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「憲法論」再考【2015年9月号第二特集】

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記事一覧

【ジャーナリスト・猪瀬直樹】日本で憲法改正はできない―- 政治家が口を閉ざす日米関係の正体

――日本の近代化の歴史を長年独自の目線で読み解いてきたジャーナリスト・猪瀬直樹氏は、著作の中で憲法成立過程にも言及してきた。マッカーサーらGHQは、果たしてどのように日本国憲法の成立に介入していたのか? 「押し付け」議論の根幹にあるすれ違いの要因を聞いた。

『戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす』(角川新書)

──猪瀬さんは『東條英機 処刑の日』(文春文庫)でマッカーサーらによる日本国

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【歴史学者・井上寿一】戦前の“天皇機関説”だって解釈改憲!? 近代の歴史から考える、我が日本国憲法

――ご登場いただく第2の識者は、日本近代史が專門の歴史学者・政治学者にして、学習院大学学長の井上寿一氏。特に、日本が戦争に邁進した時代ともいえる明治・大正・昭和の外交史に詳しい同氏に、大日本帝国憲法下における政治のあり方、それを踏まえた上での戦後日本の“憲法運用”について話を聞いた。

──井上先生は、日本政治外交史が専門の歴史学者であり、学習院大学の学長も務めておいでです。大学における憲法、政治

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【憲法学者・古関彰一】『押し付け』説はどこから生まれたか? 昭和天皇こそ望んだ「平和憲法」

――概論では、日本国憲法の成立をめぐる概要と、それを取り巻く議論を紹介した。その中でも今再び注目を集めている、現行憲法の成立過程にGHQが深く関わっていたことからくる「憲法押し付け論」を軸として、憲法学者として、制定過程を中心とした研究を長年行ってきた古関彰一氏に、その成り立ちを聞いた。

『平和憲法の深層 』古関彰一(ちくま新書)

──昨今は安全保障条約の改定を契機に、日本国憲法の存在が国会内

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「GHQが1週間で作った」の意味するところとは……?安倍首相も真っ青!?「押し付け憲法論」再考

――安倍政権が推し進める安保法制問題で、集団的自衛権に関する解釈変更について違憲か合憲かが問われ、「日本国憲法」が大きなトピックとなっている。これまでも議論の対象となってきた、この日本国憲法に関する論点のひとつに、「日本国憲法は押し付けなのかどうか」という問題があるだろう。そこで、「日本国憲法がアメリカの押し付けなのかどうか」という問題をあらためて整理し、昨今の日本国憲法をめぐる諸問題をどう考える

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