あつしさん

1950年1月東京生まれ。1968年4月早稲田大学第一文学部東洋史学科入学。早稲田大学…

あつしさん

1950年1月東京生まれ。1968年4月早稲田大学第一文学部東洋史学科入学。早稲田大学中国研究会に所属。2010年1月定年退職後、2015年8月中国大連の遼寧師範大学に留学し、中国語を再学習し、以降2019年迄中国各地の日中戦争など近現代史史跡を訪問し、現代中国の現状をみてきた。

最近の記事

「今、いのちがあなたを生きている」について

東本願寺親鸞御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」について  このことばに出会ったのは、2007年3月迄いた京都の頃ではないかと思う。しかし実際にこのことばを意識して、ひとの生き方を明瞭に表現し、ひとのこころを動かすとても意味深い標語だと考え始めたのは、昨年(2011年)3月11日東日本大震災の翌週に京都出張からの帰り道に東本願寺前を通りかかった時であった。これは凄い言葉だと直感的に思い、このことばを忘れまいと念じながら、帰京したことを忘れない。  この文言は、も

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         日本の戦後は8月15日から始まるが、中国では9月9日南京における日本軍による中国軍への降伏式典から始まる。日本軍は武装解除と捕虜収容として連行されるわけだが、一般の日本人居留民はどうなったのかについて、これまでに考えたことがなかった。 偶然中国で最も大きなウエッブサイト「今日頭条」に以下のような記事を発見した。 ここでは南京政府が、2万人強の日本人居留民に対してどのような政策とどのような処遇を行ったのかの一端を知ることができたので、紹介したい。  それは「自愿」、自己意

        • 「沢田教一展〜その視線の先に」〜「戦争で最初に犠牲になるのは真実である」〜

          「沢田教一展〜その視線の先に」 〜「戦争で最初に犠牲になるのは真実である」〜 ピューリッツァー賞受賞者として知られるアメリカUPI通信社専属カメラマン:沢田教一氏の写真展が開かれていると聞き、最終日の本日(2017年8月28日)、日本橋高島屋8階を訪れた。 会場は最終日とあって、多数の来場者で溢れていたが、ほぼ私と同世代の女性らが多かった。ベトナム戦争が激しさを増す1965年頃に青春時代を過ごしたご婦人達にとって、沢田教一氏の記憶はとても拭い去れない存在だったに違いない。

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          旧満州訪問記〜侵華日軍731部隊罪証陳列館

          旧満州訪問記〜侵華日軍731部隊罪証陳列館   2015年夏に大連にある遼寧師範大学の短期留学時の週末に訪問した、哈爾浜(2泊3日)、長春・吉林(2泊3日)、瀋陽・撫順(2泊3日を2回)、旅順(日帰り2回)の経験をベースに、本年3月下旬から4月上旬に友人4人と11日間の旅程で旧満州への旅を企画した。その主要な目的の一つが、その際訪問し改装中で見学のできなかった哈爾浜郊外平房にある「侵華日軍731部隊罪証陳列館」への見学であった。ここでは侵華日軍731部隊罪証陳列館について紹介

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          日本人慰安婦:「秋子的故事」について

          日本人慰安婦:「秋子的故事」について ~皇軍兵士宮毅一郎の「日記」から検証したいこと~ はじめに 本稿は、筆者がこの間訪問した南京利済巷慰安婦旧址陳列館に紹介されている「秋子的故事」に関心をもち、日本におけるこの事件に関する認知を調べてみたところ、全くと言いほど知られていないことを知りました。今日の時代環境~戦争とは何かを語りえる世代が圧倒的少数派へ~からその史的事実を検証したいと思い、まとめてみました。 まず「秋子的故事」に関する「史実」の現段階において判明したことを

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