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タブーな本150冊【2018年7月号第1特集】

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記事一覧

サイゾーの校閲は“冷めた目”で!?――言葉狩りか炎上対策か、校閲モンダイ最前線!

――いつしか日常的になった“炎上”という言葉。個人や企業のSNSをはじめ、ウェブメディアのニュースの見出しだけでも燃え盛ってしまい、その影響はネットに限らず、印刷物にまで波及している昨今。「この言葉は危険」「その表現は叩かれる可能性」――そんなことが赤字で指摘される“校閲”という作業の現場において、いま何が起きているのか?

『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』によって、広く知られることになっ

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村上春樹からノーベル賞受賞作家まで!――泣く子も黙るミチコ・カクタニの書評6選

――ミチコ・カクタニの難解な英語表現はハイブロウで読み応えがある「アート」としても捉えられ、取り上げられた本は読まなくても、カクタニの書評だけは読みたいというファンも生まれたほど。そんな、彼女の酷評と絶賛を「未翻訳ブックレビュー」運営者の植田かもめ氏に選んでもらった。

【1】日本を代表するハルキ・ムラカミにも容赦なし!
『The Wind-Up Bird Chronicle』

Haruki M

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日本の新刊紹介よりも読み応えアリ?――批評に激怒した作家が差別発言! 公正無私にけなす(?)米国の書評

――オススメ本の紹介に成り下がった感もある日本の書評欄。その一方で、米国にはかつて作家から恐れられる女性書評家がいた。彼女の書評で作家は一喜一憂したらしいが、なぜ、そんなに影響力を持てたのだろうか? そんな日米の書評文化の違いと、これからの書評の在り方を考察していく。

ミチコ・カクタニの引退を報じる、さまざまなメディアでカクタニの写真として使われているので、多分本人と思われる。(写真/Gett

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人知を超えた文芸の極北――タブーなき想像力が創り上げる“ヤバイSF小説”の耽美な世界

――NetflixでSFドラマ『ロスト・イン・スペース』、Huluでも『マイノリティ・リポート』などの作品が人気を博すなど、盛り上がりを見せるSF。だが、映像のSFとSF小説は似て非なるものだとの見解も多々あるという。そんなSF小説において、“プロの読み手”3人が選りすぐった、タブー破りの作品には、尋常ならざる世界が広がっていた!

現在の日本社会では、いたるところに監視カメラが設置され、我々の一

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部門が細かすぎる! アメリカのLGBT文学賞



 前記事「もはやLGBTの枠組みをも崩す!――三島由紀夫はゲイを見下した!? LGBTと日本近現代文学(秘)史」では日本文学とLGBTの関係について探ってきたが、当然、海外でもLGBTと密接な関係の文学作品は生まれてきた。それだけでなく、例えばアメリカにはLGBTを扱った優れた著作に与えられるストーンウォール図書賞やラムダ文学賞という文学賞も存在。前者はALA(アメリカ図書館協会)の下部組織G

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もはやLGBTの枠組みをも崩す!――三島由紀夫はゲイを見下した!? LGBTと日本近現代文学(秘)史

――近年、欧米発のLGBTという概念が日本でも急速に浸透していることを実感する読者も多いだろう。だが、その言葉が登場するはるか前から、日本で同性愛を扱った文学作品は数多く生まれ、その描かれ方も進化してきた――。近現代文学史においてLGBTの表象がどう変容したのか、考察していきたい。

谷崎潤一郎『卍』は1964年に初めて映画化された。監督は増村保造、主演は若尾文子と岸田今日子が務めた。こちらはDV

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黒人から逆差別を受ける白人も!――オバマが黒人差別をこじらせた!? アメリカ人種問題の今をえぐる本

――繰り返される白人警官による黒人射殺事件と、それに対するBLMという抗議運動、白人至上主義者とその反対派との激しい衝突……。近年、アメリカでは人種をめぐる差別や対立が噴出しているように見えるが、その構図はかつてより複雑化しているという。この国における人種問題の現状を本を通じて探ってみたい。

銃社会や人種差別を痛烈に批判したチャイルディッシュ・ガンビーノのMV「This Is America」。

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南北融和が新たな差別を生む? 脱北者たちの告白本

――朝鮮半島の争いの歴史の証言者として、北朝鮮から亡命した“脱北者”は無視できない存在。ここでは、彼らが韓国などで出版した告白本を紹介しよう。

『脱北者たち』(駒草出版)

