NTTドコモにLINE、みずほ銀行も……日本にも到来するスコアリング社会

『データ階層社会―週刊東洋経済eビジネス新書No.289』(東洋経済新報社)

――AI監視とともにすでに中国で採用されているのが“スコアリング”。プライバシーや個人の尊厳にかかわる問題だが、こうした技術はすでに導入されようとしている。

 アリババ傘下のアリペイ(支付宝)が提供する信用スコアリング「芝麻信用」が中国ですでに普及している。年齢や学歴、職業、クレジットヒストリー、信用履歴、SNSの交友関係、趣味嗜好などAIが算出して個人に点数をつけるというものだが、スコアが高い人はさまざまな民間サービスでデポジットの免除や、公共施設での優先レーンの使用が認められる。まさに現代の身分制度といった感じだが、日本でも間もなく導入される見込みだ。

 みずほ銀行とソフトバンクの「J.Score」をはじめ、NTTドコモの「ドコモスコアリング」、LINEの「LINE Score」、ヤフーなどもすでに参入を表明しており、銀行やサービス業と協業してスコアリングを行うとしている。まずは無担保の小口融資や、ローンの審査などで活用をスタートさせるというが、あらゆる履歴が参照可能となるため、中国のような新たな階級制度が日本でも生まれる可能性は少なくない。

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