見出し画像

#30DayFilmChallenge 映画のまとめ!

ある日Twitterを見ていたら、「#30DayFilmChallenge」という面白そうな企画があったので30日間(と、言いつつ私はTwitterのTLを見ない日がちょいちょいあるのでたまに間が空いている)チャレンジしてみました。30日間、映画に関する質問にひたすら答えていく楽しい遊び。これはその回答のまとめです。

DAY1 『ドラえもん のび太の南海大冒険』

1日目は「見たことを覚えている最初の映画」。

これは小学生のときに、地元の長崎屋の地下にある映画館へはじめて親の付き添いなしで友達と観に行った映画だったと思う。立ち見だった。地元の長崎屋は当然ながら(?)その後潰れました。今はドンキかな? 栄枯盛衰。

DAY2 『マルホランド・ドライブ』  デヴィッド・リンチ

2日目は「自分の名前の最初の文字から始まる映画」。

私の名前が「まりな」なので、「ま」から始まる映画を選んでみました。ちなみに私がデヴィッド・リンチ作品でいちばん好きなのは『イレイザー・ヘッド』。次点が『インランド・エンパイア』かな。

DAY3 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 クエンティン・タランティーノ

3日目は「タイトルが5単語以上の映画」。

この作品は、妊娠中だったロマン・ポランスキーの妻シャロン・テートが、カルト信者に殺された事件を描いたもの。が、私はまったく予備知識なしで映画館に行ってしまい、あとから「ああ、なるほど……」と思いました。これから観る人は事前に「シャロン・テート殺害事件」でググっておくことをおすすめします。

DAY4 『彼女について私が知っているニ、三の事柄』 ジャン=リュック・ゴダール

彼女について

4日目は「タイトルに数字が入っている映画」。

『彼女について私が知ってる二、三の事柄』は大学生のときに観た映画で、正直なところ意味はよくわからなかった。が、これを観てしばらくはテレビの映像がジャンクすぎて見られなくなってしまったという思い出がある。ちなみにゴダールはいつもいつも主演の女優を好きになってしまう癖があったのか(はたまた好きな女をいつも自分の映画の主演にしていたのか)、この作品の主演マリナ・ヴラディとも浮名を流したこともあるらしい。

DAY5  『旅芸人の記録』 テオ・アンゲロプロス

5日目は「憧れの職業に就いてるキャラクターが登場する映画」。

私の将来の夢はずーっとずっと夏目漱石的な「高等遊民」なのだが、高等遊民が出てくる映画で好きなのが思いつかなかったので、第2志望の「旅芸人」にしてみました。テオ・アンゲロプロスの映画はもう1回観たいものがたくさんあるので、アマプラに入れるかどこかで再上映してくれないかなー。いちばん観たいのは『霧の中の風景』。

DAY6 『ファンタスティック・プラネット』 ルネ・ラルー

6日目は「お気に入りのアニメーション映画」。

『ファンタスティック・プラネット』は人類がペットとして飼われる未来のSFです。ちょっとキモい、でもかわいい生物にときめきが止まりません。ブンブン振って食べるでもなく地面に叩きつけるサイコパスな生き物かわいい。

DAY7  『庭園』 ヤン・シュヴァンクマイエル

スクリーンショット 2020-09-29 21.28.02

7日目は「何度観ても飽きない映画」。

大学の卒論で扱い、今のHNのもとになっている私の神様ヤン・シュヴァンクマイエルの短編映画。シュヴァンクマイエルの短編映画を好きな順に並べると『庭園』『ジャバウォッキー』『自然の歴史』『オトラントの城』『ワイズマンとのピクニック』以下いろいろ、かな。『庭園』は1968年に製作された15分程度の短編で、私の好きな要素がギュッと詰まっており、いつ見てもブラックユーモアに溢れていて楽しい。『ジャバウォッキー』は子ども向けアニメのようでカニバリスムの表現があり、チェコ映画らしいな〜と見るたびに思います。

