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なかなか良い本

中原中也 全詩歌集<上>

世界は呻き、躊躇し、萎み、牛肉のやうな色をしてゐる。

然るに、今病的である者こそは、
現実を知つてゐるやうに私には思へる。

健全とははや出来たての銅鑼、何とも淋しい秋の夜です。

COURRiER Japonという講談社の
オンラインマガジンを購読しているんだけど
その中に著名人の本棚というコンテンツがある。
Amazon Unlimitedとかでも
無料で読めない本が読めるのでお得だし
全くハズレの月もあるけど
面白くて、実際に購入するものもある。
※本棚の紹介本は閲覧期限がひと月なのだ

ハートをぶち抜かれ❤️たのは
泉谷閑示(いずみやかんじ)さんという
精神科医の「普通がいいという病」


私の主治医もなんだけど
健常者でも悩むし、バイオリズムがあるから
ちょっと不調が続いたくらいでは薬を増薬してくれません。笑
そこが好きで信頼してるんたけどね。

よく「お医者さんて頭いーじゃん」

先生でもうおー‼️
今日は書類仕事無理‼️

…とかあるんですか?w
…とか聞くと、
えー。医者も馬鹿いるし、そりゃ
集中力ない時私もあるよーとか言っちゃう。
自然体で柔らかくね。

この対応で思い出した。
私は有料老人ホームの受付やってたんだけど
「受付」って入居者様にとって
「ホームでない特別な空間」なのよね。
介護士じゃない人が接してくれる
サロンみたいな場所でもあるのよ。
脱走事故とか起こさないよう内心ヒヤヒヤしつつ
入居者様を敬いながら等身大になって接するの。
(ホテルのフロントマンとかデパートの
  インフォメーションセンターみたいな感じ)
それって患者として病人じゃなくて
常人として扱われてるようで自尊心みたいなのを
芽生えさせるテクニックなんだろうなー。
…なんて、自分の経験とリンクさせて先生の心を内観した。

…で、本の話しに戻るけど
牛肉のような色ってすげーよくわかる私は
狂人の面も持っている。
センシティブな人間にとって社会は残酷で血なまぐさいのだ。
地下鉄のモアモアした生肉のような
臭気を色で著したんじゃなかろーか。

中也氏はそんな近代の世の中こそ狂人を
生み出しているということを嘆いているのだろう。

私は家の中に居れば正常。
犬と居ればご機嫌。
本を読む時の読解力も優れてると思うし
森の中に居ると更に心は清くなる。
めちゃくちゃ無害の、心優しい人だ。

だけど、「ノーガード」で
社会に入ると狂人化してしまう🤣
ただそれだけだ。

なのでこの本を読んで
「普通じゃなくていいや」と思った。
なのでこの本を読んで
「他人が望む私じゃなくていいや」と思った。
そしたら自分の中の
自分へ愛を送る源泉が目覚め始めた。

そうそうこれが私だった。

私は不思議な子供だった。
印象に残りやすい子供だった。
感じやすい子供だった。
小学校の校長先生が異動されるときに
涙ながらに壇上で語った思い出話し。

「校長として赴任してきた私は
  実はとても緊張して重い気持ちでした。
  しかし、ひとりの児童が駆け寄って笑い掛け
  私に金木犀の花を渡してくれたのです。
  こんな風に迎えてくれる子がいるのかと思うと
  不安は消え、使命感が湧きました。
  それは、ゼブラさんです。」

シーン


確かに校長先生に金木犀渡したの覚えてる。
なんか、可哀想に見えてモヤモヤが視えて
いても立ってもいられなくて
思わず金木犀のひと枝を差し出したのだ。

これが私のマジックで生まれ持ったギフトだ。
私はおそらくこの才能を活かす道へ進む為に
色んな体験をしたんだと思うし、これからも通るんだと思う。

そして狂人のあなたへ届けたい。
狂ってるのは、麻痺してるのは、傷んでるのは
あなたじゃなくて世の中の方かもしれませんよって。

おやすみなさい☾ᐝ

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