 朝鮮半島の現在進行形の歴史を語る証言者として、欠かせないのが、北朝鮮から韓国、もしくは海外に亡命した“脱北者”たちだ。脱北者の数は増え続け、現在では韓国に3万人以上が住んでいるとされている。そんな彼らがその体験を綴った書籍

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話題沸騰! 映画『タクシー運転手』の事件本も……冷戦で分断された“恨”島の歴史。韓国の近現代を知るための1冊

――南北首脳が握手を交わし、友好ムードがたかまる朝鮮半島。そもそも南北の分断など、われわれは彼の地についての今を正確に知っているだろうか? 冷戦による分断から韓国の独裁政権とそこで起きた事件、歴代大統領の謎の死や、日本を動かした在日人脈などのキーワードで彼の地を捉え、今後の東アジアを読み解くための本をラインナップしてみた。

朝鮮戦争以来、数々のいざこざを起こしてきた板門店。韓国側から北朝鮮側を望

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声優新書はオタク以外が読んでも楽しめるものなのか? 現役声優と声オタによる匿名本音レビュー

――前記事「岩波書店の参入で、ジャンルとして確立された!?――事務所ビジネスの闇は書けない? 人気声優の新書が増えたワケ」にも登場した現役声優に加え声優オタに、それぞれの観点から声優新書(+単行本)を本音でレビューしてもらった。
※レーダーチャートの数字は両者の意見を参考に、編集部で独自に算出

■声優新書の始まりにして、痛快
『声優魂』

星海社/2015年/820円(税別)

[著者]大塚明夫

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岩波書店の参入で、ジャンルとして確立された!?――事務所ビジネスの闇は書けない? 人気声優の新書が増えたワケ

――大塚明夫、森川智之、岩田光央……それぞれ長いキャリアを持つ人気声優だが、いずれも近年、自身の名で新書を発表している。ほかにも、梶裕貴が新書のような単行本を出版するなど、声優ブームを反映するかのように、声優を著者とした書籍が続々と刊行されている。関係者に話を聞き、その理由を探った!

ここ数年で発売された声優関連の書籍。声優本人や声優事務所の役員などが著者の新書や単行本が発売されている。

 近

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【Hカップ・鈴木ふみ奈】巨乳が本に襲われた!? 星新一を悩殺する完璧ボディグラビア!

【拡大画像はグラビアギャラリーでご覧いただけます。】

(写真/斎藤大嗣)

――「作家の星新一さんが好きなんです!」と笑顔で話す、読書好きグラドルとしても知られる鈴木ふみ奈ちゃん。最近は小説に限らず、仕事の効率化を図るためにビジネス書も読みまくっているそう。特集のグラビアにふさわしい逸材に、あらゆるシチュエーションで本とたわむれてもらったよ!

 2012年3・4月合併号の表紙から早6年、今やグ

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【海猫沢めろん×田中 潤】企画臭ただよう怪しいAI本にご用心!――まるで都市伝説なトンデモ本も! AI本が説く人類の「幸福論」

――AI(人工知能)がいよいよ身近になってきた昨今。とはいえ、まだそれが我々の生活をどう変えるのかは未知数だ。そんな中でさまざまな解説本が出版されているが、どうやらそれも玉石混交の様子……。中には明らかなトンデモ本も存在してる。果たして、本当に読むべき本はどれなのか――?

さまざまな方面から注目されるAIの技術。本企画で紹介した本をマッピングしてみると、その傾向がよりわかりやすくみて取れる。

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EXILEが愛読するビジネス書とは?「読書はいわば心の筋トレなわけです」EXILE・橘ケンチ流自己啓発本ノススメ



――昨年の「本」特集でも好評だった「EXILEと読書」企画の第2弾。今回は、読書家として書店イベントを開催するなど、EXILEのイメージから少々かけ離れた活動を積極的に行っている頭脳派パフォーマー・橘ケンチ氏にご登場いただき、その読書愛を語ってもらった。EXILEの精神を支える本って、どんな本なんですか? 教えて! ケンチさん!

 本誌恒例の「本」企画に17年、泣く子も黙る国民的ダンスボーカ

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