どう話しても無理な状況というものはある。

これは最近くる常連の客……ですらない話。

ある日のこと、入店するや受付のレジをつっきり、いきなりマット席のブースに入り、寝だす。

我等店員もポカーンとしているわけにもいかないので、レジにくるように促したりしたが全部無視。結局、警察を呼び、外に出した。

そして次の日、またやってきた。いきなりブース内に、入るとタバコをつけだす。禁煙の席で、灰皿も持たず。

タバコ落とす。マット焦げる。注意する。全部無視。警察を呼ぶ。外にだす。

テンポの良い感じに思われるかもしれないが、1時間以上の攻防だった。

そして次の日、またやってきた。エヴァの使徒襲来みたいな緊張感だ。

いつものように、ブース内に入ると、タバコの火、今度は勝手にお菓子棚から料金を払わずに、お菓子を食べだす。
注意する。全部無視。警察を呼び、外に出す。

これが1週間以上は続いた。やっかいなのは、お金がないわけではなく、警察を通してお菓子代などを頂いているので、警察も「外に出す以外は難しい」とのこと。マットを焦がしたことに関しても「わざとではないから」とのこと。
絶望しかない。

その後は、こなくなったと思っていたら、最近、ドアに誰かがぶつかる音がしたり、ドアがガンガンと激しくなることが多くなってきた。
様子を見に行く。そこには件のやっかいな奴がドアを開けようとしているのを、警察がひっぺがそうとしているのだ。

ここ最近襲来してこなかったのは、警察が一生懸命抑え込んでいたためだった。
感謝しかない。

それから全く音沙汰はなくなったのだが、焦げたマットや、壊れたドアなどが思い出の一部として未だに店には残っている。

※面白かったらサポートをお願いします。１００円からできますので、うまい棒をぜひ私に。