DAY8  『Climax』 ギャスパー・ノエ

8日目は「サウンドトラックが好きな映画」。

去年に観てから、ギャスパー・ノエ『climax』のサントラをspotifyでたくさん聴いています。サングリアにLSDを入れられたダンサーたちがずーっとラリっている、薬物乱用は絶対やめようと心の底から啓蒙される作品。ダンスシーンを上から撮ってるシーンが好き。

DAY9 『パリ、テキサス』 ヴィム・ヴェンダース

9日目は「評判はいいけど自分は苦手な映画」。

『パリ、テキサス』はじめ、私はヴィム・ヴェンダース作品全般がちょっと苦手。おそらくヴェンダースの家族観や恋愛観と、私の家族観や恋愛観とが合わないのだと思う。ヴェンダースの映像は好き。

DAY10  『ダークナイト』 クリストファー・ノーラン

10日目は「お気に入りのスーパーヒーロー映画」。

そもそもヒーローって存在が私はまったく好きではないんだけど、しいていうなら去年『ジョーカー』を観たときについでにみた、"ジョーカー"が登場するクリストファー・ノーランの『ダークナイト』かな。バットマンより、もちろんジョーカーが好き。ティム・バートンのバットマンも見ようと思う。ノーランといえば、『TENET』もそのうち観ます。

DAY11  『ワイルドバンチ』 サム・ペキンパー

11日目は「いちばん好きじゃないジャンルの好きな映画」。

私の好きじゃない映画ジャンルは西部劇。昨日のヒーロー映画もだけど、正義が勝つ的な構造にまったく興味がないのである。でもサム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』は、銃撃戦のシーンで鳥肌が立つから好き。

DAY12 『時計じかけのオレンジ』 スタンリー・キューブリック

12日目は「好きなジャンルの苦手な映画」。

ヒーローが行使する勧善懲悪の暴力は嫌い、でも不平等に理不尽に襲いかかる胸糞の悪い暴力は好き。ということでミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』なんかは当然好きな部類の映画に入るわけですが、なぜかキューブリックの『時計じかけのオレンジ』はあまり好きではなくちょっと苦手。キューブリックの他の作品はわりと好きで、『アイズ・ワイド・シャット』なんかは人生ベスト10に入るかもしれない。

DAY13  『ラッカは静かに虐殺されている』 マシュー・ハイネマン

13日目は「深く考えさせてくれる映画」。

マシュー・ハイネマンの『ラッカは静かに虐殺されている』にしました。シリアの都市ラッカで、ISILとSNSで闘う市民団体のドキュメンタリー。子供に甘い言葉をかけて洗脳したり、ISILの残酷なやり方を知ることができる。マシュー・ハイネマンはこの作品の前の『カルテル・ランド』も私は観ていて、今いちばん気になっているドキュメンタリー監督かもしれない。こちらは、メキシコの麻薬カルテルを追った映画。

DAY14  『絞殺』 新藤兼人

14日目は「鬱々とした気分になる映画」。

これ、Amazonプライムに入っていてちょっとびっくりしたのでぜひ観てみてほしい。私が好んで観る映画は解釈によっては9割が鬱映画なので選ぶのが難しかったんだけど、本気で答えるなら新藤兼人の『絞殺』。大学生のときに初めて観てから10年以上経つけど、これを超える絶望をもたらす作品に、いまだ出会っていない。

DAY15  『8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ

15日目は「幸せな気分になる映画」。

「幸せ」の定義にもよるけど、観るとじわ〜っとなるのはフェリーニの『8 1/2(はっかにぶんのいち)』だなと思う。幸せだけどちょっと悲しい。でも、悲しくてもまあいっかって感じ。ラストのセリフは若干クサイ気もするが曲が好きである。

