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穏やかに豊かに楽しむラグジャリー

製品所有の意味の変化:機能→象徴→使用→共創

 なぜものを購入するのだろうか?初めて製品が市場に登場するとき、そもそもその商品の機能に関心があり購入する。また、その商品を作ってる企業のものだから、購入する場合もあるだろう。そして、その商品についてなんらかの知識を持っているため、他の人たちは購入に至らないものを所持することもあるだろう。このように見てみると、商品の機能、商品にまるわる象徴性、商品やそれらに関する知識が、ものを購入する意味として考えられる。

 一方、ものの作り手の価値提案によらず、自分自身の好みからの製品の選択もある。例えば、ストリートファッション。物自体の価値よりも、ものをどう使うかが鍵になる。さらに、ITによって多様なコミュニケーションが可能になると、作り手と使用者の溝は一気に狭まり、両者のインタラクションが始まる。カスタマイズ、要求ベースの制作、使用時のストーリーなどの共有が行われる (ref: https://www.cafeducycliste.com/jp_ja/la-gazette/)。

製作者と使用者の一致による楽しむための製品

 この究極な形は、自分で自分の欲しいものを作ること。例えば、スティーブ・ジョブズのiPodや、CHANELに代表される女性による女性のためのファッションブランド。普遍的でありながら今を生き着る人が際立つリアルクローズMadisoblueや「飾るジュエリーから、暮らすジュエリーへ」というブランド哲学を持つBonMagicもその一つだ。女性のデザイナーが始めた製品は、使う人のおしゃれも心の癒しも満たす。

 "つける方の暮らしに染まってほしい、ジュエリーと人が一体になってほしい、との思いをこめてつくり続けてきた"アクセサリーブランドが、喜びを感じるのは、"つけてくださるお客様から言葉をかけていただくとき。「豊かな時間を持つことができる」、「心が穏やかに落ち着いていく」”、と。(ref: https://www.bon-magique.co.jp/pages/philosophy)

製品と関わる全てのステークホルダーの豊かさ:ラグジャリー

 提供者の独りよがりな価値提案から、無理しない、より自然な価値の使用へとラグジャリーに対する意識が変化しつつある。そこには、提供者、使用者だけではなく、生産者、それらを取り巻く環境も重要なステークホルダーとして登場する。それらの関係性、包含するシステムが自然であることが、心の豊かさにつながる。

 この流れはB2Cだけではなく、B2B2Cにおいても起きており、日本初のスタートアップ、ユーグレナspiderは彼らの周りに最終製品を提供する企業を惹きつけ、エコシステムを形成する。この変わりゆく、ものと私たちの関係をこれから見ていきたい。




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