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秋のよう。あなたと見つめる、行く道の先。

あなたの傍に身を寄せて、あなたの膝に身を委ねます。
嬉しい時だけでなく、悲しい時だけでなく、どんな時にもあなたと過ごす日々に感謝したいのです。あなたは、わたしの行く道を導き、わたしはあなたの示す先を見つめます。
今は一歩が出ないけれど、いく道を知っているだけで安心することが出来るから。ただそれだけで、心は落ち着きをとり戻します。


見上げれば秋の風に揺れる街路樹、コツコツと歩くアルファル、重く引きずる足取りは病院の玄関へと向かう道。やっと受付を済ませ、腰をかけるソファーに一人きり「やっと来れた」と安堵するわたし。呼ばれる診察室、手際悪くあたふたとするわたしを優しく迎えてくれた女医さんの笑顔。

「今日わたし嘘をつきました「熱が出ましたから病院に行ってきます」と言ってきました。発熱したことにしないと出勤しろと言われるから。わたしは限界を感じています。この疲れはどこから来ているのでしょう?どうしたらいいのか知りたくて先生のところに伺いました。」と言い終える。

先生は、そっとわたしに「今日は診察の後、家でゆっくり休みなさい。あなたは休む権利がある。仕事をやめる権利もある。それでもあなたは家の事情で辞めないだろうから…もし、とても辛かったら、診断書を書いてあげるから1ヶ月でも3ヶ月でも休みが必要ですと書いてあげるから」と仰ってくださいました。その言葉が嬉しかった反面、わたしは鬱なのかなぁと考えました。
頑張りきれないわたし、そっと包み込む大きな腕をイメージする、わたしは目をつぶり、大きく、深く、深呼吸する。壊れていく一つ一つのパーツを拾い集めて、抱きしめてあげる。

古いフイルムを映写機で観ているように、カタカタとわたしの想い出が頭の中でめぐりはじめました。あぁ戻りたいあの頃に、の中のわたしは若いお母さんで、幼い子どもの目線で顔を寄せ合って笑っている。
芝生の広場の公園であなたも子どもと追いかけっこして笑っている。とうとう捕まった息子も悔しがって笑っている。公園の青空に羽ばたく鯉のぼりと緑の芝生に寝転ぶ親子、汗ばむ頬を優しく撫でる新緑の季節。
今は、歳を重ねてかけ抜けてきた秋の様。黄色や紅く艶やか彩る葉がやがて彩度を落として冬支度。
そうね、あなたと一緒に冬の魅力を見つけましょう。嬉しい時も、悲しい時も、若い時も老いた時も、どんな時でも感謝することを想い出したい。

それが、わたしの喜び、あなたと見つめる、行く道の先。








最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルの写真は
スナフ 様 の写真を使わせていただきました。
スナフ 様 ありがとうございました。






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