DAY16 『シェルタリング・スカイ』 ベルナルド・ベルトルッチ

16日目は「思い入れのある映画」。

イスラエルに行きたいという理由でまったくのノープランで前職を辞めた時期によく観ていたのがこの『シェルタリング・スカイ』。旅行者と観光客は何が違うと思う? という問いかけから物語が始まる。私にとって「旅」はこういうもので、いまだこの映画のような旅は実現していない。

DAY17 『ルック・オブ・サイレンス』『アクト・オブ・キリング』 ジョシュア・オッペンハイマー

17日目は「続編のある映画」。

ジョシュア・オッペンハイマーの『アクト・オブ・キリング』には続編『ルック・オブ・サイレンス』があるけど、こちらはまだ観てないです。『アクト〜』は、60年代にインドネシアで起きた大虐殺の加害者に、「当時の出来事を映画で再現してみませんか?」と持ちかける異色のドキュメンタリー。大虐殺の主犯たちが今も英雄として暮らしているというインドネシアにもびっくりだけど、世界で見るとそんなに珍しい話でもないのだろう。ちなみに『ルック〜』は被害者側からのドキュメンタリーらしい。

DAY18 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 マーティン・スコセッシ

18日目は「お気に入りの俳優が主演の映画」。

ディカプリオが出てるマーティン・スコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。ディカプリオはうさんくせえ成金の役がめちゃくちゃ上手い、というか下品な成金の役をやってるディカプリオが私は好きなのですわ。ジョーダン・ベルフォートもジェイ・ギャツビーも、ディカプリオがやるしかない!!

DAY19 『世紀の光』 アピチャッポン・ウィーラセタクン

19日目は「お気に入りの監督の映画」。

アピチャッポン・ウィーラセタクンの映画、全部は観てないけど観たやつは全部好き。輪廻転生で牛や別の生き物に生まれ変わったりすること、人間じゃないものに興味ある人におすすめできる。おすすめいちばんは『世紀の光』、次が『ブンミおじさんの森』で、その次が『光りの墓』かな。瞑想的というか、アジア的というか、心の奥が浄化されていく感覚がある。

DAY20 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 ラース・フォン・トリアー

ダンサー

20日目は「人生を変えた映画」。

ラース・フォン・トリアーの作品のすべてが好きなわけでは決してないけど、中3のときに観た『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はなかなか衝撃的で、これを観て私は映画を学べる大学に行こうと決めた。サントラではトム・ヨークも歌っている。

DAY21 『神々のたそがれ』 アレクセイ・ゲルマン

21日目は 「居眠りした映画」。

居眠りしてしまうような映画こそが好きみたいなところがあるので、私は実は映画の上映中しょっちゅう寝ている。それにしても、アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』は1/3は寝てたな。しかし、ラストで鳥肌がぶわ〜っと立って凄まじい経験をしたので、私の中では決して退屈な映画ではない。この映画の音楽が好きなんだよね〜。

DAY22 『闇のバイブル 聖少女の詩』 ヤロミール・イレシュ

22日目は「あなたを怒らせた映画」。

怒ってはないけど笑、「タイトル〜!?」と思い続けている、ヤロミール・イレシュの『闇のバイブル 聖少女の詩』。原題に忠実にいくと『ヴァレリエと不思議な一週間』のはず。これは邦題でダサくなったというか、邦題を頑張りすぎて厨二病になった珍しいパターンである。物語は、主人公の激マブ美少女ヴァレリエちゃんに初潮が来ると同時に、村に悪魔がやってくるというお耽美なもの。

DAY23 『自由の幻想』 ルイス・ブニュエル

23日目は「もうこの世にいない監督の映画」。

ルイス・ブニュエルの作品でいちばん好きなのが『自由の幻想』(1974年)。初めて観たのは大学生のときで、去年、銀座HERMÈSのLe Studioで改めて観た。この映画では、排泄はみんなで一緒に、食事は個室で1人。ずるずると悪夢が滑っていき、ブラックユーモアで笑い、自由はくたばる。

