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京都タブージャーニー【2016年8月号第1特集】

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2016年7月の記事一覧

京都にとって天皇は“神”なのか? 奈良・京都と天皇を結ぶ宗教的見地を紐解く

――日本の歴史をひも解くと、実にその半分以上の期間、天皇は京都に居を構えていたことになる。今では数多くの寺社とともに国際観光都市として名を馳せる京都において、天皇とはいかなる存在だったのだろうか? 日本史、そして宗教的な見地から見ていこう。

江戸幕府の将軍が京都に来た際の宿泊所として使われた二条城。(写真/永野一晃)

 京都と奈良──。この2つの古都は、かつて平安京と平城京という、天皇と時の政

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海老蔵が事件後にさっそくハッスル!ジャニーズJr.がタニマチ探し!? 芸能人・京都お忍び盛り場MAP

――古くから東映や松竹の映画撮影所があったり、ライブハウスやクラブも多いのが京都の街。東京ではお気楽に遊べない芸能人たちも少し気を緩めて騒いでいることも多いようだ。さらには、売れていない関ジュなどが「お持ち帰り限定飲み会」を盛んに繰り広げたり、現地の業界関係者と飲み歩く姿も見られるとか……。ここでは、そうした関西芸能人お遊び事情を掘り出し、京都の盛り場裏MAPをお届けする。

 1200年の歴史を

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岸田繁が寄贈したアンプは修理中…京都音楽の代表的バンド・くるりを生んだ軽音サークルの現在

――立命館大学の音楽サークル、ROCK COMMUNEはくるりが在籍していたことで知られる。そんなサークルの今の様子を確かめに行ってみた。

ROCK COMMUNEの練習場の様子。

 くるりやキセル、ママスタジヲらを輩出した立命館大学の軽音サークル、ROCK COMMUNE。練習場がある学生会館を訪ねると、部長の市川駿汰さん(3年生)が話を聞かせてくれた。

「今、部員は約25人、バンドは15

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音楽と学生運動の邂逅か、それとも極左暴力集団の巣窟か!? 京都大学・熊野寮に潜入取材!

――こちらの記事でも触れた通り、京都のバンドが学生運動に没入することもあった。その時代から新左翼運動の活動家たちが潜んでいるといわれてきたのが、頭脳明晰な学生たちが通う京都大学の熊野寮である。

京大の正門付近に立てかけられた物々しい看板(下)。

 2015年の安全保障関連法成立後に京都大学でバリケード封鎖して授業を妨害したとして、京都府警は翌年2月に中核派系全学連の学生らを逮捕。このとき、熊野

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裸のラリーズ、大沢伸一、くるり…バンドのメンバーが赤軍派に!? 知られざる“京都音楽”の歴史

――これまで京都からどんな音楽が発信されてきたのか? よど号ハイジャック事件に加わったメンバーもいた裸のラリーズから、ステージで放尿する非常階段、東京や海外と交感するクラブ・シーンにいた大沢伸一、メンバーの加入・脱退を繰り返すくるりまで、キケンな側面もある京都発ポップ・ミュージック史をソウカツ!

幻のバンドといわれてきた裸のラリーズは、全共闘時代である60年代後半に京都で結成された。

 京都発

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寺はドラッグの受け渡し場!? 芸妓さんは売春婦!? 外国人に聞いた「トンデモ京都観」

――実は京都は、海外ではあまり知られていない。知っている人がいても、何だかやけに偏ったイメージだ。そこで本稿では、日本にはほとんど伝わってこない、海外から見た京都のイメージを取り上げてみたい。

取材の前に、海外在住の外国人に「京都を知っているか?」と聞いてみたところ、2割の外国人にしか認知されていなかった。その後、渋谷の駅前で、観光客や日本で商売をしている外国人に街頭調査を行ってみても、4割にし

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「白足袋に逆らうな!」――京都の観光タブーを握る"仏教会"という存在

――こちらの記事で見てきた通り、観光の街として戦後花開いた京都だが、その内側にはいまだに多くのタブーを抱えている。ここでは、その中でも大きな権力を持つアンタッチャブルな存在にスポットを当ててみよう。

『京都ぎらい』(朝日新書)

「仏教会を敵に回したら観光が成り立たないから、京都市にとって京都仏教会に逆らうことはタブーなんです」

 京都地元メディアの編集者が耳打ちする。京都仏教会とは、宗派の枠

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“観光の街”というイメージは虚構!? 京都の知られざる都市計画史

――日本全国のみならず海外にも一大観光都市として知られる京都。だがその実、この都市が明治元年に首都というポジションを喪失して以降、現在に至るまでを経済的に支えてきたのが観光ではなく工業であることは、京都の外側の人間からはあまり知られていない。京都の意外な歴史を振り返りながら、この“古都”がいかにして作られてきたのか、そのためにどのように人とカネが動いてきたのか、関係者たちの言から紡いでゆく。

 

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【ANARCHY】故郷へ帰る――「ラップがなければ今はない」離れた土地から京都を想う<後編>

前編は<コチラ>から

――今や京都を代表するアーティストとして名を馳せるようになったラッパー、ANARCHY。そんな彼は京都府伏見区の南に位置する集合団地〈向島ニュータウン〉出身としてデビューを飾った。1977年から入居が開始されたその団地は、いわゆる一般的な集合住宅ではなく、低所得者層や在日外国人、ヤクザなどが多数居住してきた団地で、隣接するシンナー工場に勤務する住人が薬物中毒に陥ったことから

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