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煙草とマッチとラベル収集アルバム

 煙草を吸っていた頃は、マッチもしくはライターは必需品だった。煙草を吸うには火がいる。そのための火種を持ち歩いていたわけだ。今思えば懐かしく感じるのだから人間は勝手なものである。
 もっとも、懐かしがっているのは僕だけで、まだ煙草と火種をセットにして持ち歩いている人は少数派になってはいるが健在。健康に良くないらしいが、なんとなく全滅してもらいたくない気もある(笑)。
 喫煙全盛期の映画を見ると、洋画邦画を問わずやたらと煙草を吸うシーンが登場する。登場人物の心理状態を煙草の吸い方で表現したり、男優も女優も喫煙シーンはやたら格好良かった。映画「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモンド、「ジャイアンツ」のジェームス・ディーン、「カサブランカ」のハンフリー・ボガードなどなど。
 映画の中どころか映画館自体が禁煙でなかったので、銀幕の中でも銀幕の外でも紫煙が煙っていたのである(笑)。世の中がそんな調子であったから、子どもたちも煙草に憧れのようなものを持ち、早く大人になって煙草を吸いたいものだと思っていた。少なくとも僕はそうだった(笑)。
 煙草の中でも、とくに父親がたまに持って帰る洋モク、MarlboroやLuckystrikeはパッケージも格好良く、香りも良くて空箱の香りを楽しんだ。

 そんな昭和はマッチ広告の全盛期。煙草に火を付けるだけでなく、炊事をするにも風呂を焚くにもマッチは欠かせない存在だった。欠かせないものが広告のための使われるのは世の常で、あらゆる業種で宣伝用のマッチが作られている。
 当然、広告効果を高めるためにマッチラベルの図案にも力が入っていた。まだ、デザインという業種が未成熟な時代、デザインというより図案といった方がぴったりくる。絵描きさんが頼まれて描いたという感じが多く、略画風の図案が多かった。 
 業種を問わず八百屋さんなんかも作っていた広告マッチだが、煙草との関係が深い喫茶店、バー、キャバレー、小料理屋、レストランなどの図案が力の入ったものだった。  

 そんなマッチラベルに魅力を感じて、子どもたちがラベルの収集を競った時期もあった。そんな時代の小さな収集アルバムが出てきたので絵にしてみた。それがタイトル画像に使った「マッチラベル収集アルバム」の絵。 

※タイトル画像はMarukimaruの自作ですが「しちゃうおじさん」プロデュースの「みんフォトプロジェクト」経由で自由にお使いいただけます。背景色のバリエーションも揃っています。その他にもMarukimaru作品が「みんフォトプロジェクト」にギャラリー展示されいます。

 


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