DAY24 『去年マリエンバードで』 アラン・レネ

24日目は「映画館で観たかった映画」。

映画館では観たことないのが、アラン・レネの『去年マリエンバートで』。脚本はアラン・ロブ=グリエ。何回か逃してるけど笑、またどっかで特集上映やるだろうし、映画館で観るチャンスは今後もあると期待している。奇妙に幾何学的に配置された庭、左右対称の世界、混濁する記憶、この悪い夢はやっぱり真っ暗闇の中で観たい。ていうかこの予告編動画オシャレ……。

DAY25 『カメレオンマン』 ウッディ・アレン

25日目は「好きだけど今の時代にそぐわない映画」。

ウッディ・アレンの『カメレオンマン』(1983年)は、今の時代にそぐわないどころか、ものすごく「現代」的だと思う。時代にそぐわないというか、監督がいまスキャンダルで揉めているので、アレンの映画を無邪気に好きといえる時代はもう終わったかなという意味でこの作品を。私はウッディ・アレンの映画で『カメレオンマン』がいちばん好きで、動画に出てくるカメレオンマンの歌はよく掃除とかしながら口ずさんでいる。

DAY26  『ムード・インディゴ うたかたの日々』 ミシェル・ゴンドリー

26日目は「原作のある映画」。

ミシェル・ゴンドリーの『ムード・インディゴ うたかたの日々』の原作、ボリス・ヴィアンの『日々の泡』(こっちのタイトル訳のほうが好き)は、私がもっとも好きな恋愛小説。蛇口をひねるとウナギが出てきて、肺には睡蓮の蕾。そしてデューク・エリントンの音楽。

DAY27 『ざくろの色』 セルゲイ・パラジャーノフ

27日目は「映像が印象的な映画」。

すっかり大好きになってしまったセルゲイ・パラジャーノフ、なかでもお気に入りは『ざくろの色』。私の思う「美(幻想的、呪術的、退廃的、シュルレアリスティック、加えてちょっとインモラルな感じ)」がここに集結している…! 直近の話でいうと、アルメニアとアゼルバイジャンが戦闘開始してしまったので、ジョージアは大丈夫だろうか……と個人的に心配しています。

DAY28  『サタンタンゴ』 タル・ベーラ

28日目は「居心地が悪くなる映画」。

タル・ベーラの『サタンタンゴ』とか『ニーチェの馬』とかは居心地が悪いというか、観たあとに頭がクラクラっとなる。『サタンタンゴ』はまあ上映時間が7時間と長いからだけど、映像のなかの雨と泥に頭を持って行かれてしまい、現実世界への復帰に時間がかかる。『ニーチェの馬』は風と砂。

DAY29 『花様年華』  ウォン・カーウァイ

29日目は「恋がしたくなる映画」。

10〜20代のキャッキャした恋愛青春映画は同年代だった頃から好きじゃなく、またアラサー向けの恋愛映画は辛気くさくて嫌いなので(個人の意見です)、これは選ぶのがかなり難しかったですね。恋がしたくなる映画、いっそのことウォン・カーウァイの『花様年華』はどうか。じっとりと重い恋(不倫)。ただ、美しい。

DAY30 『オマールの壁』  ハニ・アブ・アサド

そして最後、30日目は「終わりかたが好きな映画」。

ハニ・アブ・アサドがパレスチナ自治区を舞台に描いた『オマールの壁』。イスラエルが作った壁を乗り越えて、命の危険を顧みず恋人に会いに行く主人公の話。一種の恋愛映画だけど、終わりかたに甘さはまったくなく残酷で皮肉っぽい。

----------------

以上、30日間に回答した映画のまとめでした。楽しかったな〜! 決して安くないDVDを買わないと観られないものもいくつかありますが、Amazonプライムで観られるやつはぜひリンクからポチッとしてみてください。


شكرا لك!