娯楽映画史の中で見るスター・ウォーズ…SWの成功でハリウッドは再興した!ビジネスで築いた“ルーカス帝国”の功績

――賛否渦巻く『フォースの覚醒』だが、根っからのSFファンはどう見たのか? SF作家で脚本家の堺三保氏に聞いたところ「昨今の批判には、娯楽映画の中のSWという視点がまるでない!」と嘆いた。映画史におけるその功績とは?

新しい敵キャラ、カイロ・レン。BB-8ほどではないが、こちらも人気に。

『スター・ウォーズ』否定派といえば、昔は頭の固い年寄りだったものですが、けなすのが賢い振る舞いだとでも思っているのか、最近は若い否定派も見られます。しかし、彼らの批評からは「『SW』が娯楽映画史においてどういう作品なのか」という視点が抜け落ちていることがほとんどです。

 一番最初の『エピソード4/新たなる希望』が公開された77年は、アメリカ映画のスタジオシステムが崩壊しかかっていた時期。理由は金回りの悪さと、大作の失敗です。それ以前から台頭していたのがロジャー・コーマンを始めとする独立系の映画の作り手たちで、彼らによって「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれるムーブメントが起こりますが、傑作は多いものの、やはり低予算で作品を作らねばならないため、すごく辛い状況でした。そんな中で、ルーカスがやはり1100万ドルという低予算ながら、当時としては画期的な特撮技術を用いて『SW』を作り、ヒットさせたことは非常に大きなことでした。そして、これによってアメリカの映画は娯楽路線に戻り、スタジオシステムも生き返り、今がある。『SW』がなかったら、アメリカ映画の今の地位はなかったかもしれないのです。

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