|旅の記録|竹富島・石垣島 #2
島を歩く
竹富島で一夜を明かし、2日目は島を歩いて回る一日となった。
まず行ったのが、島で観光客に人気のスポット「西桟橋」。天気の良い日は美しい夕日が見えるらしい。夕暮れ時でもなく、晴れてもいなかったが、海から離れた京都市在住の私たちは、まず海を見に出かけた。
土壌に恵まれない竹富島では米作りができず、かつては舟に乗って西表島へ渡り、稲作を行っていたそうだ。
とにかく風が強くて、桟橋の先のほうまで行くと飛ばされそうだ。髪の毛を振り乱しながら夫婦で写真を撮り合った。私の地元(和歌山)の真っ青な海とは異なり、淡いエメラルドグリーンの遠浅の海が続いていた。天気がよければもっと美しいのだろう。
このまま、歩いて近くの砂浜まで行った。石垣島からこちらへ来た時の船の中から見えた波の形も、この浜辺のサンゴ(だろうか?)の表面の模様も、なんだかタルコフスキーの映画「惑星ソラリス」に出てきそうだった。
風が強く、肌寒くなってきたので、集落のほうへ向かう。
島には3つの集落がある。そのうち私たちが宿泊していた集落は、飲食店や民宿など、観光業を営む住民が多いようだった。
島全体が同じような感じなのかと思っていたが、隣の集落へ行くとひっそりとしていて、随分と雰囲気が違っていた。外周9.2kmと小さな島なのに、集落によってこんなに違うのは興味深い。
クバの葉のこと
以前、竹富島にゆかりのある方から、クバという植物の葉を使ってカゴを編む方法を教わるワークショップに参加したことがある。そのクバが実際に生えているところを見てみたいと思っていたら、見つけた!
クバの葉は、細長い葉が扇のようにたくさん連なっている。水をくむためのひしゃくや、笠、かごなど、昔から様々な道具を作るのに使われてきたそうだ。
こうやって、その土地にあるものをいただいて、道具を作って生きていくという生き方に私は惹かれる。生きていくのに必要な分以上のものを土地から奪ってしまうと、世界のバランスは崩れる。そこに調和がなくなる。そうではなくて、必要な分だけをとって、使い終わったものはまた土に還す。自分も死ねば土に還る。
都市に暮らす日常生活ではつい忘れがちなのだが、私はちゃんと土(大地)との繋がりを感じながら生きていきたし、そうなれるように一歩ずつでも行動していきたい。改めてそう感じた時間だった。
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