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BBQの話

お前、僧侶のくせによくそんなタイトルの書き物ができるなという読んでくれている皆さんの声が聞こえてくるようです。



■外で食う飯は美味い

多分日本人のDNAレベルでそのように設計されているという話で、外で食べるだけでご飯は美味しい。
で、必ずしも肉を焼くことだけが全てではない。

例えばピクニック、この言葉を聞いて思い浮かべるものはある程度共通ではないだろうか。どこで売っているのかわからないピクニック以外で見たことない上部左右がパタパタ開く謎のバスケットを持って、小高い丘の上で、誰がこんな都合の良い所に絶妙なテーブルとベンチ作るんだよってな設備に一切の疑念を抱かずに座ったと思ったら「見て!テーブルの上めっちゃデカいアリいるよ!」

これが僕たち人間だよ。

だが、それでいい。むしろそうでなくてはならない。朝起きて、大急ぎで何か腹に入れねばと、とりあえず焼いてマーガリンを塗って貪るだけの質素な食パンとは違う。
ハムだのレタスだのトマトだのを挟んで、場合によっちゃ卵とかアボカドとかも挟んでるかもしれない最高級自家製サンドイッチを作ってわざわざ小高い丘を登ってきたのだから。テーブルにいるデカいアリで騒いでもいいのだ。そのときの君たちのピクニックは世界で一番楽しい時間だ。

そう、外で肉を焼いて食べることだけが至高なのではない。ちょうどいい気候の中、自然の中で食べるサンドイッチだって当然に最高なのだ。
飲み物だってそうだ。ジリジリ焼くような強い日差しを浴び、額には汗がにじんでいて今にも滴り落ちそうな、そんな暑い中で飲むビールが美味くない訳がない。
想像してごらん、右手にビール、左手に屋台の牛串。ヤバいって。こんなんめちゃくちゃ最高。ヤバいって。語彙力。

■なぜBBQは最高なのか

まずもって炭火が良い香りすぎる。唯一無二だ。炭火ってどうしてあんなに良い香りがするんだろう。と思って色々ググってみると「炭自体にそんなに強い香りはない」「アレは炭に落ちた脂分や水分が蒸発して云々」と詳しく書いてあった。仕組みはどうでもいい。炭火最高。4文字で収めたい。

火起こしから楽しいのがBBQの最高なところだ。
ゆっくり火が立ち上り、徐々にその表情は情熱的な赤へと変わっていく。炭火は良いなあと見つめていると時折パチッと音を立てて火の粉を散らし返事をしてくれる。「こらこら、火の粉をこっちに飛ばしちゃあいけないよ。火傷しちゃうからnうわあああっちー!あーっつ!あつ!っざけんなくそ!あっつー!」

そんなやり取りをしているとあっという間に季節は移ろい、炭の表面は冬を知らせる新雪が積もり始めたかのように白く変化してくる。炭からの合図だ。「準備はできた。さあ、焼いてくれ。肉を。」

もう少し燃焼が進んでガラガラと崩れていく君を見るまでは焼かないよ。

もう火起こしだけで楽しい。本当に楽しい。というか火起こしが楽しい。

■炭火焼きという文字の魅力

もし僕がお金なくなって、米しか無い状態になったら間違いなく焼肉屋へ向かうだろう。ダクトからの焼肉の匂いを…などという下品な話ではない。僕は茶碗にご飯を盛って看板に毛筆フォントで描かれた「炭火焼き」という字面を見ながら外で正座して咽び泣きながら米を喰らうよ。そのくらい炭火焼きという言葉は強い。


■蚊に刺されるじゃないですか

そうだよ。刺されるよ。だから何だって言うんだい。
蚊に刺されるのが怖くてBBQができない?そんな話あるか。生野菜協会の回し者かお前。

蚊取り線香をゴリゴリ焚いて、滴るほどに蚊よけスプレーを全身に吹き付けて玄関のドアを思いっきり蹴っ飛ばして開けろ。最高の未来は君の家の庭にこそある。へこんだドアもそこにある。


■フライパンで焼くなんて、もったいない!

肉を焼いて食べる、いわゆる焼肉というのはフライパンで焼かない方がいい。残念な仕上がりにしかならないからだ。それぞれに最適な調理の環境と方法がある。焼肉に適したお肉であればある程、もったいない。

それはまるで船上で釣ったばかりの新鮮なお魚を前に
「マジックソルトで味付けした唐揚げが一番美味いから全部唐揚げにするね」というあたおか漁師の暴挙のようなものだ。そこは生で行くべきだろ。

家の中ならせめて脂の落ちる焼肉用グリルで焼いてほしい。でもやっぱり、外で、炭火でしょ。さあ、火を起こそう。革命の。


■野菜だって炭火の方が美味い

気がする


■片付けも

頑張りましょう


■肉の話はないのか

好きな肉を焼けばいい、肉屋の肉でもスーパーの肉でも構わない。

炭火で焼いときゃ何でも美味いし、みんなで食べるともっと美味い。BBQってそういうもんでしょ。知らんけど。






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