、「もしかしたら、クリームシチューに豚肉ってアリなのか・・・?」という疑問が台風のように渦巻いて止まらなくなったので、恐る恐る豚肉でクリームシチューを作ってみた。

うまいじゃないか。

ルーが見事に具材をまとめ上げていて、何の違和感もない。
大変美味である。

こうして35年にわたり培われてきた固定概念は見事に打ち砕かれ、それ以来豚肉のクリームシチューも作るようになった。
これは同時に固定概念を捨てることへの難しさも感じる出来事で、もしピタゴラスイッチを見ていなければ、私は今でもクリームシチューには鶏肉、それ以外はあり得ない、と思い続けていた自信がある。

その概念を持った期間が長いほど、疑う気持ちを持つこと自体が難しい。

自分を疑うこと。
それは本当に正しいのか問いかけること。
自分だけが正しいという考えを捨てること。

それは時にとても恐ろしく、勇気を必要とすることかもしれない。
でも、その先に今まで知らなかった世界、気が付かなかった世界が見えたとき、その行為が喜びとともに報われるのだろう。

単にクリームシチューを豚肉で作ったらうまかったというお話なのに、かっこつけたまとめになってしまった。
なんかいいこと言いたくなる病です。

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