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白鵬の野望

北青鵬。昨年から噂があったというが弟弟子への暴行、金銭トラブルなどといった問題が出た。信憑性は不明だが場所中の休場は関係ありだろう。膝の半月板損傷で手術も要するという診断書が後日出たことも怪しい。北青鵬の休場をめぐり弁護士らで構成される相撲協会のコンプライアンス委員会がすでに動いているという。もっとも北青鵬の取り口が一向に変わらないがこれも師匠宮城野の指導不足とも。

宮城野と北青鵬は小学時代から交流があるため、いろいろ裏話を知っているようだ。それはマイナスとなることも多く、暴露を恐れて北青鵬に強く指導できないのだとか。宮城野もマネージャーの金銭持ち逃げ疑惑などトラブルをいろいろと抱えており、神経質なのだろう。北青鵬をできるだけ意のままにしたいだろうが今後によってはどうか。


白鵬のマネージャーだった元光法。一体どこへ消えたのか

ただ北青鵬だけがそれほどの内容を一人で知っているというのも疑問だ。今回の騒動も本来の目的は宮城野にあるのかもしれない。白鵬と反目する協会幹部の情報ともいわれるが、幹部に限らず白鵬に含む所ある人間はいるはずでかなり盛っている可能性もある。先ごろ亡くなった日大の田中英寿関係のつながりもある。いずれにせよまだ先の話か。

それよりも気になるのは、宮城野は少年相撲大会の『白鵬杯』で有望少年を囲い込んで弟子にする流れを構築したが、それと別にモンゴルの有望株に日本で中学→大学を過ごさせ、北青鵬のように外国出身力士枠に縛られずに入門させるルートを作ろうとしていること。すでにその計画によって数人が中学から相撲留学をしているとか。


白鵬杯は相撲協会が後援していない。協会内での白鵬の立場を表しているのか

外国人は1部屋1人のルールだが「10年以上の日本在住歴で外国人としても外国出身力士扱いしない」という規定によって、このルールを潜り抜けることが可能だ。これが北青鵬は日本人扱いとなる根拠である。「10年」の根拠は今一つ分からないが、帰化や永住許可申請の要件も同じく在住10年である。おそらくこれに倣ったのか。白鵬はこのルールの裏に目をつけてか、すでに入門を見越した留学ビジネスを始めている。

白鵬は過去人種差別問題やボイコット関係でも騒動を起こしている。これは大相撲という枠にとどまらず国際的な問題になる可能性もあった。協会もこの件で外国人を入門させることのリスクなど、かなり身に染みたのではないか。現在外国人枠が空いている部屋もあり、ある意味完全な歓迎ではない。外国人は採用しないと公言する部屋もある。

現在外国人関取も一時より下火となり勢力としては下降である。これは当然2002年に新設された1部屋1人ルールの影響もあろう。白鵬日馬富士鶴竜ともこのルール以前の入門であり、ルール以前の現役最後の外国出身力士が白鵬であった。

宮城野は将来の理事長に向けて、派閥に近いグループを作りたいことは予想でき、過去貴乃花が失敗して退職までいっただけに慎重にもなる。今回の理事選でも一部立候補が取り沙汰されたが結局動きはなかった。北青鵬の問題も理事選絡みでの怪情報という話もある。過去の相撲界でも理事選前に不穏な動きや引退があることが多い。

モンゴルと言っても必ずしも宮城野寄りではなく、照ノ富士などは白鵬と距離を置いているようだ。白鵬自体様々な問題があっただけ白鵬に否定的な力士もおり、これは今後の宮城野にとってハードルとなる。そこで自らの息のかかった有望弟子を大量に相撲界に送り込むことで第二の白鵬時代という野望を実現させようとするのではないか。それは日本人では怪しく、事実現在の弟子もケガにより苦労している。そこでモンゴル人ということだが現在の規則では不可能。だからこそ相撲留学という手段を使うのだろうがどこまでうまくいくか。白鵬杯も評価すべきところもあるが、協会としては白鵬が得をするだけという考えも多いようだ。


宮城野は今でも大横綱であるという自負は大きいはずだが、親方としては大勢の1人という意識はどれほどあるのか。あくまで委員待遇年寄で親方歴は2年半ほどの若輩である。ある意味自分の目標のために弟子を利用し、協会をわが物にしようともする宮城野の行方は注視すべきだろう。


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