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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉞

「「当たって砕けろ」精神を心から後悔」


今日は二女の年少組さんの遠足です
一緒に動物園へ行きます。
みんなはお母さんやお父さんと一緒に
うれしそうにバスに乗りこんでいます。
が、私は、バスには乗れません。
いったいどのようにして動物園まで行ったのでしょう
すっかり忘れてしまいました
どなたか付き添いのお父様にバスに乗せていただいたのかもしれません
もしかしたら、自分の車に娘を乗せて
バスの後をついていったような気もします
ま、いいか

とにかく動物園に着きました
先生が
「では、ここで自由行動になります。」
「自由に見学をして、お昼はそれぞれお弁当をたべて〇時にここに集合してください」
楽しそうな親子連れが思い思いに散っていきます。
先生たちもどこかへ
「え・・・?」
周りは急な坂だらけ、
お弁当を詰めたリュックを車椅子の後ろに背負って
娘と二人呆然と動けずにいました。
「どうしよう・・・」
するとその時、後ろで一人のお父様が
「まったく!無責任だな~!」
「どういうつもりなんだ、先生たちは」
と憤慨しながら
「一緒に行きましょう!」
と車椅子を押してくださいました。

自分の娘さんの付き添いで動物園に来たのに
ずっと私に付き添って、車椅子を押して歩き
車椅子ではとても行けそうもないような急な坂道や階段では
お父様が私をおんぶして、お母様が車椅子を持って、子供たちを連れて
汗をびっしょりかきながら動物園をまわってくださいました
「すみません」
「ありがとうございます」
お父様の背中で私は何度も繰り返していました
そして、みんながライオンバスに乗るときは
娘も一緒に連れて行ってくださったのです。

私は
「もっとちゃんと考えて来ればよかった」
「おばあちゃんに来てもらえばよかった」と
この時ばかりは「当たって砕けろ」精神を心から後悔していました。

この心優しいご家族と、力持ちのお父様のおかげで
無事に、二女の初めての遠足を終えることができました
「ありがとうございました」
心からの感謝でいっぱいです
 
さて、いろいろありましたが、いよいよ今度は
長女の卒園式です


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