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「山口組」学【2015年11月号第1特集】

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記事一覧

暴排条例で変化するヤクザ報道の構造 新聞は大本営報道ばかり!?加熱するヤクザ報道の深層

――山一抗争勃発時は、実話誌やヤクザ系専門誌も多数発行され、圧倒的な売り上げを誇っていたという。そして現在、山口組分裂騒動が巻き起こり、雑誌不況で風前のともしびとなった各週刊誌が、にわかに活気づいている。なぜメディアはヤクザを追うのか? ヤクザ報道の歴史と変化を追いつつ、その謎を紐解いてみた。

(絵/我喜屋位瑳務)

■暴力団との関係性で表に出せないネタも
実話誌
毎週のように山口組関連の記事を

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初体験は中2で体育教師と☆ ヤクザよりも壮絶!! 【ランジェリーヤクザ】って何者だ!?

「元カレが銃刀法違反で逮捕されて……」――かなり重い話だが、笑みを浮かべながら過去を振り返るランジェリーヤクザ。そのインパクトのありすぎる名前を背負い、彼女は神戸を活動の拠点に、レゲエダンサーとして活躍している。その名の由来と、“普通”の女の子らしい半生を聞くつもりが……実際は、それらを凌駕するほどの、とんでもない逸材だった。

(写真/諏訪稔)

 ランジェリー姿……というか、著しく布地の面積が

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暴力団員もやっぱり相続でモメるのか? シャブ密売の儲けも遺産になる !? 義理人情より重たいヤクザの相続

――暴力団員が銀行口座を開けない今、ヤクザの遺産はどこにあり、それはどう相続されるのか? また、遺産相続といえば一般人でもモメやすいが、ヤクザの身内ではどんなトラブルが起きるのか? ベストセラー『磯野家の相続』(すばる舎)を著した弁護士の長谷川裕雅氏に、ヤクザの相続問題について話を聞いた。

構成員のみなさんも、弁護士・長谷川裕雅氏のベストセラー『磯野家の相続』(すばる舎)を一読すべき!

 いつ

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なぜアウトローは、九州、関西に集まるのか? 地理学から読み解く日本ヤクザ史

――警視庁が発表する「暴力団情勢」には『指定暴力団一覧表』という項目がある。これを日本地図に落としてみると、あることに気づく。それは、日本国内における暴力団が九州、関西地方に集まっているのだ。では、なぜこの地方に暴力団が集まるのだろうか? 地理学から読み解いてみよう。

 構成員約3万人──。昨今の分裂騒動を見るまでもなく、ここまで山口組に注目が集まるのは、その巨大さと、日本全国に張り巡らされたネ

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五輪エンブレム問題が熱い今こそ知りたい!山口組代紋“山菱”は誰のもの? ヤクザに認められた著作権

――東京オリンピックのロゴをめぐる騒動では、デザインにおける著作権・知的財産権の問題についても、熱い議論が沸き起こった。そんな中、山口組の分裂騒動では、組織を離脱した神戸山口組が山口組伝統の代紋を使用していることが発覚。そこで今回は法の専門家である弁護士に、山口組の代紋の著作権について話を聞いた。

 アウトローの世界が好きな人なら誰もが知っているだろうが、菱形の中に“山”の文字が描かれた“山菱”

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警察に守ってもらえないから神頼み? 自分だけの“お守り”代わり!イレズミに見るヤクザたちの信仰

――自らの体をキャンバスにして豪快に描かれる“イレズミ”を見て、“ヤクザ”を連想する人は少なくないだろう。その絵柄の多くは、不動明王や天女をはじめ、神仏や神話上の生き物たち。そこには彼らなりの“信仰”が込められているのではないか……そんな仮説をもとに、イレズミの歴史をひも解いていこう。

イレズミの絵柄選びの参考に?イレズミ研究者が選ぶ“信仰的”絵柄4選――実際に彫る絵柄の信仰上の意味をひも解くと

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釣り情報に百名山の紹介、街の人の声もひろう……機関紙・山口組新報を徹底分析!

――一昨年の夏ごろに、突如発行され一部関係者の間で話題となっていた機関紙・山口組新報。司忍六代目の言葉や、川柳、時事放談などバラエティに富んだ記事が掲載されたその新聞を、ベテラン経済ジャーナリストが分析。その内容を解体していくと、山口組分裂の兆しが、そこかしこに見てとれた──?

【1】山口組新報創刊号の1面右上に掲載された「綱領」。「山口組は侠道精神に則り国家社会の興隆に貢献せんことを期す」とし

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実録系からヤクザBLまで……相手を脅すのに舎弟をボコる! 実録と小説の間にあるヤクザ文学

――エンタメ小説が隆盛を極めた戦後から、その奥底で人気を集めてきた任侠小説。それ以降も文学のトレンドの移り変わりにかかわらず、常に裏社会/ヤクザは小説のテーマになってきた。本稿では、対談を通してその歴史を紐解きつつ、作品紹介と共にヤクザ文学とは何か? を考察していく。

──本稿のテーマは「ヤクザ文学」。ここでは、自身もホストなどの仕事を介して裏社会を垣間見てきた小説家の海猫沢めろん氏と、ヤンキー

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巨大化しすぎた弘道会のカネと力が引き金に……原因は小泉構造改革!? 日本経済と山口組の関係

――前記事まで、山口組の歴史と分裂への軌跡をたどってきた。90年代以降、痩せ細っていく日本経済界において邪魔者とされたヤクザビジネスの変容は、ここまで見てきた通り。では、分裂の引き金を引いた具体的なきっかけはなんだったのか? さらに詳しく解説していこう。

『小泉政治の正体―真の改革者か稀代のペテン師か』(PHP研究所)

 山口組分裂の“根っこ”は小泉構造改革にある――。

 いきなりこんなこと

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高度経済成長で伸長、そしてバブル崩壊……ニッポン経済の盛衰から見る【山口組100年の歴史】と“分裂”

――初代・山口春吉が神戸に本拠を構えてから今年で100年。その実子の二代・山口登、飛躍を見せた三代・田岡一雄、凶弾に倒れた四代・竹中正久、その後を継いだ五代・渡辺芳則、そして分裂騒動を迎えた六代・司忍……。その歴史を、経済状況や暴対法、権力との関係で見つめ直す!

■正業という手法でヤクザ組織を近代化
【初代】山口春吉[在任期間:1915~25年]
旧来型の博徒集団ではなく、正業を持つ近代ヤクザ集

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ラップするホンモノの組長も実在! 【MC漢とD.O】がぶっちゃける“ラップとヤクザ”のウラ事情

――日本版ギャングスタ・ラップの立役者である漢とD.O。前者は新宿を、後者は練馬をレペゼンしながら、共にドラッグ、バイオレンス、セックスなど、アンダーグラウンドの現実を歌ってきたラッパーである。そんな2人のダイアローグを通して、日本におけるヒップホップとヤクザのリアルな関係をあぶり出してみたい!

(写真/岩根愛)

『ストレイト・アウタ・コンプトン』という、日本では劇場公開すら危ぶまれていた作品

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