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MOPS

IIJANAIKA/御意見無用[71]MOPS
東芝音楽工業株式会社/LIBERTY(FIRST PRESS ORIGINAL)*見開き


*[ULTRA RARE/MEGA RARE/Trading At A Higher Price!/It does not come out rarely!/It is Amazing Sound Pressure!]

[IIJANAIKA/御意見無用]はMOPSのサード・アルバムに当たる作品です(スプリット・アルバム除く)。先行Single「御意見無用」(日本語版)は1971年1月、「月光仮面」は同年3月15日に発売されました。ザ・モップスはもともと日本ビクターから1967年11月に、シングル「朝まで待てない b/w ブラインド・バード」で日本初のサイケデリック・ロック・バンドとして売り出され、シングルはオリコン38位の中ヒット、1968年4月発売のデビュー・アルバム『Psychedelic Sound in Japan/サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン』は全12曲中当時の英米サイケデリック・ロック(アニマルズ、ジェファソン・エアプレイン、ザ・ドアーズなど)のCoversが6曲、オリジナル曲6曲と'60年代の日本のロック・アルバムではよくある構成ながら、オリジナル曲の出来の良さで1980年代後半から英米の'60年代ロック・マニアに注目され、むしろ海外で再評価されたことから日本でも見直される存在になりました。CD化前にオークション・サイトでは600ドル(60万円!)ものPremium Priceがついたという伝説を残しています。グループ・サウンズ・ブームの最中にデビューしたザ・モップスですが音楽性・ルックスともにアイドル性は稀薄で、1969年には多くのバンドが解散していく中オリジナル・メンバーのベーシスト、村上薫が脱退します。サイド・ギタリストの三幸太郎がベーシストとなり活動を続けるもVictor Company of Japan(日本ビクター)との契約は打ち切りとなり、4人編成のバンドは定冠詞を外してモップスと改名し、東芝音楽工業傘下のExpress Labelからシングル1枚と4バンドによるスプリット・ライヴ盤『Rock 'n' Roll Jam '70』(2LP/1970年4月発売、A面モップス、B面ハプニングス・フォー、C面ゴールデン・カップス、D面フラワーズ)を経て、LIBERTYからセカンド・アルバム『Rock 'n' Roll'70』(70年6月発売)で再デビューを果たします。1970年にはほとんどのグループ・サウンズ系バンドが解散・消滅していたのを思えば、1970年の再デビュー以後に本格的な活動をなし得たモップスは'60年代デビューのバンドでも例外的に息の長いキャリアをたどったバンドでした。モップスは1974年に鈴木ヒロミツのタレント活動、星勝のアレンジャーとしての大成とともに解散へ向かいましたが、'70年代前半の日本のロック・バンドでモップスほどの実績を残せたのはごく少数のアーティストしかいません。(御意見無用)は英語詞ハード・ロック(冒頭のリフやアレンジは当時の国際水準でもトップクラスです)なのにサビでは唐突に阿波踊りのリズムとお囃子になる、あまりに先駆的で斬新なEthnic Rockの試みを行ってバンドにとっての自信作でしたが、やはり東洋音階のリード・ギターに英語詞を乗せた現在でこそ欧米では日本産ロックの最高峰とされているヘヴィ・ロックのFlower Travelin' Bandさえ当時は過小評価されたほどなので、モップスの英語詞ハード・ロックと阿波踊りの融合は一種の色物と見られてしまいました。モップスはファッション・センスや鈴木ヒロミツのタレント性とともに、軽佻浮薄なヒッピー風俗を象徴するバンドとして同じプロダクションの後輩・和田アキ子さん主演のアクション映画にも起用されています。アルバム発売前には、日本語詞ロックの試みとしてアルバム『御意見無用』では英語詞で収録された(御意見無用/アローン)も日本語詞でシングル発売されていました。日本語ヴァージョンも楽曲・アレンジの鋭さもあって優れた(日本語詞ハード・ロックとしても面白い)出来なのですが、当時の日本語ロックでは硬派の頭脳警察、軟派のはっぴいえんどが評価されていたのに対して、モップスの日本語ロックの試みはまるで話題にも評価の対象にもなりませんでした。

御意見無用(いいじゃないか)
タウン・ホェア・アイ・ワズ・ボーン
グッド・モーニング、グッド・アフタヌーン、グッド・ナイト
ノーボディ・ケアーズ
月光仮面
トレイセス・オブ・ラヴ
トゥ・マイ・サンズ
ノー・ワン・ノウズ・ワット・ゼイ・ワー
アローン

[ Mops ]
鈴木ヒロミツ - vocals
星勝 - guitar, vocals
三幸太郎 - bass guitar
スズキ幹治 - drums

https://youtu.be/H9phOgqwXCc

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