母、上京する。

母が来る・・・
めちゃくちゃブルーだった。
嫌な事をいろいろと言われるのかと、喧嘩も覚悟だった。
なんせ、5日間も一緒にいるのだ。ここ最近の暑さも手伝い、絶対に喧嘩になると思っていた。
5日間のうち、数日はディズニーランドへ。
これも、ほぼ強制(笑)
それも嫌だった。その後は、私が住むシェアハウスに来るという・・。
もう、勘弁してほしかった。正直面倒だと思っていた。

しかし。
私の憂鬱とは別に、喧嘩もなく思いやって過ごせたと思う。
これがびっくりだった。ずっと二人だときつかったかもしれないが、今回は幸いな事に弟も何日か付き合ってくれた。
弟には感謝だ。

東京に続けて住む事も、弟のお陰で何だかスムーズに言い出せたと思う。
そして功を奏したのは私があれだけ嫌がっていたシェアハウスに泊まった事だった。家の状態を見てもらって、ここは脱出しないとね。なんて会話もできた。
今年の1月に10日程で東京行きを決め、家を決めてから母に伝えて東京に来てしまった自分にとって、半年で帰ると言いながら(当初は本当にそう思っていたのだ)帰らない選択をした事に、申し訳ない気持ちがとてつもなくあった。
それが何となくスムーズに伝えられた事は私の中で大きな荷物を下ろせた感覚に等しかった。
しかし何故か、母を思うと涙が出る。理由はわからない。
今まで生きてきて、親孝行何かできただろうか・・。そんな意味だろうか・・。
涙は我慢せず、そのまま流しておこう。
涙が流れている間にふと気づいた事がある。
私は愛されているのだと。その琴線に触れて、涙が出ているのだと。

シェアハウスには伝言板なるものがある。そこには必要な連絡事項等を書いている。
そこに私は母が滞在する事を書いていた。それを目にした母は、私のコメントの隣にこう書いていた。「娘を宜しくお願い致します。」
他の部屋の家族も宿泊した事はあるけれど、そんなメッセージを書いていった親御さんは居なかった。
役目を終えるとそのメッセージは消さなければならない。
私はなんだかそれをそのまま消すのが勿体なくて、写メを取った。
私は愛されてたんだな・・。

これは、物理的に距離が離れたからこそ思う事なのだろうか。
そうであれば、凄く有難い気付きを貰えた私は幸せ者だと思う。

この思いに辿り着くまでは、今の自分は親不孝ばかり重ねるのかと悩んだ。でも自分の人生だから、やりたい事を今は選択したいという思いの狭間でとてもとても悩んだ。半年のリミットは迫ってきている。どうしようかと。
でも今回の事で、本当の意味でちゃんと決断できたと思う。

家族が健康でいてくれる事に心から感謝をして、東京で今は頑張ってみるよ。
ありがとう。お母さん。

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